Q1
ポッドからガリが出るんですが接点復活剤とかで直りますか?
A1
電気系統のトラブルと言ったらこれ!と言う位、よく頂くご質問ですね。
ポットとは所謂ヴォリュームと言う部品の事なのですが、
(サムネイルをクリックしてください。画像が拡大します)
こういうルックスのものですね。楽器屋さんでも売られています。
これらの部品は楽器本体についてるツマミやエフェクタ・アンプに付いている物も機構としては同じ物になります。
このガリが起こる多くの原因は以下の画像の部分、
ヴォリューム内部にあるブラシや、それに接する抵抗体の磨耗や酸化です。接点復活剤と言うのは、その消耗してしまった部分を一時的に回復させるだけの代物で、完全に回復させる訳ではありません。あくまで一時しのぎとお考え下さい。
完全に修理するには部品の交換以外はありません。
酸化防止の為の密閉型のヴォリュームなどもありますので、交換の際にはそういった長寿命品を候補に入れておくのも良いかと思います。
因みに「ポッド」と言うのは間違いで、正しくはポテンショメーター(Potentiometer)の略で「ポット(Pot)」と言います。ネット上で誤記されているのを良く見かけますが・・・・・
これは余談なんですが、メールで「ポッドのガリが出るんですが直りますか?」と言うご質問を頂いた場合、たまにLINE6のPODシリーズの事だと勘違いする事があります。
ご質問をくださる場合は、もう少し細かい内容をお知らせ頂けると幸いです。
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Q2
コンデンサってどこの物が良いのですか?お勧めはありますか?
A2
コンデンサとはこういうルックスの物です。
左からオイル・電解・セラミック・タンタル・マイラとなります。
この外にもマイカ・スチロール・MKTと言った物がありますが、パッシブの楽器内部使われるのは、セラミック・マイラ・オイルが一般的でしょうか。
コンデンサの銘柄によって音が微妙に変わるのは周知の事実ですが、どこの製品の音が良い・悪いと言うのは、プレーヤーや楽器によりますので一概には言えません。出したい音の着地点次第でしょうか。そういった意味で、お勧め品と言うのは一言では言えません。私個人としてはある基準に則って選択するようにしています。
同数値のコンデンサでも「銘柄が変わると音が変わる」と言う現象についてなのですが、実物は数値に誤差が結構有ります(LCRメーターで計ると良く判る)。
「オイルコンだから音が太い」とか「セラミックコンデンサだからローが出ない」などの「〜だから」と言うのはあまり当てになりません。
楽器の音(電気に絞ると)はPUのコイル成分や、ポットの抵抗値やカーブの誤差によるトーンの使用感の違い、その他の要因も複雑に絡み合って音というのは成り立ちます。
ですので、盲目的に「オイルの物が良い」、「マイラは駄目だ」とは言えないでしょう。
但し、価格の高いコンデンサは、それなりの理由があります(詳しくはここでは割愛します)
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Q3
配線材による音質の違いや、配線材その物の良し悪しとはどういう事を指すのでしょうか?
A3
配線材に関しては、上記のコンデンサの話同様、良い悪いは一概に言えません。又半田付けの仕方でも随分差が出ます。
そういえば、近年WEなどのヴィンテージの配線材などが持て囃されていますが、皮膜の中で錆びていたり、単線だとボキボキに折れていたり、半田が乗りにくかったりするものも見受けられる為、諸手を上げて良い物だとは言い切れない所もあります。
やはりプレーヤーと出音と着地点と予算次第で、色々試すのが良いかと思います。
これは個人的な話ですが、皮膜が熱に弱い物や、あまりに柔らかい物は断線等の危険性を回避する為、避けるようにしています。
その為、私の方で常備している配線材は、あるケーブル会社が作っているUL規格の製品で、耐熱皮膜が使われている物を主に使っています。
それ以外にも使い分けが必要なので、必要とあらば配線材自体を良質な材料から、何種類か用途別に作る事もあります。構造も使う材料も適度に変えて有ります。
この辺はとりあえず秘密にさせてください。
Q4
半田付けのコツを教えて下さい
A4
半田付けのコツは、
「常にコテ先を綺麗に保っておく事」
「接合面を綺麗にする事」
「予備半田をきちんとする事」
「接合する部品同士をきちんと暖めてあげる事」
「コテ先で半田を混ぜない事」
「暖め過ぎない事」
文字で書くと良く判りませんね(笑)
一番重要なのは
「何度も経験する事」
でしょうね。がんばって練習してみてください。
次に半田付け作業の良し悪しの基準ですが、ポイントとして、「半田で部品を接合してはいけません(半田自体に接合強度を求めてはいけません)」と言う事ですか。
あくまで「半田は接合の補助をする為の物」です。物理的な強度は殆ど期待できません。
前提として部品同士をちゃんと絡げて(端子に配線を巻き付ける)、その状態で導通が確保出来ていて、その状態を維持する為に少量の半田を流して固定してあげる、と言うのが本来の半田付けです。実験機などは絡げてしまうと面倒ですのでこの限りでは有りませんが。
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といったここまで書いた所で力尽きましたので本日はここまで!