2013年01月12日

IRPオリジナルローカットエフェクタ製作

引き続き昨年頂いたお仕事の一部をご紹介させて頂きます。
今回はT様と言うお客様から頂いたローカット具合をコントロール出来るエフェクターの製作依頼を頂戴しましたので、オリジナル設計にて製作させて頂きました。

今回のご要望の骨子は以下の通り

@S社のギターに内蔵されているローカットトーンをエフェクトペダルにしたい
Aコントロールノブを右に回すとローカットされていく様に配線
Bパッシブでご希望でしたが、その他機材の外部要因等、諸般の都合から増幅回路を内蔵する事。
また、回路のフロー等、物理的な都合から増幅後にローカットを行う事に。
CLEDは青色で高輝度の物を使用
Dラベルやデザインはオリジナル

そんな内容で製作スタート
IMG_0809.JPG
こんなユニバーサル基盤でバッファ増幅部分の実験機を作ってしまいます。
この回路は安定性も高く、原音に対するカラリングも非常に少ない優秀な回路でして、私共の色んな回路のインプットバッファに使われています。
過去に実験販売していたArchetype-Element(楽器内蔵型プリアンプ)の主要回路でも有ります。
こちらは小型な使用パーツの目途が付き次第、再生産しようと計画しています。

まあそんな回路に所謂ローカットフィルター(要素としてはRCの1次フィルター回路)を取り付けて実験を繰り返します。

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とまあこんな感じで部品を取り換えて色々聞き分けて定数を決定していきます。
一次フィルターは簡単な計算でもカットオフ周波数は出せるんですが、繋ぎこむ相手は楽器ですのでコレは音を聞いて、色々な定数の部品を取り変えながら決定した方が早いなーと思います。

ただ、設計の下準備の段階ではスタジオ用機材でアナログ64バンドのグラフィックEQを使って有る程度、カットオフ周波数を決めてあったりするんですけれどね。

そんな感じで完成!
IMG_0919.JPG
今回は二台ご注文頂いておりましたので揃った写真を。

T様、ご注文ありがとうございました。
またのご依頼お待ちしております。

あまりきれいな写真が残っていませんでしたが、こんなオリジナルエフェクトも製作可能です。

気になった方はぜひお気軽にご相談を!
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2013年01月06日

最近の楽器内蔵プリアンプに関する時流について

最近はヤフーオークション等でも楽器内蔵型プリアンプが結構な種類出品されているようです。
時折そういった所謂新興ブランドのプリアンプと楽器を持ちこみされるお客様がいらっしゃいますので、触れる機会が結構多く様々な観点で自社製品を見つめ直しフィードバックを行っています。

そんな折に触れ思う事ですが、最近はギターにプリアンプを内蔵する事に抵抗が無い方が微々たる数とは言え増えてきているのかなと思います。

古くはアレンビックやBCリッチがプリアンプ内蔵を始め、サドウスキーがスターズと組んで自社プリアンプの開発をし、マーカスミラーが同社製品使った事で一気に市民権を得たように思います。
但しこれらはすべてベースの世界の話で、ギターは中々内蔵型プリアンプは受け入れられない時代が依然続いています。

EMGに代表されるアクティブPUは構造が特殊が故、ある種の音色を想像され敬遠されたり、楽器その物に電池が入っている事がギタリストの心理的な敬遠を生んでいるような気がします。

私個人が考える楽器内蔵型プリアンプ考は以下の通り

1:PUはあくまでパッシブで有る事
2:プリアンプ入力前にボリュームが有りパッシブの定数である事
3:トーンを取り付ける際はパッシブ定数でプリアンプ入力前に設置する事
4:プリアンプ入力インピーダンスは出来るだけ高く受ける
5:出力インピーダンスは出来うる限り低く送る
6:プリアンプによってトータルの出力位相が反転しない事
7:EQ要素が入る場合必ずフラットポイントを設ける事
8:フラットポイントでバイパス時と音色がほとんど変わらない事

あたり前と言っちゃあたり前なのですが、この辺りが出来ないプリアンプは非常に沢山有ります。
格段解説
1〜3に関して
「パッシブの音色や操作性」と言う物を残す為に、言い換えるとプレーヤーに違和感を与えない為に行う内容です。プレーヤーからのリクエストや「アクティブの音色や操作性」を追求するのであればボリュームとトーンはプリアンプ以降に配置します。

ただ経験上、前段のパッシブ定数の物の方が概ね評判は良いようですが。

4〜5に関して
所謂ハイ受けロー出しという電気回路の鉄則を守る為です。
もしもこれが逆ですと、後段に繋ぐエフェクト等の機器によっては正しい機能が発揮できない可能性が高く、機材のトータルのブロックダイアグラム上、運が悪いと故障を招く事も有ります。
その他の要素に於いてはこの入出力のインピーダンスの数値定数によって、ある種の音色のコントロールが可能です。但し前出の話通り鉄則は守った上ですが。

6に関して。
コレはオーディオ回路の鉄則ですが、単純にミキサーやバンドのオケに信号を突っ込んだ場合、同一帯域がフェイズして打ち消されてしまいます。ですので、トータルの入出力は必ず正位相で処理を行うべきです。

7に関して。
これは、元音が一体どんな音であったかを瞬時に戻せるようにしておかないと、触れば触る程、原音から離れて戻せなくなる事を避ける為です。

8に関して。
フラットポイントで音色の変化が殆どなければ、増幅素子を通ってインピーダンスを変化させている分、1:1のバッファリングを行った事と同義です。この機能を満たしていると、一台で2種類の機能を果たせるようになります。ただ、回路の設計理念上どうしてもそれが出来ない物で有る場合は、7の現象に連動して、バイパススイッチを設ける事は必須とも言えます。

さて、私共のミッドブースターに関しては現在の所、全く店舗販売を行わない事で中間マージン圧縮によるコスト削減を行っているのですが、ペダルエフェクトタイプへのカスタマイズや、今後開発する物に関しては、どこかの楽器店さんとタイアップの上、販売を行う可能性もあります。
そう言った場合でも、基本的には上記の設計理念は守った物を製作します。
しかしながらこれらの内容にプラスしたいご要望等が有れば、柔軟に対応させて頂きますので、引き続き宜しくお願い致します。


本日はここまで
posted by IRP Products at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | プリアンプ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カスタムショップストラトへのミッドブースター搭載

本年2つ目の記事は前回同様の作業内容ですが、カスタムショップストラトへのミッドブースター搭載をご用命頂きましたのでその作業記事となります
IMG_0891.JPG

入庫時の姿はこんな感じで、フェンダーカスタムショップ製のストラトになります。
所謂アメリカンデラックス系の仕様となっているモデルです。

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実はこのストラトは既に某社にて改造を受けており、3シングルからSSHへ改造がなされていました。
PUは全てフェンダー製ではなくとある社外品のリプレイスパーツです。これは結構良い組み合わせで、良いバランスかもしれないなあと思ったのでデータとして私の資料に追加されました。
自分用のアッセンを組む時には大変参考になる組み合わせです。

今回は演奏曲目等の変化の都合で、それらのアッセンを全て交換してしまうと言う作業でした。

まずは全分解から。
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リアPUのキャビティーはハムバッカー用に拡張されています。

今回は3シングルに戻すのですが、キャビティーの埋め戻しは無しです。
このままアッセンの載せ替え作業に入ります。

その前に例によって導電性塗料によるノイズ対策を行いますので、マスキングテープにて養生します。
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こちらも厚めに導電性塗料を塗布し、ちゃんと塗膜がアースに落ちる様に加工作業をしております。
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今回載せ替えるPUはこちら。
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フェンダーノイズレスPUホットのセットですね。これ、音的にも構造的にも個人的には大好きなPUの一つです。が、使用されているアウトプット用の線材はもう少し良い物に変えられないんだろうか。。

そんな訳で次にPGを新規製作で新調した物に早速アッセンを組み込みます。
IMG_0894.JPG IMG_0906.JPG IMG_0905.JPG
今回のコントロールレイアウトは以下の通り。
★3WAYレバースイッチ
★マスターボリューム
★ダミートーン
★ブーストゲイン

例によって載せてあるブースターはコレと同一形状の物ですね。
ミッドブースター - コピー.jpeg

今回はバッテリーボックスを増設しますのでいつも通りのこの位置に切削加工を行います。
IMG_0908.JPG IMG_0930.JPG
ボックスを取り付けるとこんな感じ。ゴトー製のボックスは本当に便利で助かります。

そして新アッセンを組み込んで調整をしたら一旦完成です。
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次はストリングガイドの増設もご用命頂いておりましたので、アメリカンシリーズのストリングガイドを用意しました。
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コレをお客様からの指示に合わせて取り付ければ作業終了です。
IMG_0922.JPG IMG_0925.JPG
この位置も実は拘りみたいな物が有って、計算して割り出しているのです。

その後、各種調整を行って最終チェックがOKになって出庫です。
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T様 ご用命有難うございました。
またのご用命とご愛顧の程お待ち申し上げております。
posted by IRP Products at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | プリアンプ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年明けましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞご愛顧の程宜しくお願い申し上げまして、新年のご挨拶に代えさせて頂けたらと思います。

早速ですが2013年も幕が開いて6日も過ぎました。徐々に仕事を始めておりますので、引き続き宜しくお願いいたします。

年始一発目の記事は例によってミッドブースター搭載の記事です
IMG_1320.JPG

今回の楽器はフェンダージャパンのエスクワイヤータイプになります。

IMG_1321.JPG
リア一発の大変の男らしい構成の楽器ですね。

通常エスクワイヤーのレバースイッチはパッシブプリセットトーンコントロールになっていて、スイッチの切り替えによってトーンのカット具合が変わると言った回路になっています。

が、今回はミッドブースター取り付けをご希望でしたので、通常のプリセットスイッチではなくミッドブースターの切り替えスイッチ及びスタンバイスイッチを同梱してしまう事となりました。当然通常のパッシブトーンの場所にブーストゲインノブを取り付けるレイアウトですね。

まずは全分解から。
IMG_1322.JPG
非常に素性が良いアッシュ材ボディーでどうやら各部ホロー加工がなされているようです。

同時にご用命いただいたシールディング加工の為にボディーを養生します。
IMG_1324.JPG

その上から必要な部分だけ導電性塗料を塗布。
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この加工はシングルコイルのギターのノイズにお困りの際、覿面の効果が有ります。
但しちゃんと各部をアースに落とす加工がなされていることが条件ですので、そのあたりを要注意の上、塗料を厚めに塗布します。

そしてブースター回路投入。
IMG_1333.JPG
コレ作業中のブサイクな写真しか残せてませんでしたが、最終は適切に配線類を処理しています。

又、バッテリーは当初PG下に座繰りを入れてバッテリースペースを確保する予定でした。外見からバッテリーが解らない様にしてくれと言う意味ですね。
ただ、どうもホローボディーなので、下手に掘るとかなりみっともない事になりそうです。

そのあたりお客様とご相談の上、ホロー構造の為、かなりスペースに余裕が有るコントロールキャビティーへ専用バッテリーホルダーを取り付けて納めてしまう事にしました。

それが作業写真のような状態ですね。

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組み込んで蓋をしたらこんな感じ。
IMG_1334.JPG

いつも思うのですが、テレキャスターのブリッジには本当にこれにしか出せない魔法みたいな音が有りますね。また、このPU、お客様がリンディフレーリンに交換されてまして、特有のエッジ感と線の太さを持ち合わせています。

このPUとうちのブースターの組み合わせは鳥肌が出る様な音が出ました。
動画でも撮っておけばよかったなあ。

完成後のコントロールレイアウトは以下の通り。

★レバースイッチ
フロント:信号オフ
センター:ブースターゲインオフ
リア:ブースターゲインオン

★マスターボリュームノブ
ソニックが出しているフルアップボリュームポット

★トーンノブ
ブースターゲイン

今回の作業はブースターをレバースイッチで切り替えると言う初めての試みで、当初はスイッチの構造上の問題で切り替えノイズに随分悩まされましたが、各種検証の後、回路自体を改造して事なきを得ました。

IMG_1335.JPG

そんな訳で各部調整をして完成。

K様 大変お待たせしました。
又のご愛顧をお待ちしております。

posted by IRP Products at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | プリアンプ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月09日

ミッドブースターに関してのQ&A

2カ月程前にアップしたミッドブースターの取り付け例等の記事で更なるお問い合わせを頂戴するようになった件の回路ですが、あの回路についてご質問いただく事が又増えましたので此処で一旦まとめてご返答いたします。

Q:木部加工はどれくらい必要ですか?

A:バッテリーボックススペースが必要です。
回路その物の搭載に関しては現在ストラト系及び通常のテレキャスターで有れば木部加工は必要ありません。
レスポールやPRS、ギブソンSGに関しては搭載に木部加工が必要となります事をご了承ください。

Q:ピークの周波数は任意で可変出来ますか?

A:残念ながらピーク周波数の可変は出来ません。
但し、一般的なシングルコイルの音色からハムバッカーの音色まで連続的に可変出来るトーンコントロールとお考え頂ければわかりやすいかと思います。

Q:ブーストのみ(カットは無し)ですか?

A:ブーストのみです
ピーク周波数帯や、カットオフ特性は社外秘ですのでご了承ください。
ブーストゼロの際はフラットな特性でインピーダンス変換のみを行っております。
つまり、PUに最も近い位置でバッファリングする事により最もPUの素直な音色を引き出すことが可能です。
又ボリュームポットやトーンコントロールはパッシブの物を利用可能ですので、パッシブトーンの甘い効きがお好みの方にも対応しております。

Q:電池はどれくらい持ちますか?

A:9V電池のマンガンで連続使用100時間程度となります。

Q:コントロールノブはどういった物が使えますか?

A:通常のストラト/レスポール等の物は加工が必要ですが、それ以外のねじ止め式の物は使用可能です。現在ロレット軸のポットに仕様変更検討中です。

長らく皆様に大変ご愛顧頂いておりますIRP PRODUCTS製ミッドブースターですが、現在も仕様がどんどん進化する予定です。

今後もご愛顧頂ければ幸いです。

ミッドブースター.jpeg
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2012年07月16日

ミッドブースター取り付け例 

昨日もアップしましたが出来る余裕があるうちに記事をアップしておきます。
放っておくと又しばらく滞ってしまうと思いますので。。。

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今回の記事はストラトに対するミッドブースターの取り付けを一旦おさらいする事にします。

画像 729.jpg

まずは新潟県の女性ギタリスト様からのご依頼で、フェンダーメキシコのロードウォーンシリーズのストラトです。今回はこのギターに私共のミッドブースターキットを組み込みます。

画像 731.jpg

このギターは最初からかなりハードなレリックが施されてまして、塗装も激薄です。もうシーラーなしで一発目に着色剤塗って終わりなんじゃ?と言うぐらい薄いです。

当然その分軽量ですし、何より生の木の音がします。但しこういった状態の楽器は極めて湿気に弱い事が有りますのでお気を付けを。。

画像 734.jpg

ピックガード〜アッセンを外してみた所ですが、まあいわゆるメキシコ製のストラトと言えどフェンダーUSAに準じた電気パーツが使われてます。今回はセレクター/ヴォリュームポット/PUを再利用します。

画像 743.jpg

ここに私共のミッドブースターキットをフロントトーンの位置に取り付けます。
基板ごと電子回路が増設されていますが、これがそのブースター回路になります。
正確に言うとミッドレンジのブースト機能を持ったEQプリアンプなんですけれどね。
当然ローインピーダンス化も可能ですので、アンプまで長いケーブルを這わす際にはノイズに極めて強くなります。

後、初段で素直にバッファリングしますので、PUの最も素直な音を聞いているともいえますし、レンタルスタジオ等で少々まずいアンプに当たったとしても、「ある程度線の太い音」を手元でコントロール出来るのが最大の魅力ですし、後段のエフェクトの掛りも良くなりますので利点は結構あります。

又、このキットの利点は殆どの場合、回路設置の為の木部加工が必要ありません。ですので木部加工賃が発生しない場合、非常にお安く設置する事が可能なのです。

良い事ずくめな書き方ですが、パッシブのギターの魅力と言う物も大変よく承知しておりますので、やっぱりコレはコレ、アレはアレという使い分けと取捨選択の問題ですね。

今回の依頼ですとパッシブ/アクティブ切り替えをマスタートーンポットにて行える様にスイッチポットを使ってトゥルーバイパス回路を組んであり、トーンコンデンサも私共のお薦め銘柄の物を使用してあります。

ボディーのノイズ処理作業の後、このアッセンを組み込んだら終了です。

バッテリーボックス治具-1.png

アクティブギターの致命的な欠点が、外部電源を必要とするという事でしょうか。。
コレが結構アクティブギターが流行らない理由の一つだと思うのです。

何となく、、楽器に電池が入ってるのは邪道/ロックじゃない等の理由もあるのでしょうが、単純に電池交換が面倒くさいと言う事が大多数を占めている様な気がします。
又、ライブの最中に電池が切れたらどうするんだよ!という声も聞こえてきますが、、、まあこの問題もソレはソレ、コレはコレと言った結果に対する取捨選択の問題だと思います。

話を本道に戻し、今回は、バッテリーボックスを増設しない上に、外から見て電池が入ってると解らない様にしてくれと言う依頼でしたので、本家クラプトンモデルの様にスプリングキャビティー脇に電池を埋設する事にします。その為のジグの図面が上の写真ですね。

画像 747.jpg

切削後、電池を実際に入れてみたらこんな感じです。

画像 748.jpg

スプリングカバーを取り付けたら外見からは全く解りません。

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こんな感じの事もご要望に合わせて加工させて頂きますので、どんな事でもご相談頂ければ幸いです。
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2008年05月20日

ミッドブースター搭載2連発

当方のBLOG関係では人気No1の「オリジナル楽器内蔵型ミッドブースター」の取り付けネタが、最近はトンとご無沙汰だったので、ちょこっと施工例として記事をアップしてみます。

大阪府在住のギタリストM様よりミッドブースター取り付け及び、全体の調整作業をご依頼頂きました。
b_te_mid1.jpg
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
バッカス社製テレキャスのコピーモデルですね。このシリーズはフェンダー本社からクレームが来て全部生産中止になったそうですが。。。コピーに関する是非は置いとくとしても、量産品としては丁寧に作られたギターである事に変わりはありません。

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今回はコントロールパネルにミッドゲインノブを取り付けますので、分解します。

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そいで、今回スペースがかなり狭いので、VOとTONEポットは16ファイの物に変更した上で、その中間にミッドブースター回路を増設しました。

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次は電池内臓スペースの話なんですが、今回、「電池ボックスは付けてくれるな・外から電池の入り口が判らない様にしてくれ!」と言う依頼だった為に、PG下に電池ボックススペースを掘りました。これだと電池交換には手間が掛かりますが、外からは判りません。

因みにコントロールキャビティーに電池も同梱する案もあったのですが、スペースが足りず無理でした・・・後、コントロールキャビティーに電池を同梱するとトラブルを起こす事がかなり多いので、今回のようなオーダーの場合でも、出来れば避けたいと言う想いが有ります。

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そして組み込み〜各部調整してから完成!今回はヴィンテージライクなルックスの6連ブリッジに交換作業の依頼も頂いておりました。

納品後、物凄いパワーですね!と仰られていた辺りで喜んで頂けました。

大阪府在住M様、ご依頼有難う御座いました!
また何か御座いましたら宜しくお願い致します。

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次は東京在住Y様よりミッドブースター取り付けのみのご依頼頂きました。

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ボディーのみのお預かりだったので詳しい事は判りませんが、フジゲン製のストラトボディーだそうです。

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電池ボックスキャビティーをトリマーで切削加工しておきます。

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次はPGにミッドブースターを配線します。今回はM・VO/M・TONE/ミッドブースターゲインと言うレイアウトになります。まあ良くあるレイアウトパターンですね。
元の写真は無いですが、PU周り・セレクター周りがかなりグチャグチャだったので、それも修正しました。

y_st_mid4.jpg
加工済みのボディーとPGを組み込んで終了!今回は弦を張っての調整作業がない為に作業自体は直ぐ終わりましたが、気持ちとしては弦を張って最終の定数調整をしておきたかったなと思ったり。

東京都在住のY様、ご依頼有難う御座いました!
また何か御座いましたら宜しくお願い致します。

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大変有難い事に、この楽器内蔵型ミッドブースターに関して頻繁にお問い合わせ頂いております。
これまでの販売傾向や、お客様ご自身での取り付けにおいての失敗件数の関係から、現在「部品」として個別販売を行っておりません。この商品は取り付けまでを一セットととしてご提供しております。

ミッドブースターの部品価格自体はベーシックな物で¥8000程度ですが、取り付け施工価格等は楽器によってかなり変動が有ります。メールフォームから取り付け対象楽器の詳細をご連絡の後、お見積もりをご連絡させて頂きますので宜しくお願い致します。

といったような所で、本日はここまで!
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2007年04月23日

Archetype-Element

楽器カテゴリの更新は久しぶりになりますね。
 
 その間、何もしていなかった訳じゃ無く、記事に手が付けられない程色んな事が有りまして。追々実ると良いかな・・的な事をやってました。
(まあ要は仕込みって奴ですね)

 それで、様々な事を手掛けていたんですが、その一環である機材を特注扱いで受注しまして、その際にプリント基板を手作業で作る事になりました。
 
 この辺りの作業方法はまた今度記事にする事にしますが・・・基板製作には劇薬を使用し、とんでもない毒性の廃液が出るんですね。また使用後は正しく処理をしないと、土壌汚染等の環境破壊をやってしまう危険性も有り・・・無毒化処理後の成分もセメントで固めて専門産廃業者に引き取って貰う必要が有るなど・・・結構な手間が掛かります。

 そんな訳でこの処理を何度も行うのが面倒なので、注文の多い回路基板の量産製作を一緒にやってしまう事にしました。

プリント基板MB2.jpg
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
こんな感じですかね。これに穴を開けて部品を乗っければ、それぞれ所定の回路になる訳です。これだけの数の穴開けは結構大変です。

 他にもそれらに平行して、過去に設計した回路の焼き直し版を試作品として、同時に作ってみたんですが、
archetype-erement-tes.jpg
 こんな形状の楽器内臓用プリアンプです。
(本体の隣は平均的な大きさのピックです。本体は約15×20×15mm程度)

 今回の製品名は、大分前にSF好きの友人が発した、「アーキタイプ〜」「エレメンタル〜」って言う言葉の響きが頭の中に引っ掛かっていましてね。
言葉の意味合いや、回路の内容が合致した感じなのでそのまま頂き、

[Archetype-Element]

と名付けました。

 大げさな名前ですが、基本は周波数特性はフラットゲインアップ専用機となり、PUの出力が足りないギターに喝を入れるのには持ってコイ!なプリアンプに仕上がってます。

 今の所、楽器に内蔵した写真はまだ用意出来て無いんですが、その辺りも追々載せていく事にしますんで、今暫くお待ちを。

で、
archetype-erements.jpg
今回在庫的に5個程製作してみたのですが、色んな方のご意見が気になる所ですので、今回モニターになってくださる方を募集します。モニターになっても良いよ!って方がいらっしゃいましたらメールにてご連絡下さい。

 限定五個のみ!今後、回路単体での販売を行う可能性も有りますが、とりあえずモニター特典も色々付ける予定ですので、この機会に是非!

販売に移行の際は詳細をまた追々発表致します。

と言った様な所で本日はここまで!
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2006年12月18日

ESPオーダーギターの改造

 もう随分前になりますが、大阪のO様から、ESPオーダーギターにミッドブースター搭載〜PU交換等のご依頼を頂きまして、作業させて頂きました。今回はその紹介の記事になります。最近ミッドブースターの搭載の記事書いて無いなーと言う事で・・・

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O様フォレスト到着時.jpg
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
さて、こう言うギターなんですが、ESP社オーダーギターで、メイプル3ピース・スルーネック・アルダーウイングのモデルですね。
スルーネック24F・フロイドローズ・3S(実際はSSH)といえば、随分前、ミッドブースターver3の記事に出てきたギターとほぼ同様の仕様ですね。

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2006年03月20日

NATURAL-BOOSTER-BOXの製作

三寒四温な春先の気温の変化で、妙に体調管理が難しい季節が続いていますね〜。
ここをお読みになって下さる皆様もくれぐれも体調にはお気をつけ下さい。

さて、今回はジャガーの改造の記事でお世話になった東京都Y様の御友人からのエフェクター製作の御依頼の記事になります。何を作ったのかと言いますと、極力原音に忠実に音量アップを行うVOのみのブースターですね。この原音に忠実にってのが無茶苦茶難しいんですが、今回はそれに挑戦しました。

さて製作風景とかは今回も無しです。
そろそろ皆様お気づきかと思われますが、エフェクター製作に関してはあんまり公開してません。理由は色々有るのですが、回路が〜、配線材が〜とか入力のコンデンサが〜とか、そういった感じの事に言及し始めるとキリが無いんですね〜。それらを差し置いてケースの加工やその他の事をやるのも片手落ちな気もしますし、だったら完成品だけの記事で良いかな?と思ったりしています。
幸い最近は自作エフェクターブームみたいな流れのおかげか、そういったムックが幾つか出版されています。これらに幾つか目を通すだけでもケースの加工位は何とかなるんじゃないかな〜と思いますんで興味のある方はそれらのムックをお読み下さい。
因みにうちで作ってる回路はどのムックに載ってる物とも違い、既存の回路技術以外はオリジナルです。

さて、どんな外観の物かと言いますと、
Y様ナチュラルブースター1
(サムネイルとクリックして下さい。画像が拡大します)

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posted by IRP Products at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | プリアンプ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする