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2021年11月11日

【クラウドファウンディング活動報告その3】基板の生産に着手!

本日は電材屋さんからの部品が到着した為、いよいよ基板の生産に着手いたしました!

20211024基盤画像.jpg

IMG_E6979.JPG

 最近は半導体を含む電材の世界的な流通不安から、電気部品の値上がりや、欠品などが目立つようになってきました。とはいえ、今回使用する部品はまだまだ流通在庫が豊富な物のみを取り扱いますので、それほど調達が困難というわけではありません。調達が困難(というか中々進まない)なのは以前の活動報告に書かせていただきましたゲインコントロールポットのみの感触ですが、もしかすると同梱するステレオジャックあたりも調達が怪しい所です。。

20211110基盤作成.JPG

 ポットとそのごく一部近くにある部品を除いて54台分の基盤を組み立ててみました。



 こんな感じで手ハンダしていきます。

 因みに作業効率の関係から、1枚9台分の回路基板を分割する前に部品を実装しています。 これだけで約1日ぶっ通しで作業をしていまして、並べてみるとかなりの手ハンダ数です。

 正直この作業はハンドメイドらしく無茶苦茶に時間が掛かり、精神的な消耗もかなりありました。まだ残りの台数の作業は現在随時作業中です。

 さて、今回、音質に直結するフィルター用のコンデンサはメタライズドポリエステルコンデンサを採用する事にしました。(黄色い四角い部品の事)

 これはFaithful Link社のフィルムコンデンサで、無誘導構造、自己修復性、小型を特長とします。ケースに入れエポキシで充填してあるため、耐湿性があります。特性がよく、ひずみ(いわゆるギター的な意味ではなく電気的な意味)も少ないので、オーディオ回路に最適な部材の一つとされています。

 そこから考えると楽器に封入するには最適な選択なのではないかと思い採用に至りました。トップ画像のサンプル品に使用したコンデンサは自分で所有していた所謂デッドストック品であった為、変更しましたが、音質的、組み立て作業的にも、この選択は正解だったと感じています。

 所謂エレクトリックギター類の楽器向け電気回路は、音質という理屈では説明しきれない所がありますが、正解と不正解(勿論回路的には安全な設計をしています)の境界線、そのどこかに心地よい音質が存在するのではないかと個人的には考えています。

もしよければご支援頂ければ幸いです。
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【クラウドファンディング活動報告2】基板製作と発注について

20211024基盤面付画像.png

今回は基板の製造について、ご説明いたします。

 回路その物は既に何年も前から手作りで製作している物で、今回のクラファンプロジェクトを行うにあたり、基板用CADで清書し、さらに面付加工(一枚の基板板に複数枚の基盤をエッチングする方法)をとりました。

 製造委託の協力会社様にも感謝!

 この様にした事により、基板の製造単価=1台単価を落とし、量産することが可能となります。問題点があるとしたら、この面付を行う際、1枚モノなら動いていたものが、面付作業ミスで何らかのデータがコピペされず、パターンが正しくエッチングされていない等のリスクがあり、正常に動かない基板を量産してしまう可能性がある事でしょうか。

 かなりチェックしましたので、今回は大丈夫だと思うのですが、実物が来て組み込んでみるまでは本当の所ドキドキです。

 基板の発注自体はかなり前に済ませていたため、既に手元にありますのでテスト的に回路を組んでみた所、無事に動作したのでほっとしています。
 
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【クラウドファンディング活動報告その1】ゲインポットの手配関係について


20211022ポット画像.JPG

先日来、ネット経由で国内A社とポットの購買に関して打ち合わせを行っています。

(添付画像は過去に試作品の時に手配した際の画像です)

今回80台分の準備ですので約10%の歩留まりを含め90PCSの購買をお願いすべく交渉中です。

一回の発注数量が多ければそれなりに価格面は抑えられるのですが、楽器に取り付けるには楽器のボティに対してのねじ切りナット部分が11ミリでエレキギター系回路に求められるローレット式ポットとなると、そう安くはなりません。

とはいえ、このパーツが最も今回の回路の肝になってくるため、どうしても手抜きが許されませんし、信頼性の高いパーツを使用したいため、A社製パーツは必要不可欠なのです。


現在電子部品の世界的流通が鈍くなっている中、どれだけ上手くタイムラグなくシームレスに手配できるか、チャレンジ中です。

キャンプファイヤー活動報告ページ
https://camp-fire.jp/projects/499186/activities/319410#main
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2021年11月09日

ミッドブースタープリアンプのクラウドファウンディングを始めました(camp-fired)

皆様大変ご無沙汰しております。
新型コロナも数値的にはずいぶんと落ち着いてきたような感じですが、果たして本当にそうなのか、数字のマジックではないのか?等と色々な微妙な気持ちになる日々ですが、皆様はどうお過ごしでしょうか?

ワクチンが効いた説などもありますが、3回目のブースター接種、または抗体が無くなる頃に再度ワクチンを打たなければならないとか、いろいろな事が言われていますが、本当の所はよくわかりません。

どうやったって、大本のウイルスが消滅せず、決定的なワクチンの開発がなされていないのであれば、当然ながらこれからも自衛を行わなければなりません。

企業で働くのであれば、当然ながらテレワークや、どうしても現場に出る必要がある場合はどんな小さな事でも自衛を続ける事が肝要かと思います。

そんな中、個人的に色々あり自由に使える時間がごく短期間ボンと出来てしまった為、それを無駄にする事無く使い切ろうという事で、これまでずっと個人的に開発してきた、楽器内蔵用ミッドブースターの量産化作業に勤しんでおりました。

とはいえ、当blogはかなり放置状態ですので殆ど開店休業状態でしたので、果たしてこのblogにこれらの情報をアップロードして効果があるかどうか、あまり自信がないのも事実なのですが、何らかの名刺代わりで、世の中に対して製品を送り出すプラットフォームが沢山有るのでそれを利用してプロモーションを行ってみたらどうだろう?と、、

そんな訳で、今回キャンプファイヤー様にお世話になり、クラウドファンディングを始めてみる事にして、実は既に先行でSNS発信はすでに行っておりました。

https://www.facebook.com/masaki.nitani
https://twitter.com/i_r_p
https://www.instagram.com/irp_nitani/

エレキギター内蔵用ミッドブースタープリアンプ製作及び販売サイト構築したい!
https://camp-fire.jp/projects/view/499186


上記リンクから詳細をご参照ください。(又は下記のQRコードから当該ページにジャンプできます)

20211109当該ページQRコード.png

20211109【blog】キャンプファイヤーページスクショ2.png

現在キャンプファイヤーのスタッフの方とのmtgを行いながら、リターンや各種の追加、本文の文言などの調整に調整を重ねておりますので、今後もう少しリターンを増強したいと考えています。

この辺りもう少し勉強してからチャレンジすればよかったと思ったりしています。。

20211109サイズ変更トップページ差し替え画像.png

外観はこんな感じになってまして、ストラトなどのパネルマウントの楽器にはバッテリースペースさえ確保できれば、取り付け可能な仕様となっています。

20211109サイズ変更トップページ差し替え画像2.png

今回これを量産した理由って実はこんな感じでして、楽器の中にプリアンプを封入組み込む事で、楽器本体の出力信号を安定させたり、ミッドブーストを行えたりで、シングルコイルの楽器一本で色んなシーンで使い勝手がよくなりますので、練習スタジオに行ったりする際の荷物を減らす事が出来るとか、レコーディングでの音色の対応力の幅が増えたり等、利点がいっぱいある為、どうにも偏執的に何年にも渡ってこだわりを尽くして開発に成功しました。

20211109トップページ差し替え画像4.png

実際の取り付け画像はこんな感じになっています。ご自身で簡便に取り付けが可能なようにプレ配線をしてお届け予定です。

20211109リサイズトップページ差し替え画像5.png

また、廉価版としてブーストポットとバッテリースナップとステレオジャックを除いたリターンも現在キャンプファイヤーサイト側で準備中です。


そんな訳で、キャンプファイヤー経由でご支援を頂ければ大変助かります事と共に、SNS等でシャア頂けると大変助かります。

実は名刺代わりでのクラウドファウンディングの為、資金的に殆ど持ち出しです。色々厳しい状況下ではありますが、こんな感じで、漸く世の中に販売できるような状況を少しずつではありますが整えていっています。


今回、IRPPRODUCTSオリジナル設計のミッドブースター内蔵ストラトキャスターを、たまたま持ち込み修理で作業場にご来訪頂いた六嶋啓太さん(https://www.instagram.com/rockn_guitar/
に弾いて頂く機会がありました。かなり雑ですが、音色がわかるような動画を一本youtubeに上げてありますので、音色の確認は下記の方で行って頂ければ幸いです。



途中の喋りは邪魔ですが、ニュアンスだけは伝わるかなと。記録用映像の為、今後もっとわかりやすい動画を撮影しようと思っています。

#irpproducts
#guitarrepair
#diyeffects
#irpproducts
#handmadeeffects
#preamp
#midbooster
http://i-r-p.net
E-MAIL: info-form@i-r-p.net

I had the opportunity to have Mr.Keita Rokushima (https://www.instagram.com/rockn_guitar/) play the Stratocaster with a built-in mid booster designed by IRPPRODUCTS.

Speaking on the way is an obstacle, but I wonder if only the nuances can be conveyed. Since it is a video for recording, I am thinking of shooting a video that is easier to understand in the future.

IRP PRODUCTS.NET
Presided over "IRP Products", a research studio for musical instrument manufacturing and repair. For more information, visit the website and also engage in trade operations. (Probably a former long-established musical instrument maker who holds a customs clearance qualification and is quite rare in Japan). Basically, we will follow each other on Instagram etc.

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2015年02月21日

ブティックエフェクターって?

先日ツイッターのタイムラインで流れて来た記事を読んで、ブティックエフェクター/ペダル(この言語感覚もおかしいとは思う)界隈は、記事の言葉を借りれば「ブティックODペダルの世界 -ステマという名のデカくて湯気の立ったクソの山」って事が大変良く解る良記事でした。

Gear Otaku: コラム:クレイ・ジョーンズが語るジョン・ランドグラフとボブ・バートの真実、そして日本のブティックペダル市場の夜明け 前編
http://gear-otaku.blogspot.jp/2015/02/clay-jones-john-landgraff-bob-burt.html

記事の内容を掻い摘んで言うと、「日本製(設計)エフェクタの回路の部品を数個取り換え、違うケースに入れただけでオリジナルエフェクタとして販売していた。しかもそれを音が良いと言って有難がって買う人たちが沢山いた」と言った所。詳しくは実際の記事を参照いただきたい所です。

界隈一連の連中については、売る側がかなり分が悪い様で、回路開発のイニシャルコストを一式、言葉は悪いですが盗んでる訳ですから。

後、彼らの販売プロモーションの手法が所謂ステマを使った事と、高名な誰かがデモンストレイターを務め、世界的に評判になった体のペダルを貶す事が心情的になかなか出来ないギタリストの心理へ、巧みに催眠を掛けて高額で売りさばく商売で有ると言う事。

またランド●ラフに至っては、実装がとんでもないので(気になる方は画像検索してみて下さい)、不調をきたした2台ほど過去に完バラの上組み直し修理の依頼を受けた事がありました。それでもシリアルが若いと中古市場で15万位するらしいですから、なかなかのものです。彼らがパクる大元になったエフェクタは日本製で1万円前後なのにも関わらず。

技術はその内容と原価に応じて適正な価格でなければならない等と言う気はさらさら有りませんし、見習うべき点は営業マンとしては無くはないけれど、この流れには違和感を覚える事は確かです。

こういった流れを見るにつけ、私はこれらの筋から一定の距離を置き、技術屋として可能な限り自分のオリジナルな回路をクリエイトして、あくまでプレーヤーから求められる様な物を作って行きたいと考えております。

多くのプレーヤーさんはクリエイターとして血の滲むような努力でステージに立っているのに、それを支える技術屋が回路丸パクリなんてのは。。やっぱりちょっとどうかと。ただビジネスとしてはそう簡単ではない事も、一方では一端のビジネスマンで有る身の上の経験からも重々承知してますし、この登場人物すべてが様々なビジネス観と得意分野を持っている事は想像に容易いです。その分、拗れると問題解決の技法がどうであれ遺恨は残ると言った感じ。

ここまで長く書きましたが、本題は先日発売したIRPハンドメイドエフェクターは、ネットに落ちていた回路図とパターンをパクって組んだ物では有りません。と言う事。

これらはちゃんと自主設計でして、ネタばらしをしますとファズ以外の回路の中身は電気回路に詳しい方からしたら、なんて事は無い汎用8ピンIC非反転増幅回路にフィルターを上手く追加し、尚且つ電源の低インピーダンス化を一つのICで行った、、、電気回路の教科書を切り貼りして、楽器の入出力を可能にしただけの誠に品行方正なオリジナル回路です。それらを構成する受動素子の定数もちゃんと計算式に基づいて割り出してあります。

ファズについては、定義があいまいなので簡単な説明を。
汎用のトランジスタ2石を使い、2段の増幅回路を設計しました。使う電源にもよりますが、1段目でhfeギリギリまでの増幅量を持たせて非反転増幅回路とし、2段目ではフィルタリングと増幅を行うようにしました。但し、2段目は敢えて反転増幅回路を使い、終段からネガティブフィードバック回路を伝わって、1段目に音声信号を戻した際に、一段目とは反転した音声信号を戻す事で、所謂交流信号がフェイズして周波数特性が無茶苦茶になる事を利用したファズです。このネガティブフィードバック量の調整を実機では一つのノブに集約し、フィードバックコントロールと言う言葉で表現しました。ある種のトーンコントローラーともいえます。また内部には出力量をコントロール出来るVOをトリムで内蔵しており、全開にするとそれはそれは壮絶なファズになります。

これも元々はトランジスタの教科書記載の古典的な回路を参考に、如何に音を無茶苦茶にできるかを実験していて出来た物です。勿論参考にしたい楽曲が有ったのですが、レコーディングデータが無くどんな回路かも想像がつかない為、手探りで作りました。

上記の二パターンの製品において、共通する電気回路の教科書からの引用について、それすらもパクリと仰られる方がいたならば、恐らく私とは永遠に話はかみ合わないでしょう。

これら教本は結局の所、基礎技術解説のための資料です。それらはある種、学習/商用利用される前提の物で有り、それを用途により最適化するのが各々技術屋の仕事として我々が持っていなければならない基礎的教養の様な物と考えております。

なぜならトランジスタやICの動作原理も知らずにオリジナルと呼べる回路を作る事は常人では不可能と言えます。周囲の部品だけを理屈抜きでやみくもに交換してどうこうなんていうのはナンセンスですし、運が悪いと他に繋ぐ機器を破壊してしまいます。ですので、そう言ったフェイセルケアの面からも電気回路の教科書からの引用は、それが各用途に最適化されている場合においては回路開発の正道と考えます。又その教科書を著した著者の方へは最大限のリスペクトを常に抱いております。

話を戻し、件の記事に出てくる登場人物からは、一方の話だけで判断する訳ではないのですが、その原典の設計者へのリスペクトを(多少ヒロイック気味に語るクレイジョーンズ氏を除いて)感じられない所が違和感の核心ですね。。。

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後はエフェクタに限らず、自作文化が盛り上がる事は物凄く正しいと個人的には思っている所もあり、少なくとも我々の様なアナログ回路を弄る人間にとって、部品の入手性が高くなる事は誠に喜ばしい半面、ネット上に溢れたあらゆる既存の回路図や基板パターンを流用し、元の記事の言葉を借りれば第二、第三のガチョウが生まれる事も今後もまた必ず有るという危惧もあります。

これらのコピー品の歴史を紐解いていくと、私が知る限りでも該当する事案がかなり多く、古くは●社がM社の製品の回路を無断コピーの上、輸出で多大な利益を得、世界的企業になった例なども有り、この問題は根がかなり深いのです。コンプライアンスなどと言う言葉も生まれる遥か昔の話ではありますが。(それはそうと●社は最近、大リストラが有ったそうですが、今後は一体どこに向かっていくのでしょうね)

韓国/中国のコピー品問題を笑えない日本の楽器業界の過去の暗部ともいえます。

そも楽器本体からしてそうで、ストラトやレスポールのコピーなどなど枚挙にいとまが有りません。又、これらのコピー品訴訟関係の資料なんかは結構面白くて、ついつい収集して紙資料として暇な時に目を通すのですが、時系列が理解できると、その後の着地点なんかを見るにつけ、中々楽器業界はある種独特でダーティーな側面を持っている事に気づかされます。これらの事案の参加プレーヤーが全てミュージシャン気質と言うのも面白さに拍車を掛けているように思います。
ご興味のある方は一度ネット上の情報と裁判記録などを閲覧してみて下さい。

話を本道に戻しますと、世界は有る側面ではビジネス上の数字が全てです。その数字を達成する為に誰が何をするのか、したのか、買う側にもそれなりのリテラシーと確かな耳と判断力を持っていてほしいと切に願う次第です。「1万円or15万円」価値観は人それぞれですがお金は有限です。

ですのでもしIRPのエフェクタが沢山の方の指示を得、販売数が伸び、商品寿命が尽きるまでこの形で長くサバイブ出来ていけば、それはとても幸せな事だと思っています。色々な点でアイヴィー楽器様の方でもご理解が有る担当者様に恵まれ、販売に際し、適正な価格設定をして頂いているようですので、寧ろ健康的且つ理想的な関係で有ると感謝の念しか有りません。

こう言った記事が出る度に、IRPの奴も何かのパクリなんだろう?と勘繰られるのが嫌でここまでは走り書きしてみました。

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これは余談と言うか個人的な思い出話ですが、、

もう随分古い話で、ご本人が存命かどうかも解りませんけれど、一番最初に電気回路の手ほどきを受けた方が元々ヤマハの開発&リペアマン、今でいうA&R担当だったとの事で、30年ぐらい前には製品の開発をやっていらしたそうです。

この記事を読んで、彼曰く、「楽器業界の電気は殆どパクリや。それ以外何にもない。」等と身も蓋もない事を言っていたと共に、同じパクリでも教科書からの引用は所詮基礎技術にしかすぎず、そのままでは楽器用途に転用できません。それを楽器に最適化する過程で計算や波形を調整する事など、知的な作業を伴うので、唯一認めると言う旨の事もおっしゃってました。

その頃、彼の住居兼作業場で酒を飲みながらシミュレーテッドインダクタ回路(EQ)や、真空管とFETついて講義を受けたりして、、、

諸般の事情でそんなに長い付き合いでは有りませんでしたが、今思えば非常に密度の有る良い時間を今回の記事を書きながら懐かしんでしまいました。私は極めて不出来な弟子でしたがね。

多分、私の電気回路に対する考え方の基本はこの方から学んだのだと改めて思い出した次第。

彼がヤマハで開発した物がなんであったかは聞きそびれて、以降永遠の謎となってしまいましたが、きっと良い物を作っていたのではないかと今となっては思うのです。そんな市井には沢山の不世出の技術者がいた事を忘れ無い様に個人的なメモとして。
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2015年02月10日

【楽器店タイアップ企画】 IRP PRODUCTSハンドメイドエフェクター4機種発売

この度、ご協力会社様のご尽力により、ハンドメイドエフェクターを発売する事となりました。

去年のハロウィン頃位だったでしょうか、、
以前から御縁の有る福島県のアイヴィー楽器ご担当者様と打ち合わせ中に意気投合し、オリジナルエフェクター制作企画が持ち上がりまして、まずはお試しって事で幾つかの種類を作って納品する事になりました。そんな中、色々な角度やモノの見方等を各方面の方々にご協力頂き、私の考えている最もシンプルな形でエフェクタに仕上げてみました。

販売元さんから販売のアナウンスが出ましたのでついに公開です。福島県のアイヴィー楽器さんで試奏可能ですので近くにお住まいの方や気になる方はぜひお問い合わせを!!
勿論私宛にお問い合わせを頂いてもOKです。
現在の所、オールハンドメイドの為、量産は出来ませんが、是非一度導入をご検討下さい。

アイヴィー楽器様
http://musicheart-ivi.com
商品紹介ページ

S1060033.JPG
全体写真

fuzz-1

https://www.youtube.com/watch?v=nDNhtaUOO20

IRP PRODUCTS.NET FUZZ-1はオールドスクールなサウンドメイクが出来るFUZZエフェクターとして開発いたしました。コントロールノブ一つでフィルターの設定が出来る様に設計されたエレキギター用ハンドメイドファズです。

本機の最大の特徴はその外見通りの操作性を重視したシンプルさと、2種類のファズフィルターを連続的に可変させる事で、往年の線の太いファズトーンからヒステリックな高域を持つファズトーンまでをコントロールできます。ただこのデモ動画では過激な音色ではなくあくまで滋味の効いたフィルタリングをご視聴頂きたい為ヘッドホンにて音色を聞き比べて頂ければ幸いです。

又往年のファズ同様、楽器本体側のVOを調整する事により、クランチトーンからヘビーな歪までを手元で直観的にコントロール出来ます。又デモ演奏内では触れておりませんが、本機の中には裏蓋より直接アクセスできるVOトリムが内蔵されている為、エフェクト時の音量/歪バランスを調整でき、このVOトリムを動かすとフィルターの掛り具合が変化し、凶悪で過激なファズトーンを得る事も可能です。


VB-1

https://www.youtube.com/watch?v=R2i1PTGM3P4

IRP PRODUCTS.NET VB-1はエレキギター演奏時、複数のエフェクターを使用した際やバンドサウンドでの-アンサンブル時に埋もれがちな本来のギターサウンドの音量を取り戻す事が出来る、FUL-LRANGE BOOSTを最大の目的として設計されたエレキギター用ハンドメイドプリアンプです。

本機の最大の特徴はその外見通りの操作性を重視したシンプルさと、エレキギターが本来-持っていた筈の信号の情報量をコントロールノブ一つで直観的且つ即時にボリュームコント-ロールで補う事を可能にし、又、ボリュームノブがおよそ9:00方向の際は1:1にて-BUFFERINGを行える様に設計されております。

それらの回路構造から、本機1台で様々なシーンで必要-とされる、高音質なBUFFER及びFULLRANGE BOOST機能の二つを内包している、高機能プリアンプと言えます。

その為エフェクトボード内のどの位置に置いても有効なデバイスとしてのご利用の他、全開ではアンプのヘッドルームを歪ませられる程の出力までをクリーンな出力で確保している為、ある種のアンプのもう一つのゲインチャンネルとしてもご利用いただけます。

デモ演奏では本機のボリュームが全開の際、動画音源の通りアンプの回路がオーバードライブする程のゲインを得られ、それでいて元信号の質量感を失わず芯の有る弦の音色に歪みが自然に乗ってくる迫力が有りました。

DT-1

https://www.youtube.com/watch?v=KkuUYH8QHKU

IRP PRODUCTS.NET DT-1はトラディショナルな歪エフェクターとして、直観的にゲイン量をコントロールすることが出来る様に設計されたエレキギター用ハンドメイドディストーションです。

 本機の最大の特徴はその外見通りの操作性を重視したシンプルさと、ワイドレンジなゲイン量をコントロールノブ一つで直観的且つ、即時に補う事を可能にしました。本機にはヴォリューム機能が有りませんが、ギター側のヴォリュームを操作する事によって、ピッキングニュアンスの出しやすい設定にする事も出来ますし、全開にするともう本機の歪のみならず、アンプの歪も相まって見た目のコンパクトさからは良い意味で期待外れの凄まじい迫力勝負なブースト感をお楽しみ頂ける事と思います。

又、BOOST LEVELがゼロの際は入力信号に対し出力をおよそ1:1にてBUFFERINGを行える様に設計されており、信号を本機1台で、高音質BUFFER及び歪エフェクト機能の二つを内包している、見た目はシンプルですが高機能な歪系プリアンプエフェクターと言えます。

MB-1

https://www.youtube.com/watch?v=TUD8Ur45UiE

IRP PRODUCTS.NET MB-1はエレキギター演奏時、複数のエフェクターを使用した際に薄れがちなMIDRANGEのEQ的BOOSTを最大の目的として設計されたエレキギター用ハンドメイドプリアンプです。

本機の最大の特徴はその外見通りの操作性を重視したシンプルさと、エレキギターが本来持っていた筈のMIDRANGEの情報をコントロールノブ一つで直観的且つ即時にブーストコントロールで補う事を可能にしました。

又、BOOST LEVELがゼロの際は入力信号に対し出力を概ね1:1にてBUFFERINGを行える様に設計されており、信号を本機1台で、高音質BUFFER及びMID BOOST機能の二つを内包している、高機能プリアンプエフェクターと言えます。

その他、動画中の説明にも有りますが、ブースト量によってアンプがナチュラルにオーバードライブしますので、もう一段アンプのゲインを増やしたいと言った使用用途にも向いています。又ギターソロ等の音色の太さを要求される際には最適なデバイスとなります。

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使用機材
ギター:フェンダーストラトキャスター
アンプ:マーシャルJCM2000+JCM900キャビ
ケーブル:CAJ

今回のエフェクター開発にご協力頂いたギタリストさん、スタジオさん、本当に有難うございました。

それでは、宜しくお願い致します。
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2015年01月27日

実験用リアンプDI製作

今回は私共で使用する実験用モジュールでリアンプDIを製作しましたので、それを記事にしたいと思います。

リアンプとは広義の意味で「一度ライン録音したトラックをギターアンプ等で再生し、スピーカーから出た音をもう一度マイク録音する」際に使用されるレコーディング手法です。今回はその際に使用されるライン信号のインピーダンス変換機としてのDIを作成しました。これを「リアンプDI」「リバースDI」、古い方なら「逆DI」なんて呼ぶ事もありますね。

通常ラインによるレコーディングされたトラックはアンプによる録音トラックに比べると、空気感の無いデッドでフラットで味気ない音像になる事が殆どです。その場合、そのトラックの信号レコーダーやPCから出力、実際の楽器アンプに入力して、音色を調整しマイクによる録音を行う事をRE:AMP(りあんぷ)と呼ぶのです。

但し、この際に要注意なのが、レコーダーや例えばPCの出力インピーダンスとアンプ入力のインピーダンスが合わず、アンプ側が小/過入力になってアンプが持っている本来の音色を生かした音作りが出来ない・・つまりエレキギターやギターアンプが本来持っている音色にはならないと言った問題が起こります。

例えば、インピーダンスマッチングが悪い為、アンプやエフェクターが歪まない、ギター用ディレイの掛りが変になるだとか・・一般的なギター等の音色とはかけ離れた物になってしまう事が多く有ります。

そんな時にカントリーマンに代表されるトランス型D.Iの内部配線を改造してアンプ入力レベルに調整して、アンプを鳴らし切れる様な機材を作った・・そしてマイクで再録したと言った手法が始まりだったそうです。

この文章にすると複雑な工程がなぜ行われるようになったかは、諸説ありますが、代表的なお話を。

ライン録音と言うのは実際に音を出さない分、昨今ではヘッドホンとインターフェースとレコーダーが有ればすぐに録音できる気軽さが有りますが、これだけでは一番重要な「空気感や雑味」が抜け落ちてしまっています。そこはそれで、作曲やアレンジ時には素の音で録音して置き、その素の音を大きな音が出せるスタジオに持ち込んでリアンプ処理をして音色を詰めて改めてマイクで録音と言う作業になります。(他の手段でアンプシミュレーターを使う手法もありますがここではあくまでリアンプの話に絞って進めます)

この利点は大きく分けて2つ

@ライン録音時は自宅等でゆっくり時間を掛けて、心行くまでフレーズの修正が出来る為、最高に弾き切れたフレーズの生データに対して音色を後からDAWや卓やアンプやエフェクターで調整できる。

リアンプについて小林信一氏が解説する動画が有りましたので、引用しておきます。
これはあくまでDAW上で作業をするデモ動画ですが、勿論実機でも理屈は同様です。

Aレコスタの限られた時間で、音作りのみ集中して行う事が出来る。
もう一つ突っ込んで言うならば、その再生するアンプ用スピーカーでも、録る為のマイクでも音は変わるので、それらをある種のフィルターとして利用する事も出来ます。

特に再生するスピーカーというのは重要で、エレキギターの例では、ギターアンプに戻した場合、遙かにギターに適した再生域の音色を作り、本来ギターが持つレンジの音にマイク録音による空気感という自然さが加わることで、ライン録音の不自然さを払拭出来る訳です。

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なぜうちがこの様な物を作る事になったかと言うと、現在、作業進めているエフェクター製作プロジェクトが有りまして、今回の場合ですとその実験の為にPCからライン録音のギターを延々ループで流し続け、リアンプをしてから、エフェクタの回路に入力し回路を弄って追い込んでいくと言う作業に必要不可欠でした。今後使用する商材の動画撮影等にも使用できると言う事で、今回急遽有り物で作った機材になります。

話は長くなりましたが、実物を見るとなんともまあ簡素な有り物ジャンクの寄せ集めです。
IMG_4369_R.JPG IMG_4370_R.JPG IMG_4371_R.JPG
こんな感じで脱力系ですね。

今回この為に買い増した物はトランジスタトランス一個だけですから、ジャンクもそれはそれで貯め込んでおけば又別の機材に生まれ変わるという好例かと。

相変わらずキャノンジャックのケース加工に手を焼きます。材厚が薄いので今回はまだマシですが、通常のアルミダイキャストのエフェクタケースだったら、やる気が全く出ません。

入出力は下記の通り
入力:XLRメス又は3.5φフォンジャック(スイッチ切り替え型)
出力:フォンジャック/アンバランス出力(ボリューム調整可能)
グランドリフトSW付き

本当はもう一個スイッチが有ればフェイズスイッチをつけたかったのですが、廃品再利用の悲しい所、手持ちでは良いサイズのものが見つかりませんでしたし、ラベルは参考で刺青サイトを見ている内に適当に遊んでいたら出来あがったような感じ。何処まで行っても自分用だから適当でいいのです。

と言った所で完成画像でしたが、今回の物は全くオリジナル設計ではなく、とある電子関係の教科書に載っていた物を作ってケースに突っ込んだだけと言う代物なので、そんなにおおっぴらにする物でもないんですが、そもそも、その教科書に載っている記事も元祖リアンプユニット発売元のA社の製品を解説する物だった為、本家と同様の遜色ない音色が出ています。リアンプについてTwitterのDMでご質問を頂いたのでこの様な記事にしてみました。

IMG_4387_R.JPG
後日、某練習スタジオにてリアンプをしている様子がこの画像です。

ちょっとわかり難いですが、今回製作したリアンプユニットにライン録のエレキギターの信号を通した後、マーシャルアンプに入力し、スピーカーキャビネットから出力された空気感を含んだ実際のアンプの音として、ノートPCに録音している風景です。

そんな所で本日はここまで。
ラベル:リアンプ
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2015年01月17日

D.N.A PURPLE PHASE 改修作業

今回は成田在住のベーシストO様よりエフェクタ修理のご依頼を頂きました。

今回の症状はどういった物かと言うと、エフェクトが正常にオンにならない事や、そも電源が入らないと言った状況で、一般的には不完動品と呼ばれる状態でした。ご本人さんはこれをベースとファズに繋いでエクスペリエンスな音像でライブをやっている現役プレーヤーさんなんですが、フットスイッチの症状でオンオフが効かなくなるにつれ接点復活剤をフットスイッチに流し込み、だましだまし使っていたようですが、この度、完全に駄目になったとの事でした。

IMG_4243_R.JPG
こんな感じのラメ入りパープルなちょっとケバイ印象の筺体ですね。

IMG_4244_R.JPG IMG_4246_R.JPG
今回特に悪さをしているのがこのスイッチふたつですね。また、この電源回路の入力部分のダイオードも焼損していました。多分極性及び電圧を間違えたアダプタを使用してしまったんじゃないかと思うのですが、、そんなこと位で焼損するのはちょっとおかしいので色々細かく見ながら作業を進めて行きます。

IMG_4245_R.JPG IMG_4247_R.JPG

と言っても部品を交換していく事で修理その物は完了ですから、そんなに難しい事は有りません。
今回一つだけフェイザーの心臓部に当たる8ピンクワッドのICが電源のトラブルに巻き込まれて死んでおり、それをとある筋で海外通販して入手〜交換と電解コンデンサの幾つかを交換してあります。

今回交換した物
@フットスイッチ2個
A回路保護用電源ダイオード
Bフェイザー用8ピンクワッドIC
C電解コンデンサ数個

で、この手の作業って気が付くと写真を撮り忘れてるので、この位しかないのですが、実験で修理後の動画を撮ってみましたので、資料的に掲載してみます。



あまり他に例を見無い質感のフェイザーでした。上質な所から変態的な使い道まで調整の幅が広く、一時人気が出たのも頷ける様な音色の代物でした。

と言った様な所で本日はここまで。

千葉県O様
ご用命有難うございました。またのご愛顧お待ちしております。
ラベル:フェイザー D.N.A
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2015年01月07日

オリジナルスシグナルプリットボックス製作

皆様のお陰で2015年も無事スタートさせる事が出来ました。
本年も何とぞよろしくお願いいたします。

さて今回の記事ですが、東京のスタジオシーンで活躍するギタリストの吉田穣氏より、エレアコ、エレキギター双方の信号の切り替えフットスイッチペダルを製作してほしいと言う依頼が入ったのが昨年の夏の終わりごろでしたでしょうか。

御本人さんは、様々なシーンに対応する為に複数本の楽器を常に使用したり、ゴダンのエレキ/ピエゾ同梱のギターなどを使用している関係上、信号ラインや配線その物が複雑に入り乱れる事を嫌う事や、利便性の問題からこの様なオーダーに思い至ったそうです。

内容をお伺いしますと2in-2outのスプリットボックスで、フットスイッチを二つ使い、シグナルを使い分けたいとの事でした。
次の通りの仕様でしたし、製作その物は問題ありませんのでお受けした次第です。

@入出力
A-IN----A-OUT
B-IN----B-OUT

A制御スイッチ
★フットスイッチAはA-OUT又はB-OUTの任意選択スイッチ
●フットスイッチBはトゥルーバイパス時はA-OUT+B-OUT同時出力
☆フットスイッチBがウェットの場合、フットスイッチAで選んだ信号のみ出力
○各々の選択チャンネルはLEDで視認出来るようにしてほしい。

とまあ、フットペダルのワンオフ製作だからこその要望が多い内容となりました。

打ち合わせてる際の手書きのメモとかはこんな感じになります。
イメージ図最終版&製作方針_01_R.jpg
極めてアナログな感じですが、まあ多かれ少なかれこんなものかな。
大事な事は肝になる点をフォーカスして絞り込んでいくって事でしょうか。

その後実際の制作に入って行きます。
IMG_3796_R_R.JPG
製作そのものは大して難しい事ではないのですが、こう言ったスプリットボックスの場合、ポップノイズが出てしまうとわざわざワンオフする意味もありませんので、極力出ない様な材料や方法を使って組み込んでいきます。とはいっても自作エフェクタ界隈ではおなじみの部材ばっかりと言えばそうなんですが。

その間に、ラベルデザインについて吉田さんと擦り合わせるのですが、、、
多色版スプリットボックスイメージ図仮カラーチャート_01.png
こんな感じフリーデザインでざっくり作ってみて、ご本人の希望に最も近い物から、完成イメージまでブラッシュアップを行います。

そしてご希望のデザインの落とし所が決まりました。
スプリットボックスデザイン最終版.jpg
紫ベースのポップな感じですね。私にもう少しデザインセンスが有れば良いのですが。。こう言った感覚勝負の物は中々難しいモノで、所謂デザイナーさんってのは本当に引き出しが多くて、別件でいつも仕事ぶりを見るにつけて、脱帽します。

こんな所で組み上げて行ったら、、完成です!
IMG_3808_R_R.JPG

スイッチ切り替えによるポップノイズが極めて小さくなるように部材を選び、配線を行い、過酷なレコーディング/ライブ現場に投入しても殆どポップノイズが出なかったというレビューを頂きました。

そんなこんなで簡単にでは有りますが製作記事は終了ですね。如何だったでしょうか。

吉田穣氏プロフィール
http://popcorestudio.com/school/minoru_yoshida.html
スタジオワークやライブワーク、ギター教室等何でも来いのナイスガイですので、もし音源製作関係者さんにご興味のある方がいらっしゃれば是非お声掛けをお願いします。

それではご依頼ありがとうございました。またのご愛顧をお待ちしております。
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2014年06月07日

クレイジーなFUZZ作成記

前回のサンダーバードの修理仕事を頂いたO氏より、別のエフェクト作成の依頼を受けておりました。
で、その依頼内容は

何処までもサイケデリックで、踏んだら「ピー ピャー ガー」と言う音がする物

と言うまことにアレな内容

とは言え、先ずはピーとかガーとか言わす前にベースになるファズの音を作らなきゃなりません。
その為の、資料音源がコレ。


今の基準のファズの感覚から行くと、国産サイケの王道みたいな音。

60〜70年代辺りの日本のスタジオレコーディングシーンについての歴史に関する文献や資料を紐解いていくと、どうもこれらのファズに関しては国産ファズの名器「ハニーファズ」や「シンエイファズ」辺りの物が沢山の音源で使われていたとされています。
またスタジオミュージシャンと言う言葉も未だ無く、奏者の数もそれほどいなかった時代、ファズと言う商品もこの2機種ぐらいしかなく、機材がみんな被ってしまった為、似たような音色の音源が多数存在する結果となったようです。今ではそれが一つのGSサウンドとして連想される音色に定着しているのですから、まあ時代を象徴する音であったのは間違いありません。



コレなんかも良く似た音がしてますね。

当時は海外製品のエフェクターはあまりに高価な為、手に入れられた人も限られていたようですね。日本で一番最初にファズボックスを使ったのはかまやつひろし氏だったと言われてますが、当時香港にそういった欧米の楽器や機材などが貿易途上で通過するルートが有り、自分たちで買付けに行っていたんだそうです。

又これは別の話では有るのですが、日本製のファズやエフェクターはOEMブランドとして沢山輸出されていたそうで、その中の一つ、ジミヘンドリックスが使った「ユニヴァイブ」、これがシンエイ製で現在コルグの監査役で有る三枝文夫氏が設計開発した物であった事は今でこそ有名な話ですが、情報の乏しい時代、それはそれはミステリーに包まれた伝説的なエフェクトでした。


69年ウッドストックの伝説的な名演の陰で、日本人技術者が作った音が使われていると言うのは、大変な尊敬の念と共に、日本人技術者としては誇らしい気持ちになる話ですね。

とまあ今度は自分が作る物に話を戻します。

ファズがピーだとかピャーって言う時は大体回路が発振(わかりやすく言うとハウリング)してる訳ですが、今回ファズ部分にネガティブフィードバック回路を組み込めばいいだろうと思い立ち、色々トランジスタをこねくり回して設計していたのですが、
IMG_1658_R.jpg
試作していた時から、「今回これ結構良い音するわー」と思った関係上、多少の量産が出来る様に版下を起こし、プリント基板で製作する事にしました。

IMG_1645_R.jpg
で、出来あがった基板にこんな感じでザクっと基板に部品を載せました。全部手作業と言う効率の悪さ。

そんなこんな試作を繰り返している頃に、どうも東芝のトランジスタで2SC1815がとうとうディスコンになるとの情報が。。。

2SC1815.jpg

もう何年も前から新規設計非推奨銘柄に入っていたの知ってましたが、とうとうこんな時代が来るとは。。多くの人がそうであるように、私もこれでトランジスタのイロハを学んだので、寂しさと共に2SC1815のお墓を作って弔ってあげても良いかな?位の気持ちになった程です。よく焼き殺しましたしね。。
フェアチャイルド辺りが代換え品種を作っているので機能的には困らないのかもしれませんが、、、

ってな余談は置いておいて、今度は出来あがった回路を入れる箱のデザインを。
IMG_1646_R.jpg
ファズの癖につまみやコントロールが多くて、なんかロックじゃない感じがしてしまっているのですが。。
まあこれもコントロールを色々できる様にという話。本当はシンプルな方が良いんですけどね。

IMG_1754_R.jpg
ガツンとケース加工!何となく完成が見えてきた。

IMG_1753_R.jpg

後は定型通り組み込んで。。
IMG_1753_R.jpgIMG_1760_R.jpg

完成!
IMG_1761_R.jpg
ラベルだとか何だとかは全部フリーデザインでやらせて頂きました。
エフェクターにQRコードを埋め込んでるんですが、これは初の試みでして、例えばライブ現場でマニュアルが必要になればスマホでポンと読み込んで、マニュアルが読める様にするとか、まあいろんな発展性が有るので、今回実験的にデザインに組み込んでみました。まあまだそこまでのサービスの組込は出来てないんですけどね。

と言った様な所でファズ製作終了
で、出来あがった後の音が無い!
残念。

その後、使ってくれてるんだかなんだかよく解りませんが、依頼主の彼らは

こう言う方たちです。

試奏動画が届きました!

単体で聞くと冒頭のサイケ+発振物なんですが、彼らの機材に入ると、どうもエクストリームな感じの音で演ってるようですね。

未だ基板が2セットほど残っておりますので気になった方はぜひご連絡下さい。

O様
ご用命有難うございました。


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2006年02月27日

パッシブVO・BOX・Ver2

埼玉県在住のギタリスト・澤野様からパッシブVO・BOXのカスタム版の製作依頼を頂きまして、
今回はそのカスタムBOXの記事を書こうと思います。
(他にもリネック等のご依頼を頂いているのですが、それはまた別途記事にしていきます)

さて事の発端は、別件の打ち合わせをしてる時に、

「BLOGの記事で載ってたパッシブVO・BOXってどういうものなんですか?」

VO-BOX製作
パッシブVO・BOX
と言うお話がありまして、その際、上記の記事(リンク先)を前提に色々説明させて頂きました所、

「それは便利そうだ!ぜひ作ってください!」

という事で正式にご注文を頂きました。

そんな訳で別途打ち合わせを行いまして、詳しく仕様を詰めて方向性を定めていきます。
そんな中、色々話し合ってる最中に「アクティブ化しよう!」とか、「EQ入れたら面白いっすよね〜」とかいう脱線もしてしまったのですが、今回はオーソドックスにパッシブVO・BOXに2系統分岐のスイッチングシステムも同梱してしまおうと言う事になりました。

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2005年11月10日

Vintage-Style-Booster(プリアンプ)

随分前にVintage-Style-Booster(プリアンプ)を、ある会社からのご依頼によりを試作して見ました。
 
ヴィンテージスタイルブースター2.jpg
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)

ヴィンテージスタイルブースター.jpg

 ヴィンテージ機材のHA回路を抽出し、ギター・ベースに合う様にアレンジしたプリアンプになります。

製作記事はありませんが、製作後の処遇についてはhttp://repairtech.seesaa.net/article/29555332.htmlになります。
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2005年11月09日

多チャンネルLOOPペダル

お客様からのリクエストで製作した多チャンネルLOOPペダルです。

澤野様多段LOOPボックス完成1.jpg
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)

澤野様多段LOOPペダル完成2.jpg

こういったものも製作可能です。

本編の記事は「多チャンネルLOOPペダル」こちらになります。合わせてご覧頂ければ幸いです。
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NATURAL-BOOSTER-BOX

お客様からのリクエストで製作したNATURAL-BOOSTER-BOXです。
Y様ナチュラルブースター完成1
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)

Y様ナチュラルブースター完成2

こういったものも製作可能です。

本編の記事は「NATURAL-BOOSTER-BOX」こちらになります。合わせてご覧頂ければ幸いです。
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パッシブVO・BOX

お客様からのリクエストで製作したパッシブVO・BOXです。

P-VOBOX1
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)

P-VOBOX2

こんな様なものも製作可能です。

本編の記事は「VO-BOX製作」こちらになります。合わせてご覧頂ければ幸いです。
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MID-BOOSTER・BOX

お客様のリクエストで製作したMID-BOOSTER・BOXのアウトレット版です。
MIDBOOSTERBOX3
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)

MIDBOOSTERBOX4

こう言った物も製作可能です。

本編の記事は「MID-BOOSTER・BOX」こちらになります。合わせてご覧頂ければ幸いです。
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2005年07月07日

夜中に思い立った実験その2

夜中に思い立ってまた実験したくなった訳ですが
相も変わらず、ブレッドボードは埋まっています。

で、とうとうICの回路の中空配線をシャレでやってみました。
今までやった事が無かったんですが、意外と出来るモンですね〜(笑)
中空配線その2
ま、簡単な回路ですから、大して難しくもありません。
再利用できるように部品の足を切りたくなかったので、こんな複雑な様に見えてますが、
実際はただの反転増幅回路(EMG用のフェイズ回路)です。

これも小ネタですが本日はここまで!
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