2008年05月21日

ヤマハLLのエレアコ化

ずいぶん前に完了した作業なんですが、今まで全く触れて来なかったので、今回記事にします。以前、2006年8月頃、これに取り付けるプリアンプ製作の記事「アコースティックギター用PUのミキサー回路」を書いたのですが、2年ぶりの更新と言う事ですかね・・・・なんて放置プレイ。。。。プリアンプの記事を書いた時にはもう既に搭載作業も終えていたと言うのに。。。

今回のヤマハのギターのオーナー様は前回プリアンプに引き続きのお客様でもあります。

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(サムネイルをクリックしてください。画像が拡大します)
前出の記事はこれに取り付ける為の専用プリアンプだった訳ですね。今回はこれにマグネットPUとコンタクトPU二個の増設作業を行います。

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早速取り付け始めましょうか。

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生ギターからエレアコに改造する場合、近年ではエンドピンジャックを利用するのが主流ですので今回はそれに習います。昔はフルアコ同様、側板にジャックを取り付けるものが多かったのですが、最近の新品ではあまり見かけなくなりましたね・・・・オベーション位ですか。

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早速オリジナルのエンドピンを抜きます。と思ったら硬いの何の。。こりゃ接着されてるなーと言う確信はあったのですが、試しに軽く金槌で叩いてみたら、ポロっと取れました。。見事に瞬間接着剤ですね。割合、こういう風に瞬間で止めてある物が多いので、別段驚きませんが。

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次はエンドピンジャックの径に穴を拡げます。ただ単にドリルを使って拡げると、周りの塗装などが欠けてしまったりしますので、一旦ドリル刃の暴れ・逃げ(ズレ・ブレ)防止用に一旦埋め木をします。

その後、ボディーに垂直に穴を開けて、エンドピンジャックを取り付ければ完成!

今回はジャックとボディーの間に、ナイロンワッシャとフェルト布を挟んでボディーに傷が付かないように養生する加工をしてみました。

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次はプリアンプの組み込みですね。今回の作業において最大のポイントは「コンタクトピエゾPUの位置の設定」に尽きます。選択肢がほぼ無限大ですからね。

この辺りを上手くお客様の希望の音色とプレイスタイルに着陸させるのが一番難しい訳です。(その点、マグネットPUのみ・アンダーサドルピエゾPUのみの場合はあまり問題にはなりませんが)

今回この設定の為に、かなり色んなプレーヤーさんのビデオやCDを聞いて、音を脳に焼き付けてから作業を開始しました。

楽器を弾きながら、闇雲にPUを貼ったり剥がしたりを繰り返していくのではとても時間が掛かるので、私の場合はこういう物を使います。
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これ、とある店で売っていた聴診器なんですが、ブレーシング剥がれの検査や、コンタクトPUの取り付け位置のおおよその目安が掴めるので重宝してます。最近だとネット通販で安く買えるみたいです。
これを楽器の範疇で使うのは昔から良く有る手法なんだそうですが、私の場合は、20歳頃に肺炎で入院した病院の看護士さんから得たヒントで使う様になりました。

とは言え、PUにも共振周波数などの特性があるので、聴診器もあくまで目安にしかなりません。そもそも聴診器で聞く音はゴム管の中を通った、高域の無い音なのです。本職の医師が使う様な高い聴診器だとまた違うかもしれませんが。(後、ボディーの表と中ではPUが拾う音も当然違う)その辺り脳内で補完しつつ・・・・・

大体コンタクトPUの取り付け位置が概ね決まった辺りで、
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PUやジャックの取り付けはサウンドホールから手を突っ込んで行います。
この作業は太ってしまうと出来なくなってしまうので、普段から体重コントロールもきっちりやらないといけませんね(笑)

今回はPUの取り付け位置と取り付け方に関しては秘密です。かなり良い感じのスイートスポットを見つける事が出来ました。公開しても良いんですが、プレイスタイルや楽器によっても違うので、この辺りは難しい所ですね・・・

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マグネットPUやプリアンプの取り付け位置はこんな大体この辺で、電池ホルダーはこのブロック周辺に取り付けます。サウンドホール脇にダイアル型のVOも取り付けてあります。

あ、エレアコ化作業では最も気を使わなければいけないといっても過言ではない、弦アースプレートの取り付けも行ってあります(写真は有りませんが・・・)

この辺、部品位置の決定基準は、生音の変化が少ない位置に取り付けるのが条件ですね。ただ、どこに取り付けてもそれなりに生音は変わるので、ある種の妥協線をどこかで引かないと駄目でしょう。

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楽器内部の配線纏めには、ホームセンターなどで売られている両面テープ付きの配線フックです。これにフェルトを自分で貼ったものを愛用しています。

これを側板の適度な所に貼って配線をジャックやPUまで這わせてあげる訳ですね。私の場合は原則としてトップ材やバック材には貼りません。必ず側板だけで綺麗に纏まるように仕上げます。

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全ての部品を取り付け終わった後・・・各PUのゲイン調整とミックス具合、出力調整を行って・・・完成です!今回はコンタクトPUの割合が意外に多い感じになりました。

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6弦の音量感が強く感じたられた場合は、PUを少しブリッジ側に下げてみて下さい。(PUが斜めになる感じで)

なんだかんだでPUのバランスを取るのに大変苦労した訳ですが、完成してみると、感慨深い物がありますね。

肝心の音はというと、アンダーサドルピエゾ物の楽器と比べると木の風合いが音にフィードバックされて、生音に近いふくよかさが有るのを如実に感じられます。

アンダーサドルピエゾ物に関しては、爛々と輝くようなエッジ感が素晴らしかったり、そこがアコギらしかったり、逆にライン臭かったりローが無かったり・・・毀誉褒貶、様々な意見があるPUシステムが多いのですが、今回構築した機構はそういう点を全て解決出来るシステムと言えます。

あえて駄目な点を上げるとするならば、各弦の音量バランス及び各弦の解像度はアンダーサドルピエゾに比べて自由度が低いと感じました。(それがあえて「生っぽい」と評価される所以かもしれませんが)

とは言え、実際かなり良い音に仕上がってまして、オーナー様からもその生っぽい辺りや、タップ音などに関して喜んで頂けました。

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こんなプリアンプのワンオフも承っておりますので、興味を持たれた方はご連絡頂ければ幸いです。

本日はここまで!

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posted by IRP Products at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | エレアコ化関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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