過去の修理例の幾つかをBLOGに記載をしておりますので、古いジャクソン&シャーベルの電装系修理の仕事が入る事が多くあります。今回のお客様もそのような経緯でご依頼を下さったお一人でした。
今回のモデルはソロイストなんですが、お客様に手によりストライプのデコレーションが施されていて、ケーラー社製ブリッジが搭載されているスルーネックモデルですね。症状としては音が出ないと言った内容です。
この電装系が往年のジャクソンのサーキットが採用されています。が、配線がかなり。。な事になっておりますので、綺麗に再配線を行い、調子を崩しているJE-1200ミッドブースター回路を修復する作業となりました。
こんな感じに全ての配線を摘出します。以前にもこう言った記事の際に書きましたが、量産メーカーでライン作業による生産の場合、アッセンブリーは組込前にプレ配線されているのが通常です。
また特にアクティブサーキット物ですと配線の本数等も増え、モデルごとに微妙に違うレイアウトにも有る程度対応しやすい様に配線を長めに設定されている事が多く、生産効率を中心に考えた場合、コントロールレイアウトに合わせて配線を切り詰めるといった作業は殆ど行われません。その為、長さの余った配線材はキャビティーに無理やり詰め込まれて必然的にグチャッとした配線になりがちなのです。
次の作業はいつもの通り、導電性塗料によるノイズシールディング作業を行います。
アクティブサーキット搭載の楽器はこの作業をきっちり行っていないと、却ってノイズを増幅させてしまう事が有りますので、必ず行います。
今回搭載されていたPUはジャクソンMODEL6用の初期型PUセットでした。今や貴重なPUですね。
この貴重なPUをメンテナンスしてから組み込みます。
その後、懸案の音が出ないとされたJE-1200の方を改修していきます。
いつも通り細かく見て行くと、ブースターボリュームへ出力する配線部に基板のパターン剥がれが有り、回路が正しく動作しない状態でした。
今回はパターンを復活させる事は出来ませんので、画像の通り配線を延長して部品に直接半田付けを行いました。
その後、基板上の部品をチェックし、消耗しているパーツを交換して改修完了です。
生産から20年以上経つと、こう言った回路に限らず電解コンデンサは大概駄目になってますね。
全て新品のコンデンサに入れ替えます。これに合わせてOPアンプも交換です。8ピンのデュアルパッケージの物で有れば、JRC5532等の入力インピーダンスのマッチングが取り難い品種でない限り、大体どの様な物を使っても音自体は出ます。後は音色の落とし込みについては今回はJRC4558DDと言うローノイズの物に変更しました。
そして楽器に戻し、再配線をし直して完成です。
こんな感じですね。当初の状態から比べて頂けると一目瞭然ですが、とにかくロス無く綺麗に配線を行いました。
これにて完成です。
今回の作業は難易度その物は高くないのですが、有る程度電気回路の知識とトラブルが起きやすい部位を経験則で知っていないと対処できない内容でした。
このBLOGをご覧の方で、修理の方法をお教えて欲しいと言ったお問い合わせを頂きますが、こればっかりは破損の内容が各々で違いますので、実際は実機を見ないとなんとも言えませんけれども、有る程度の事で有ればお答えできますので。是非メールフォームよりお問い合わせください。
過去の記事は次の通り
ジャクソンソロイストJE-1200電気系改修
80'sシャーベルMODEL6の電装系〜総合修理
Jackson guitars of yesteryear
80年代シャーベルの再配線作業
と言った所で本日はここまで。
横浜市S様ご依頼有難うございました。
引き続きのご愛顧のほど宜しくお願い致します。
今回は偶然に入手できた初期のPUに組み換えていただいたのと10年近く音だししていなかったので、以前とは比較できないのですが、帰ってきてから、EMGの81搭載のギターと比べてもリアのミュートとフロントの音が気に入っています。もう1セットJC-1200とSSHのPUがあるので近日、マウントと回路チェックをお願いしたいと思っています。…多分、微妙なモデルに積んでいただくと思います。
追伸
あれから、調子抜群です。
ありがとうございました。。
お世話になります。
先日はご依頼ありがとうございました。以降快調の様でなによりです。
又、細かいお問い合わせベースでも結構ですので、ご連絡いただけましたら幸いです。
それではまたのご用命お待ちしております。