本年も何とぞよろしくお願いいたします。
さて今回の記事ですが、東京のスタジオシーンで活躍するギタリストの吉田穣氏より、エレアコ、エレキギター双方の信号の切り替えフットスイッチペダルを製作してほしいと言う依頼が入ったのが昨年の夏の終わりごろでしたでしょうか。
御本人さんは、様々なシーンに対応する為に複数本の楽器を常に使用したり、ゴダンのエレキ/ピエゾ同梱のギターなどを使用している関係上、信号ラインや配線その物が複雑に入り乱れる事を嫌う事や、利便性の問題からこの様なオーダーに思い至ったそうです。
内容をお伺いしますと2in-2outのスプリットボックスで、フットスイッチを二つ使い、シグナルを使い分けたいとの事でした。
次の通りの仕様でしたし、製作その物は問題ありませんのでお受けした次第です。
@入出力
A-IN----A-OUT
B-IN----B-OUT
A制御スイッチ
★フットスイッチAはA-OUT又はB-OUTの任意選択スイッチ
●フットスイッチBはトゥルーバイパス時はA-OUT+B-OUT同時出力
☆フットスイッチBがウェットの場合、フットスイッチAで選んだ信号のみ出力
○各々の選択チャンネルはLEDで視認出来るようにしてほしい。
とまあ、フットペダルのワンオフ製作だからこその要望が多い内容となりました。
打ち合わせてる際の手書きのメモとかはこんな感じになります。

極めてアナログな感じですが、まあ多かれ少なかれこんなものかな。
大事な事は肝になる点をフォーカスして絞り込んでいくって事でしょうか。
その後実際の制作に入って行きます。
製作そのものは大して難しい事ではないのですが、こう言ったスプリットボックスの場合、ポップノイズが出てしまうとわざわざワンオフする意味もありませんので、極力出ない様な材料や方法を使って組み込んでいきます。とはいっても自作エフェクタ界隈ではおなじみの部材ばっかりと言えばそうなんですが。
その間に、ラベルデザインについて吉田さんと擦り合わせるのですが、、、

こんな感じフリーデザインでざっくり作ってみて、ご本人の希望に最も近い物から、完成イメージまでブラッシュアップを行います。
そしてご希望のデザインの落とし所が決まりました。

紫ベースのポップな感じですね。私にもう少しデザインセンスが有れば良いのですが。。こう言った感覚勝負の物は中々難しいモノで、所謂デザイナーさんってのは本当に引き出しが多くて、別件でいつも仕事ぶりを見るにつけて、脱帽します。
こんな所で組み上げて行ったら、、完成です!
スイッチ切り替えによるポップノイズが極めて小さくなるように部材を選び、配線を行い、過酷なレコーディング/ライブ現場に投入しても殆どポップノイズが出なかったというレビューを頂きました。
そんなこんなで簡単にでは有りますが製作記事は終了ですね。如何だったでしょうか。
吉田穣氏プロフィール
http://popcorestudio.com/school/minoru_yoshida.html
スタジオワークやライブワーク、ギター教室等何でも来いのナイスガイですので、もし音源製作関係者さんにご興味のある方がいらっしゃれば是非お声掛けをお願いします。
それではご依頼ありがとうございました。またのご愛顧をお待ちしております。