年始からちょっと込み入った作業の為の図面を書いているのですが、自分でもちょっと訳が解らなくなって来ているので、クールダウン的に別の作業をやって、今回はそれを記事にする事にします。
あるお客様から、「ハムバッキングをコイルタップした時にノンアジャスタブル側のコイルを生かすと各弦のバランスが悪くなるのが気になる・・・」と言う相談がありまして、色々お話させて頂く期会がありました。
通常ハムバッキングPUのノンアジャスタブルコイル側の構造は単純に鉄の丸棒(ポールピース)にコイルワイヤーが巻きつけられていて、高さ調整が出来ません。またポールピースがコイルボビンと面一になる高さに合わせる様に作られています。
(書き方がまずかったので補足:殆どのハムバッカーはポールピースに直接コイルが触れてる訳ではありません。プラスティックボビン越しに巻かれています。詳細画像は以下で確認して下さい。スチュアートマクドナルドPUキットの詳細ページ)

(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
ちょっとわかりにくい写真ですが手前のコイルのポールピースはボビンと面一になっていまして、こういった場合、タップ時にノンアジャスタブル側のコイルを生かすと各弦の音量バランスが非常に取り難く、弾いていて気になる事が有るそうです。
本当はPUの向きを前後入れ替えればいいんですが、ルックスの点でちょっと・・・と言う場合が有りますから、そういった場合の対処法・・?なのかな。今回は。

こう言った可変12ポールピース仕様の物だとその辺りは調整が効くんですが、ノーマルの物だとそうは行きませんので、今回は対策を講じてみる事にしました。
と言う事で、ノンアジャスタブル側のポールピースの高さ調整を行う事で何とかしてみようかと。要するにフェンダー系シングルコイルの様なスタガードに設定して対応してみようって事ですね〜。
結構危険なのでPUの分解画像とかは撮ってませんが、指先が器用な人で腕に覚えの有る人なら簡単に分解までは出来ると思います。
んで、いきなりポールピース調整後の画像です(笑)

ポールピースをゆっくり時間をかけて位置を動かしてみました。この作業は無茶すると断線してしまいますので、絶対に無理をしないことがポイントでしょうか。手で強く握ったり、勢いでハンマーなどで叩いたりしてはいけません。また、断線しやすい物と、し難い物が有りますので、その判断をせずに単純に何も考えないでこの作業を行なうと痛い目を見ます。
コレは某社のPUなんですが、昔、幾つかリワインディングした経験でこれが断線し難いと言う事を知っていたので挑戦した次第です。この辺の判断は非常に難しいですが。判断出来ても大丈夫!とは言い切れない部分も少なからずあります。

ちょっと動かす度にテスターでチェックしながら作業を進めます。

解ります?微妙にポールピースに凹凸が付いてます。
こんな感じで、各弦の音量バランスを考慮して調整してみましたが、コレはまだまだ仮設定ですので、実際にお客様に弾いて頂いてさらに詰めるという作業が必要になると思います。
カバードPUではこの作業は出来ませんが、オープンハムの場合は結構効果が有るようですよ。とは言え、磁石との接触面積減少の問題も多少有りますので、音色が少し変わってしまう気がしなくもないですが・・・・音量減少は特に有りませんでした。苦肉の策でやってみた割には上手く行った稀有な例かと思います。(磁石やポールピースの材質や接触面積・構造によっては各弦音量バランスが著しく悪化する事も有るかも知れません)
同径で寸法の長いポールピース(か、それに順ずる物)が手に入れば、交換したい所ですね。
と言った様な所で、これを再び組み込んで、ワックス漬けした後、今回の作業は終了です。
写真を撮り忘れたのが痛いですが・・・・・
因みにアルニコ系のジャズベやプレベのPUでも難しいですが同様の加工が出来たりします。
他には・・・まあ色々ありますね(笑)
こういった加工が「必要有る・無し」は、いろんなプレーヤの方の考え方によりますので、何とも言いがたい部分では有りますが、こういった方法も有るよ!って事で今回はこの辺にしておきましょうか〜
本日はここまで!
はじめまして!書き込み有難うございます。
色々細かい事をやってますんで、今後とも宜しくお願い致します。
そちらにお邪魔させて頂く事も有るかと思いますがその時はまた宜しくお願い致します!