さて、IRPももう随分ネット上では長く生息しておりまして、なんだかんだで10年ですか。
その間色々な事が有ったのですが、まあ一つ一つの事案は置いておいたとして、このネットの上からの現実世界へのアプローチと言う方法で、色々やっておりますと、引き合いだったり、ご依頼だったり、問い合わせだったり色んな出会いが有ります。
そんな中、作業内容がギター修理製作開発と近しいけれど、ギターではない方面の方との出会いがそこそこ有ったりします。例えば三味線の方ですとか。そういった方々が所属する所を隣接分野と定義してお話を進めて行きたいと思います。
さて、当の私はと言うとギター修理だけに留まらず色んな引き合いや、様々な環境の要因からとある貿易系の仕事にも関係しているのですが、この貿易関係の仕事と言うのはギターに限らず楽器業界の隣接分野としてかなり身近で有り密接な関係の存在でして、例えば弦一つ取ってもそうですし、木材やディマジオだとかダンカンのPU、そもそもボリュームゾーンとして国内で最も売れるフェンダーやギブソン等と言う海外ブランドの楽器は、全て海外から輸入されて来た舶来品に当たります。つまり貿易による取引の後、日本に入ってきている訳ですね。これを隣接分野と言わずしてと言った所でしょうか。
そこで私は食っていく為と言うだけでなく、隣接分野に対する知的好奇心の範疇から、数年前から貿易関係の仕事も手掛ける様になり、今に至っています。
さて、なぜこのような話をするかと言うと、隣接分野と言う物は必ず自分が所属する分野との間に深い溝が有り、だからこそお互いが利害関係なく、むしろ共存共栄できる関係であると私個人では考えております。
そんな所から、私は隣接分野間に横たわる深い溝を飛び越えて、広い視野を持ち、硬直化した楽器というジャンルから脱却し、柔軟な頭の持ち主になりたかったのであります。とにかく動かしてみない限り、何も始まらない。。社会科見学の様な物ですかね。
とまあそんな事で覗いた貿易の世界は奥が深くて、想像していたよりも面白い分野で有りました。経済情勢だとか何だとか、その先に何があるかはわかりませんが。
ただまあ、これだけ世の中が閉塞感満載で、年々消費世代の人口ボリュームが尻窄みで有る事を鑑みると、楽器の世界は全く持って明るい兆しが無く、早い段階で隣接分野の可能性や貿易立国日本の置かれた特殊事情に賭けて飛びこんで見た貿易の世界ですら閉塞した状態なのであります。勿論この世界にも隣接分野が有りますからそこを見て回って人と出会っても、各所先があるのか?この先どうなんだい?という感覚が拭えないでいます。
こんな時代だからこそ、今まで通りの沈思黙考もそろそろ終わりにして、何か動き始めてみる・・・というのも重要なんじゃないか?なんて強く思うようになってきました。そもそも世の中のせいにばかりしていては、何よりも面白くない。どうせ不平、不満で終わってしまいますからね。
そんな感じで、そろそろ色々整理して身軽にシンプルに動けるような体制にシフトする時期が来てるなあと感じていて、隣接分野と出自の楽器分野の融合を自分主導で始める時期が来ているのかなと。
さてこの考えを練って乾かして形にして行けるのはいつになるのやら。
更に話は少し逸れてしまいますが、、
Kindred Process from Visual Inclination on Vimeo.
私は本来、こう言う牧歌的な暮らしをギターの世界でしたかったんですが、個人的な事情やら、業界の諸事情やら周囲の何やらは残酷なもので、何を間違えたか真逆の電話とメール着信音が鳴りまくる生活を送ってます。。
ロハスだとか、ノマドなんて言葉も一時期流行りまして、ブラブラしてた事があり、その頃何気にすれ違った、H社かF社に入社していたらお金の面は置いといても、随分それに近い生活を送っていた可能性が有ったかもしれませんが、叶いませんでした。
その時、ディレクターとして来て下さいって言ってくださった長野県F社の社長さんには今でも感謝しています。諸般の事情でそれは実現せず、、後にその社長さんが亡くなったと言う話を聞いた時、遠い目になって、あの日見た長野の山稜に実現しなかった 未来を想ったものです。
それから8年程経って、今、全く形態の違う忙しい生活を数パターンのタスクで処理しながら口を糊して想う事は、色々整理してシンプルに暮らしたいと言うことと、上記にも書いたその繰り返しですが、そろそろ諸般の事情などに妨げられず、主導を自分に取り返す時期に差し掛かって来たかなと、そんな事を常に考える昨今なのであります。