このモデル、非常に愛好者の方が多く、変形モデルとしては一つの定番に近い所まで行った珍しいモデルではないかと思っております。
古くは60年代のエレキブーム時代に寺内タケシ氏の為に開発されたそうで、デザインに関しては諸説ありますが、今でも当時のモデルに関して熱心な研究家の方がいらっしゃるモデルですね。
デビュー後、30年間ほど絶版になっていた所、15年ぐらい前にまた寺内タケシ氏の為に完全リファインして発売されたと記憶しております。その流れからバリエーションモデルとして沢山の廉価版モデルなどが発売されるに至り、今回紹介するベースも発売されたようです。その中でも今回手掛けた物は近年製作された物となります。
Y様より承った時点で電装系パーツは全て取り除かれており、新たに組み込み、調整を行うのも今回の作業内容です。
こんな感じで全くノイズ対策がされていない状態ですね。
今回はお客様より部品を全てご支給頂きましたのでそれらを使用し組み込んでいきます。
これらのパーツはオールパーツ社やモントルー社など色んなパーツサプライヤーが有りますが、パッキンされているパーツその物ははっきり申し上げまして一緒です。パーツサプライヤーによって変わると言う事は有りません。検品選別はしている可能性は有りますが、あまりそういった話は聞いたこと有りませんね。ですので同じパーツで有れば、安いサプライヤーさんから買うのが一つのコツかもしれません。
まずはこんな感じでいつもの導電性塗料を塗布し、アースにつながるように加工します。
この導電性塗料ですが、今は様々な製品が出ており、ユーザーさんが手に入れて塗布する事も可能です。ただその場合、必ず塗料自体がアースに落ちる様に施工しなければならない事と、信号が通る端子がキャビティーに触れない様に細心の注意を図って作業する必要が有ります。もしそれらの作業に不備が有った場合、ノイズが増える可能性や、そもピックガードを閉めたと同時に音が出なくなるなんて事もあり得ます。その辺りは基本的には経験と勘と言った様な所で細心の作業をしていきます。
こんな感じで電装部品を組み込みます。この辺りはパッシブの良さが最大限発揮できるよう、ロスの無い配線を心掛けます。
又ピックガード裏には高周波用アルミシートを貼り込みます。このシート、性能は良いのですが、大変薄く、貼り込み作業が難しいのです。。その内他の部材に変更しようと現在各種部材を試験的に取り寄せていますが、、入手性が良く性能も良いと言った様な良い物に出会えておりません。
アッセンブリを組み込み、弦を張って調整したら。。。
無事完成です。ノイズに関してはほぼ無い状態にまで持ち込んでおります。
これは特殊なPUの所為か、これにしか出せない音が有り、大変魅力的な音色でした。
PUレイアウトから想像すると、一見PB系の音がしそうですが、それだけでもないなんとも別のテイストが入った独特の音色です。何よりフロントのプレシジョンPUが大変素晴らしく。。
Y様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命お待ちしております。