遅ればせながら、新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は体調不良に悩まされ続けた一年ではありましたが、何とか新年を無事に迎える事が出来ましたのも
他ならぬお客様及び周囲の方々の並々ならぬご支援の賜物と深く感謝を申し上げる次第、何卒、本年も倍旧のご支援とご愛顧の程宜しくお願い申し上げます。
さて、旧年中は年末に祖母が亡くなる等、仕事以外の部分で大変難しい決断を迫られる場面が多く有り、人間的に少しばかりトラブルにも強くなったようにも思いますが、それらを今後生かせる様に何とか頑張って行かなければならないな等と思っております。
しかしながら前年度に立てた開発物の計画に関し、達成度は60パーセントに留まる所は大いに反省すべき点でした。
今年は前年に手がけた趣と方向性をより一層推し進めていく事と、作業体制及びカスタマー業務の強化を行う事で、未達分の挽回を図ろうかと考えております。
引き続き、ご愛顧の程を宜しくお願い致します。
さて2010年の幕開けですが、軽〜く00年代の自分なりの総括としてブログ向けに3点だけ綴ってみたいかなと。
00年代の音楽業界・楽器業界に関して、エポックメイキング的な出来事と言えば、
@DTM関連ツールの普及
Aipod等の携帯mp3プレーヤーの普及
B結局インターネット
辺りでしょうか。
@ に関して言えばインターネットの隆盛と共に発展してきているのは一目瞭然ですが、
何より、ハード及びソフトの価格破壊及び技術革新が恐ろしい勢いで進んだ年代でもあります。
まさか、1万円程度のペダル型マルチエフェクターがUSBで接続するだけでインターフェースとして使え、
更にDAWソフトまでバンドルで付いてくる時代になるとは・・・
90年代に高校時代を過ごした私では到底想像が付きませんでした。
いわゆる宅録の為のプラットフォームの敷居が低くなったのはとても良い話でありますね。
それらの技術に付随して、各種動画サイトによる演奏動画のアップロードが盛んに行われる様に
なって気が付いたことですが、(著作権ですとか倫理的な問題は多少あるにせよ)
ある種の楽器プレーヤーの人口が増えている様にも思います。
こういった流れは一般的な文化的側面・楽器業界の経済的側面から見ても
極々僅かですが好ましい状態になったのではないか?と感じる事が多々あります。
また、実際はかなり金銭的投資や録音技術が必要ですが、自宅でCDクオリティーの物が作れる様になったのも大きいでしょうか。
この録音技術の研鑽の際に、音とは何ぞや?という疑問から楽器の構造に至るまで気を使う方が増えた事も特記するに値するかと思います。
A 携帯mp3プレーヤーの普及に関して、全く新しい音楽の携帯/流通スタイルを確立してしまった訳ですが、ある種、インターネットの隆盛と共に音楽の金銭的価値を水道の水と同じレベルに迄落とした罪は正直否めません。
早い話、ハード不要の時代、CDが売れなくなって早10年ですか。
パッケージ販売の利鞘に依存していた組織、末端で言うとプレス屋さん印刷屋さんレコード店等は
当然どこも焼け野原の様相を呈しているわけですが。。
音楽の扱いがそういう状態になってくると、必然的に作り手は薄利多売を行わなければならなくなり、
最近のレコーディング技術を使って録音されているにも拘らず(色んな事情があったにせよ)ひどい音質の物が公式のCD/mp3として販売されている例も良く見かけます。
その他レコーディング作業でも、mp3プレーヤー(特にイヤホン)で鳴らした音を考慮したミックスやマスタリングが施されるようになって来ています。
言い換えますと、ミックス等でダイナミックレンジが狭い音に作り変える作業をしている訳ですね。
つい先日も仮MIXの物をmp3プレーヤーに突っ込むとイヤホンの音が割れるといった例が有りまして。。。
結局、音が割れる帯域を取り除いた結果、音がつまらないなあ。。という代物が出来上がった訳であります。
(数値でいうと微々たる物なんでしょうし、エンジニアはいつでも全力を尽くす物ですが、これは楽器修理やメンテナンスを行う私共の様な人種にとっては実に由々しき状況であったりします)
時代は繰り返すと申しますが、きっと先人のエンジニア達もカセットウォークマンが出た時、CD/ラジカセが出た時等、こんな思いを味わったのだろうな・・と思いを馳せる瞬間も有ったりしますが、それにしてもここまで来ると。。という別の意味での無念さを感じざるを得ません。
但し、これらはもう既に主流となっているので受容れなければならない話でも有りますね。
持ち運びや、収録曲数(容量)や、音源収録ハードの移し変えの手間、所有楽曲のファイルの管理など
手間が減った分、個人的にも音楽を聞く時間が増えた様にも思います。
(だから大ヒットした訳で、そこはくちばしを挟む余地も無い話ですが)
B で、結論としてこの10年は世界的に良くも悪くもインターネットに彩られた10年だった訳ですが。
既存の価値観の破壊、新しいメディアの登場、回線の異常ともいえる高速化、SNSや動画サイトの登場等、枚挙に暇がありませんが、とにもかくにもネットが無いと始まらない訳であります。
これは私共の場合ですが、HPやBLOGを持つという事で既存の営業方法の枠組みを飛び越えて沢山のお客様にご愛顧頂いた訳で御座います。これはネットが無ければ有り得なかった世界の風景だなと。実に清々しい想いで日々暮らしております。
やはり総括してみると、00年代はあらゆる人が「インターネット」に最も時間を費やした時代であったと思うに留め、この記事は一旦終了します。