それ以外にも芸能ネタや選挙ネタなど、世間を騒がす要因がたくさんありますが(私はテレビを全く見ないのでアレですが)、何にせよ平穏な生活が営めると言う事が如何に有り難い事かと、日々実感している次第です。
今回は久し振りに修理の記事を書いてみようかと思います。F氏やM氏にも記事書かないの?と突っ込まれているので・・・
8月某日、某音楽ユニットのS氏より修理依頼がありまして、その内容が以下の通りの内容でした。
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
フェルナンデス社製のソロイスト系サスティナー搭載ギターなんですが。
これ、ぱっと見は結構良く出来てます。が・・・

スタッドアンカーが手でも抜ける位に緩々です。
この手のトラブルって実はよく有りがちですが・・これではアームアップした場合、即座にスタッドが抜けてきます。
もう一つ言わせて頂くと、スタッド自体の精度も余り宜しくありません。
また穴その物も随分と深い様ですので、それも埋め戻し、適切な穴の深さに直します。
しかし最近では珍しいですね。トレモロキャビティー無しのフロイド搭載ギターは。
この手の構造を持つギターの場合、ボディートップと弦がかなり離れた所に位置しますので、慣れない人は弾きにくいかもしれません。(ピックが深く入り込んでしまう為慣れないと1〜2弦を切りやすい)その代わりこの構造を持つギターはブライト且つ、中域の張り出しが結構強いので好きな人は割と多いのではないかと思います。
実作業は特殊とは言えない迄も独自の技術を使っておりますので、どうやっているかは秘密です。画像も撮り忘れてますが。
とまあちゃちゃっと、この辺りは修理完了です。
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問題はその次に有りました。
フロイドローズを調整しようと思ってネックを外すと・・・・

なんじゃこりゃ。
(一応書いておきますが、ネック外した直後の画像ですよ)
ラワン材?でビス穴を埋めてありました。ネック側だけ埋めるならまだしも、ボディー側から丸棒を刺してその上からネジを入れたような状態になってました。。。これは前オーナーの仕業なのかな?メーカーでやったとも考えられるし・・・どっちにせよコレは酷い。
なんとも言えませんが、とにかく修理修理。
方法としてはボール盤で元のビス穴や傷んだ部分を全部カバーできる程度に大きめの穴を開け、そこに適切な処理を行ったダボ材を埋め戻して行きます。

作業後はこんな感じですかね。
この時に使うダボ材はメイプルを使う場合も有りますし、その時々に応じて適切な堅木を使います。但し今回の材料は秘密。メイプルでは有りません。

もともとのネック材の毟れ等も修理しつつ、適切に埋め戻したらボール盤でジョイントホールを開け直し、ネックの反りを調整してから再組み込みです。

で、組み直してフロイドローズの調整も済ませた後の写真ですが、入庫時との違いが判りません。まあそんなもんでしょう。見えない所の修理ですから。
本音を言うと、ネックポケットの擦り合わせ+角度付けなんかもやってしまうと良いのですが、今後フロイドキャビティーを追加工する可能性を鑑みた事や諸般の事情の兼ね合いも有り、また追々要望が出た時に対応しましょう。
と言った様な所で本日はここまで。
S氏へ、なんか有ったらまたリアクション下さい。対応します。
因みに当BLOGでは過去にフロイドキャビティー追加工も記事にした事が有ります。
フロイドローズ用アップリセスの追加工

その他フロイド絡みではカスタムイナーシャブロック作成等も過去に手掛けております。
ジャクソンソロイストの改修

興味の有る方は是非アクセスを御願い致します。