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2006年11月21日

電気系2件纏めて

さて、軽い電気関連の案件を2件纏めて紹介しましょうか。

まず一軒目
 千葉県I様からご依頼を頂きましたフェルナンデス布袋モデルのPU交換作業です。
I様布袋モデル到着時.jpg
(サムネイルをクリックして下さい画像が拡大します)
 格子模様HOTEIモデルと言えば、ミュージシャンモデルとしては最も有名な部類ですね。この特徴的なペイントってロンドンの地下鉄かどっかの格子模様がモチーフらしいですが・・・

 さてこのギター、I様が中古でご購入なさったのですが、中古特有のアレな状態でして、PU交換作業でこちらに預けて頂いた時には既にかなりネックの状態が悪く、また一部不適切な修理痕が有り、長期的に見ると、結構不安な要素がありました。それらを一応I様にお伝えし、こちらで全て治す場合の見積もりを算出した上で協議の結果、I様の予算的な問題で、こちらでPU交換だけを行い、大本の一番ヤバイ部分は「中古販売の保証」で販売店様が契約している修理工房に回される事になりました。

 で、今回交換するPUと言うのがFGIテクノロジーのフロント・リアのセットからリアのみEMGに交換します。
 EMGは他のPUとの組み合わせるのが難しく、色んな都合からあんまり片方だけ交換と言うのは個人的にはお薦めしかねるのですが、どうしても2個纏めてのPU購入費用の問題から、今回は一個だけの交換になりました。

I様布袋モデルPU交換前.jpg
新品のEMG-SAです。評価は分かれますが、歴史のあるPUですね。

I様布袋モデルPU交換後.jpg
サクッと交換してみました。
 他にもジャック周りの修理等、色々やったんですが、これでこの作業で記事に載せられる所はここまでですね。

 これ以降は色々な案件が絡むのでストップです。

千葉県のI様ご依頼ありがとう御座いました。
また何か有りましたら宜しくお願いいたします。

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次にワウの修理に行きましょうか。

 最近DIYでワウの配線交換とか、トゥルーバイパス(この表現は個人的に好きでは無いんですが)化等の改造が流行ってますが、ちゃんとした手順を踏んで、ちゃんとした配線を心がけないと、音が出なくなったりします。

 で、今回はそう言ったDIYで改造に臨んで、エフェクトのオン・オフスイッチを切り替えても全く音が出なくなったと言うご相談を奈良県のY様から頂きましてお預かりしました。

奈良Y様WAH修理前.jpg
 開けてみますと、スイッチは某社6PINの物、配線材がなんだか良く判らない古そうな物に交換されてます。

 各部凝視しながら回路を追っていくと配線が一部間違ってました。とは言ってもこれだったらエフェクト側の音は出る筈なんだけどな〜などと思いながらテスターでチェックしていくと・・・一部配線に導通が有りませんでした(笑)単に配線の断線と配線の仕方のミスだったんですね。

で、現象さえ判れば後は配線をやり直すだけです。

Y様WAH空筐体.jpg
 筐体内部もかなり汚れてたんでこの際に掃除のつもりで空にしてしまいました。

Y様WAH配線材.jpg
 このいかにも古そうな配線材は一本だけ交換するのに不安が有りましたので、全交換します。(因みにこの配線材どこから持ってきたんですか?って聞いた所、ここには書けませんが、とんでもない機械から持ってきたそうです・・・・)元の品質は多分世界最高峰だとは思うんですが、皮膜の中でボロボロに腐食してボキボキに折れてます。
 こういった配線材を使って配線する場合は、テスターで導通を調べてから使った方が良いですねー。後でトラブル探しする手間も減りますし。

 今度こそ断線して無いちゃんとした配線材(因みに高価)を使って配線し直します。
Y様WAH完成.jpg
 因みに今回はY様との話し合いにより、インプットバッファは撤去はしない事になりました。(もちろんエフェクトオフ時には通らない様な手を基板に細工して打って有ります)

ってな所で結果的には配線材の交換だけの作業でしたが完成ですね。

 昨今ヴィンテージ配線材がもてはやされてたりしますが、ちゃんと施工しないと、余計なトラブル(ノイズや今回の断線等)を呼び込んだりする事も多いのでは無いでしょうかね。
 これらの配線材って気軽に交換は出来ますが、かなり気を使って施工して初めて能力を発揮すると言っても過言じゃないでしょうね。

 奈良県のY様ご依頼ありがとう御座いました。また宜しくお願いします。

 と言ったような所で軽い電気関連の記事を2本纏めてみました。

本日はここまで!


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2006年11月17日

Super Wide-Range Cableのパッチ版

 Super Wide-Range Cableを記事に書いてから、かなりコンスタントにご連絡を頂く様になりまして、物凄く有り難く、製作に対応させて頂いております。

元々の記事はこちらになります。
Super Wide-Range Cable
Super Wide-Range Cableのその後

 今回は上記の記事より派生したご依頼で、兼ねてより要望が多かったエフェクター間のパッチケーブルのご紹介をする事にします。

 皆さん割りと、パッチケーブルは長さに選択肢が無い!とおっしゃられるんですが、それもその筈と言うか、市販品の場合は丁度良い長さに作ってる訳では無くて、「丁度良いであろう長さ」に作ってあるんですね。なので万人に丁度良い訳が有りません。エフェクターの組み合わせによってはそりゃ長短不満が出てきますよね。

 といった様な所で、今回は長さをご指定頂いたパッチケーブル(一種類ですが)製作のご依頼を頂きましたので、その記事になります。(まーでもパッチケーブルって、短く作るだけなんで、前の記事と大した違いは無いんですが・・・)

 今回は福岡県のE様よりご依頼頂いた、真っ直ぐに伸ばした時にプラグ同士のホット間隔が200ミリの物になります。(どんな長さ・タイプのご依頼でも対応出来るのですが、これ以上短くするのは後述の理由から無理です)
パッチケーブル200mm.jpg
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
 因みに何かプラグにラベル貼ってくださいって言う事なので、見積書にいつも使っているロゴを貼ってみました。お客様と話し合った結果、今回は方向性はあえてつけていません。

 さて、幾つか同様のご注文を頂いた中で、なぜ長さが200mmの物を取り上げているかと言いますと、このケーブル、弾性がかなり強く、通常のパッチケーブル的に極端に曲げて使う事が少し辛いのです。
 正直、これ以上短いと曲がらないんですね。曲がらない以上はエフェクターに使用しますと、機材にもケーブルにも負担が掛かり、安定度が損なわれる可能性が有ります。
  それを避ける為には、L・L型ケーブルの場合、ホット間が200mm以下での製作はお請けする事は出来ませんと言う事になります。

パッチケーブル200mm使用例.jpg
 使用例としてはこんな感じでしょうか。エフェクターによっても多少間隔等の都合が変わってくるとは思いますが。

 またノイトリックL型プラグは筐体も大きいですので、エフェクターボードが狭い場合はこのパッチケーブルは向きませんので、今後、狭小なボードへの組み込み依頼が有りましたら、それらに向くケーブル・プラグも何か目星をつけなきゃいけませんねー

と言った様な所で本日はここまで!

福岡県 E様
栃木県 H・N荒様
東京都 S様
埼玉県 O様 ZEPファン様

最後にご注文下さいました皆様ご依頼ありがとう御座いました!
今後共、何か御座いましたらよろしくお願い致します。

追記
東京都I様オーダーのご連絡ありがとう御座いました。
200mmのパッチケーブルが試作品も含め5本残り3本の在庫になっております。
これですと、ご連絡頂きましたらすぐにご提供できます。


上記分完売致しましたが、現在いつでも製作に対応できます。
現在上記の仕様の物であればネットショップからのご購入も可能となりました。

それでは宜しくお願い致します。
posted by IRP Products at 01:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 楽器ケーブル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月04日

Martin D-28のナット・サドル交換

 楽器カテゴリに記事を投稿するのも久しぶりな感じがしますが、今回はMartin D-28のナットサドル交換をいきましょうか。今回は静岡県の赤池様からご依頼頂きました。

赤池様D-28到着時.JPG
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)

 因みに今回のD-28は新品の2006年製をご購入なさったそうなんですが、弾いていると、「特定のフレットで妙なビビリが出る・ナット溝が緩いせいか開放弦をハードピッキングすると、弦が暴れる感じ」なので、何とか直して欲しいとの事でお預かりしました。

 で、入庫してから私も弾いてみる訳ですが、なんかこう・・・締りが無い音と言うか、特にご指定のDADGADチューニングだと明らかにプレーン弦の開放が暴れてしまい、サスティンが少なく、音の立ち上がりが足りない感じです。
赤池様D-28ナット交換前.jpg
 ナット溝の広さをぱっと見て、こんな物といえばこんな物・・・こうじゃないと言えばこうじゃない・・・って感じのナット溝の状態ですね・・・・この写真では判りませんが、明らかに生産時にナット溝の切り方(角度)でミスを犯している溝が一本ありました。それがビビリの要因になってましたので、ナット交換で対応します。

 後は弦高が無茶苦茶高いですから、下げる為にサドルも新規で制作します。
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posted by IRP Products at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ナット・サドル関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする