2006年06月24日

suhrのPU交換と電装系修正

今回は埼玉県HNじょん様から、アメリカ高級コンポーネントギターメーカー「suhr」のフロントPUの交換依頼を頂きましてその作業を行わせて頂いた記事を書きましょうか。

まずはいつものように、到着時の画像からですね。
じょん様suhr到着時3
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
ヘッドはシェクターそのまんまの形状で、バースアイが嫌味の無い程度に入っていて良い感じの見た目ですね〜

じょん様suhe到着時
全景を見るにつけこれ凄い豪華・華美なルックスのギターです。
メイプルトップ・バスウッドバックな仕様ですね。近年有名コンポーネントギターがよく採用する組み合わせですね。

じょん様suhr到着時2
ファンシーウッドファンにはたまらないメイプルトップですね!

今回は、お客様の意見として、「このシングルコイル自体は物凄く好きな音だけど、今やってる楽曲群がハイゲイン系で、ヴィンテージ系の出力のシングルコイルではどうしても粘りが足りない+ハウリングを起こすので交換したい!」との御希望でした。

お預かりした訳ですが、とりあえず私も弾いてみます。
非常に綺麗な爽やかな音のギターですね〜キレが良いと言うか立ち上がりが早いというか。ただハイゲインを狙った場合には、PU交換を御希望される気持ちもわかるなあと言うのが私の第一印象でしょうか。

これぞ良質なシングルコイル!って音なのですが、ちょいハイゲインにしてロングトーンを弾くとサスティンが足りない、ハム的な押し出しがもうちょい欲しい感じです・・・このPU、3Sのストラトに付けてカッティング中心のスタイルだと物凄くハマるんじゃないかな?と。

後、これはバズフェイトンチューニングシステムが入ってるのも特徴ですね。
近年こういったチューニングに革命を起こすような機構がたくさん出てきていますが、それら全てちゃんと日常からメンテナンスして始めて成り立つと言う物だったりします(それはどんなギターでも同じですが)

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2006年06月22日

フェンダー・J・ジャガーのPU・ブリッジ交換完成編

フェンダー・J・ジャガーのPU・ブリッジ交換その2の続きを行って見ましょうか〜

前回はペグの取り付けや配線の引き直しまでやってますんで、残りの作業項目自体は後僅かですね。今回は完成編になります。

さて、早速内容に入りましょうか。
今回お預かりしたジャガーはネックポケットの寸法設定が少しまずく、さらにネック仕込み角度調整の為のシムが挟まっていたりしたのですが、今回ブリッジをチューン・O・マティックへ交換しましたし、仕込み角度の追い込みも兼ねてネックポケットを切削して調整する事にしました。(余談ですが、最近ちょっと物理の勉強をやり直してまして、色々考える所は有るんですよね・・・)

という訳で
F様ジャガーネックポケット作業前
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
作業前の写真なんですが、まあ良く有る感じですね。(ボケボケの写真ですが)フェンダージャパンはUSAの通常モデルに比べたら綺麗なもんですね(笑)

で、色んな方法を使い、角度を精密に割り出し測りながら、トリマーで削り出して、手作業で整えた写真が、
F様ジャガーネックポケット作業後
こんな感じですね。角度に関しては全くわからない写真ですが(笑)
といったような所で、角度を付けてネックヒール側も綺麗に整えて、ピタっと密着する様にしてからネックをジョイントします。

このネックポケットの密着度と音の相互関係に関しては、昔から多くの諸説が有るのですが、多くの楽器の素材は、同じ物が2つと無い天然材ですので、中々相互関係について立証が出来ないのですが(音の理屈としての立証が難しい)、私は「これはこう言う事なんだろうなー」と言う経験から来た確信を持ちながら作業しています。
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2006年06月21日

フェンダー・J・ジャガーのPU・ブリッジ交換その2

フェンダー・J・ジャガーのPU・ブリッジ交換その1の続きの記事を行きましょうか。

さて前回までで、PUキャビティーの拡張とブリッジの取り付けが終わりましたので、次は組み込みですね。
組み込みに関しては、なんだかんだで感覚勝負みたいな所がありますので、ホントに詳細に書くか、もしくは書かないかのどちらかになってしまうのですが・・・本当に記事の内容に関しては毎回苦慮しています(苦笑)

まずは回路から行きましょうか。
F様ジャガー回路作業前
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
作業前の回路はこんな風になってます。フェンダージャパンの物にありがちな感じですね〜まあ深くは追求しません。

F様ジャガー回路作業後
写真がボケボケな上、他のパネルの施工後の写真をなくしました・・・が、上記の配線の様に出来るだけ綺麗に配線する事を心がけます。
今回はオーナーのF様に持ち込んで頂いたWEのヴィンテージ配線材を使用しています。この手の配線材(単線)は微妙な力の掛け具合で折れてしまいやすいので結構気を使います・・・・・パネルを閉めた時にどういう風に線材が中でたわむかよく考えないと、パネルを閉めたと同時に線材が折れたりします。かといって長すぎるのも問題ですしねえ・・・などと考えながら作業してますが。

F様ジャガーPU仮置き
とりあえずボディー側の配線材を仮に引いてPUをキャビティーの中に入れてみました(笑)おお!かっこいいじゃないですか!
因みにフロントがディマジオのPAFPROでリアがスーパーディストーションです。

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2006年06月20日

フェンダー・J・ジャガーのPU・ブリッジ交換その1

最近記事が実際の作業に追い付いていない事甚だしい訳ですが、とりあえず記事の方、書いていくことにしましょうか。

今回は青森県のF様からご依頼いただきましたフェンダー・J・ジャガーのPUとブリッジの交換作業です。
F様ジャガー到着時2
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
F様ジャガー到着時1
到着時の姿はこんな感じなのですが、中々さわやかなボディーカラーで、まさにサーフ!って感じですね。
F様ご自身でもリアピックアップ交換や、ロックタイプのペグへの交換等の作業を行っておられるのですが、いまいちチューニングが安定しないとの事や、ゲインがもっと欲しいとの御希望から、ハイゲイン化・チューニング安定化を図る事になりました。

そんなわけで今回は、ジャガー特有のシングルコイルから、ハムバッカーへ・ジャガーオリジナルブリッジからチューン・O・マティックブリッジへの換装を行います。
という事で、手順としては
@PUの交換(PUキャビティーのザグリを行う)
APGの新造
Bブリッジもゴトー製のギブソンタイプの物へ交換
C配線総引き直し
と言うことは結構な木部加工が必要になりますね〜。
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2006年06月12日

Collingさん再び

以前
Collingsさんシリーズとして、
Collingsをハイランダー搭載にてエレアコ化・ナットサドル交換すると言う一連の作業を記事にしたことがありますが、今回は同じCollingsさんのPU変更の作業です。

オーナー様は歌伴ライブ〜レコーディングと幅広くこの楽器を使っておられるのですが、「ハイランダーの音はどうも自分のプレイスタイル+機材群に合わないかもしれない」と言う意見が出されると共に、常日頃から色々話し合いを持っていたのですが、今回、色々話し合った結果、PU交換に着手する事になりました。

それで今回はどんなPUにするか、色々リサーチした結果、その方の師匠筋関係に当たる、ある著名なアコースティック系ギタリストさんが使っているとの事や、色んな意見を総合した結果、
B-BANDと言うメーカーの
http://www.b-band.com/guitar-systems/ust.php
http://www.b-band.com/guitar-systems/a1.php
リボンピエゾとジャックインプリアンプへの交換を行う事になりました。
これも近年評価がうなぎ登りのシステムなんですが、最大の特徴はピエゾPU自体が非常に薄くリボン状に作られていて、サドルから伝わる弦の振動〜楽器の鳴りを殺さないと言う事に尽きるんではないでしょうか。某メーカーに勤めていた時に、これ以上に薄い、あるリボンピエゾが大ハウリングを起こして苦労した覚えが有るので、正直、リボンピエゾはまたハウったらいやだな・・とか思っていたのですが、これはそんな事が全く無い感じの音で、非常に好感が持てました。音は非常にナチュラル志向ですね。ピエゾにありがちな高域に寄り過ぎた感じはあまり有りません。

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posted by IRP Products at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | エレアコ化関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする