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2013年05月16日

E社ストラトコピーモデルの改修

今回はベーシックなストラトの改修作業をさせて頂きました。

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過去にE社が発売していたストラトで、かなりベーシックなモデルにハードレリックが施されている状態の物でした。オーナーのT様は何年か前に手に入れた物の、殆ど弾かなかったけれど、調整して弾けるようにしたいと言うご要望が有り、作業させて頂きました。

作業としては
@PU交換
Aトーンカット
B回路調整(多少太い音が出る様に)
Cノイズレス加工
Dペグの交換
Eナット交換
Fフレット磨り合わせ
G総調整

そんな所です。これらの作業は一般的に良く有る作業内容です。
この個体は非常に素材が良く出来ており、私個人的には一本買っても良いかもしれないと考えており、時折オークションなどをチェックしております。

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早速分解していきますと、ブリッジ取付穴がささくれ立っていたので、面取りビットで軽くビス穴を面取りしておきます。私の場合、再度組み込む際に塗装が割れたりするのが嫌だったり、諸般の理由からここに限らずビス穴と言うビス穴は基本全て面取りしていきます。

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次にボディー側キャビティーにマスキングを行いキャビティー内部へ導電性塗料を散布し、シールディング作業を行います。

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次は配線周りですね。
このモデルは量産品としては大変美しい配線が施されておりまして、個人的にかなり評価点が高く、良いコンディションを保っておりました。又でデフォルトの状態でセイモアダンカン社のSSL-1が搭載されています。但し今回のオーナーさんは線の細さが気になった様で、ハードロック的な押し出しが強い物へ交換を望まれておりました。

今回オーナーさんがPU等ご支給下さったセイモアダンカン社のSSL-3へフロントリア共に交換し、オリジナルと同じように美しい配線になる様に仕上げます。トーンカットの上、ボリュームポットは問題有りませんでしたので再利用しました。

この後、方法は申し上げられませんが、定数を調整して高域のギラつきを無くし比較的落ち着いたトーンを狙って回路セッティングを仕上げました。ご興味が有る方はメールにてお問い合わせください。

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次にネックですが、フレットが一部浮き上がっていたり、指板サイドから飛び出しており、磨り合わせ研磨調整を行いました。この作業の意義/効果/必要性は過去に何度も記事にしておりますのでお馴染みかと思います。良ければ過去ログもいくつか読んでみて下さい。

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その後ナット交換作業を行います。元々のナットはナット溝が広く弦が暴れやすい状態になっておりましたので、こちらへ入庫後、診断の結果交換する事になりました。今回も5年物のオイル漬け牛骨を使っておりまして、非常に弦の滑りが良い状態となっておりチューニングの安定性に一役買っています。この作業ももうお馴染みですね。

完成するとこんな感じです。
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レリック系のフィニッシュに合わせて、しっとりとした半艶程度の表面処理に仕上げてあります。

その後、ペグをゴトー製ロックペグに交換したのですが、画像を撮り忘れていました。

次にブリッジ等も組み込み、電気系、振動系の調整を終えたら完成です。

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画像上、見た目は最初の状態を変わりませんが、振動系やアンプからの出音等のレスポンスはかなり向上しました。PUの交換による楽器自体の出力アップやノイズレス化、定数調整等も複合的に功を奏しているので、かなりのハイゲイントーンでもノイジーにならず、輪郭もきっちり出せる状態まで持ち込みました。

参考音源的に一番近いなと思ったのはこんな感じですね。

圧縮音源ですので、あくまで近いと言う意味ですが、、

そんな所で今回記事は終了です

T様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命とご愛顧の程お待ち申し上げております。


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2013年05月12日

フェンダージャパン ジャガー改修

今回は最近書いていたジャクソンとは対極にあるプロダクトのギターで、フェンダージャパンのジャガーを改修させて頂きました。

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今回のメニューは以下の通り
@フレットの減りに対しての磨り合わせ
Aチューニングの安定化の為のブリッジ交換
Bナット交換
C電装系殆ど駄目だった為PUも含めてオールリプレス

よく有る作業内容では有りますが、ご紹介させて頂きます。

ジャガー/ジャスマスターに搭載されているフローティングトレモロなんですが、これ、アームタッチ等好きな人は好きですが(マイブラディーバレンタインファンの人とか)、チューニングが安定し難い為、使うのが難しいトレモロでも有ります。

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これにしか出せないタッチニュアンスは確かに有るのですが、なんだかんだ言っても使わない人の方が多いかなと。

マイブラと言えばコレですかね。轟音系ファズギターとか。

私は大好きですが。

どっかの外人さんの試奏動画

そうそう、素だとこんな音って感じ。

このトレモロには実はトレモロロックの機能が付いていて、その機能を使えばユニットを全く動かなくすることも可能です。
今回はチューニングの安定って事で、トレモロの動きを完全にロックしてしまうセッティングに直しました。と言っても、ドライバー一本で出来るので画像等が残ってないのですが。

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このブリッジって、固定式じゃないのはオーナーさんにはお馴染みかもしれませんが、アームの動きに連動してヤジロベーみたいに前後に動くようになっています。またそのブリッジの動きの範疇を超えてブリッジサドル上を弦が滑って行く為、チューニングの中立点が保ちにくく、極めてチューニングが狂いやすい構造となっています。写真が少なくて中々伝わらないかもしれませんが。

サクッと分解した所。オーナーさんの手によってブリッジスタッドの中にティッシュが詰めてあり、ブリッジが動きにくくなるように加工してありました。

今回の依頼ではブリッジをレスポール等に使われるチューン・O・マティックに交換するのが目的ですので、スタッドも慎重に抜いてしまいます。

今回用意したブリッジは後藤ガット製のブリッジでナッシュビルタイプのスタッド有りの物です。
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このブリッジは安価ですがチューニングの安定性が良く、調整幅が広いのも特徴です。
このスタッドは実はジャガーのオリジナルの物にはサイズ上合わないので、スタッド穴を一旦埋め戻して、再度開け直します。
作業の詳しい内容は随分昔の記事になりますが、履歴が有りますので、こちらをご参照ください。
http://repairtech.seesaa.net/article/19345031.html
実の所、今回の分は写真を撮り忘れています。
又、このブリッジを使用する場合、ネックの仕込み角度が足りなくなる場合が多く、弦高とブリッジ部のテンションを稼ぐ必要が有ります。この個体もそれに該当しましたので、ネックポケットの加工し、約1度ネックの仕込み角度を上げました。

その他、ジャガーの場合、某社のテンションバーを増設しているケースも見受けられますが、個人的にはアレを使わずにテンションコントロールをして仕上げる方が、音はジャガーらしさが残ると感じています。今回のご依頼の方向から行くと、テンションバーは付けない方がベターで有ると判断しネック角度を起こしました。

次に電装系も全て引き直し、PU交換もご用命の内でしたので、再利用できない部品は全て手配して交換していきます。
今回で有ればPUセレクタースイッチ及びローカットスイッチ VOポット等ですね。

まずは外部ノイズ対策で生産時から塗られてある導電性塗料が不完全な為、重ね塗りでキャビティーを完全にアースに落とせるように加工します。
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導電性塗料を散布してから、卵ラグをキャビティーにビス止めしアース用配線を這わせます。
このとき使う配線はかなり良質な物某社の物を使用しています。そうしないと又ノイズが出てしまう事も有りますので。

そして電装系をパーツを交換していきます。
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今回は6弦側のプリセットコントロールは使用しない為、ダミー配線状態で信号は送りません。

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今回スイッチ/ポットコンデンサ/ジャックは良質なアメリカ製を使用し、再配線を行いました。
この状態でも電気楽器としては随分状態が回復したかなと思います。

そして今回最もお金が掛っているという面ではPUでしょうか。
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セイモアダンカン社のジャガーシリーズHOTを使用して組み込んでいきます。
ただこのPU、カバー、ヨーク等は標準では付属しない為、オリジナルの物を再利用しました。
音はと言うと、ハイパワー版と言う事も有って、かなり出力高めでからっとした音がポイントです。
コレ結構私個人的には好な音がしまして、自分のストラトのフロントにヨーク無しで使っていたりします。

並行して、ネックですが、フレットがずいぶん減っておりましたのですり合わせを行います。

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本来であれば一部だけでも打ち変えるレベルまで減っているのですが、こればっかりは予算が有りますので、今回は擦り合わせで対応しました。この楽器では次回のフレット消耗時は完全に打ち変えとなります。また、写真は無いですが、ナットはこの後交換しております。

そんな一連の作業を終了させたら組み込んで。。。

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作業終了です。

結構写真を撮ってるようで撮れていない為、伝わり難い所が多くなってしまいました。

S様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命とご愛顧の程お待ち申し上げております。
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2013年05月06日

Jackson guitars of yesteryear

今回も引き続きジャクソン系ギターの電装系改修事例をご紹介します。
ご依頼頂きましたのはアレキシライホっぽいジャクソンランディーローズVモデルでして、恐らく近年生産されたモデルではないかと推察されるのですが、正確な製造年は不明です。
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アレキシライホ本人が使っていたジャクソンは盗まれたとかなんとか。その後ESPとエンドースメント契約をしていているので、何となく最近はジャクソンではなくESPのイメージが強いですが。

今回のご依頼内容で一体何を行うかと言うと、現状のEMGワンハムから、ジャクソンの古いPUでJ-50BCとゲインブーストプリアンプのJE-1000へ電装系一新するという作業でした。

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部品関係はお客様がご手配されたのですが、やはり古い部品は大体色んな所に不具合が生じていたりしますので、それの改修も合わせて行います。

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で、今回取り付けるPUはEMGより一回り大きく、楽器側そのままでは取り付けが不可な為、PUキャビティーの拡張加工が必要です。ジャクソンは専用カバーからエスカッションまで自前で金型を起こしていた訳で、景気が良かったころとは言え、まあほんとに物凄いなと思っちゃいますね。

今回の電装系レイアウトは以下の通り。
1:マスターボリューム
2:マスタートーン(アクティブ回路後段)
3:キルスイッチ
4:ブーストオンオフスイッチ

この辺りからほとんど現物合わせになるのですが、ボディーに直接マスキングテープを張って罫書/位置決めを行います。
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そんな所で、PUキャビティーの拡張作業を行い、各部コントロールの増設穴を開けたら終了です。今回はジャクソンPU専用の拡張治具を製作しました。

その他、キルスイッチをオリジナルの回路に追加と言う依頼も有った為、その加工も済ませます。

キルスイッチ(KILL SWITCH)ってなんですか?という説明も軽く。

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このスイッチはどういう物かと言うと、プッシュボタンを押している間だけ信号を切断してしまう効果が有り、所謂モーメンタリ/プッシュオフと呼ばれるスイッチです。これはあまり楽器屋さんの筋では手に入らない部品ですね。

このスイッチは色んな使い方が有るのですが、一世を風靡した使い方があって、

15年ぐらい前は、この機能のスイッチを付けて欲しいと言う依頼が沢山有った様に記憶しています。
(形状はどうであれ色んなスイッチで対応可能です。今回のはその一例)
この動画の0:01〜0:35秒と3:43〜3:58秒辺り、ギターのトムモレロが一弦側カッタウェイに有るPUセレクター/3WAYトグルスイッチを連射切り替えをしているのですが、このスイッチの場合はセレクターがセンターの時は信号がオフになるように配線されています。その為音を出しながら連続切り替えを行うと、トレモロっぽかったり、DJのスクラッチ効果や、アーム/ワウと絡め喋るギター的な使い方等、色々な使い方ができると言う事で当時一部で大変に流行した気がします。

他にもまだまだ色々使い道があるかもしれませんので、何かギミックっぽい手法をお探しの方は使ってみては?と言った感じの機能です。最近またちょっと流行りの兆しが有るのかな?と思う様なご依頼が続いておりますので、もし宜しければご相談下さい。

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キャビティーに導電性塗料を塗りシールディングを行った後、各部を修復したJE-1000をワイヤリングして行きます。トーンはあくまでアクティブ回路の後段に付くようにオリジナル通り設置。コンデンサ等は新しくオーディオ用途の良質な物に交換してあります。

そしてPUをキャビティーに収めてビス止めし、弦を張って調整したら完成です。

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こんな感じで往年のジャクソンギターの回路を搭載したランディーVの完成です。

このプリアンプのJE-1000は結構根強い人気が有る様で、海外のその手の掲示板巡りをすると、結構熱い情報が出回っていたりします。日本ではオークションなんかでジャンク部品として見かける事が多いですが状態が良い物が少ない感じです。

あ、後キャビティー背面から設定する様になっているプリセットディップスイッチとゲインですが、これは多少手ごわいなあと言う感じがしまして、使うエフェクターやアンプによって随分違ってくるので、その都度裏蓋を開けるのはめんどくさい。そんな感じです。仕掛けとしてはただ単に高域のカットスイッチなんですけどね。ESPが販売しているアレキシライホシグネイチャープリアンプなんかは恐らくこれを下敷きにした物だろうと推測しています。

http://www.espguitars.co.jp/parts/mm-04.html

肝心の音はもうご機嫌なディストーションサウンドが出まして、アンプ類をきっちり調整すれば恐らく良い感じのメタルサウンドが作れるはずです

例によって参考音源はどこかの外人さんですが、確かにこんな感じの音でした。


T様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命とご愛顧の程お待ち申し上げております。
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2013年05月05日

80年代シャーベルの再配線作業

前回に続、同じくJE-1200が搭載されたシャーベルソロイストモデルの電装系改修作業を担当させて頂きました。
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これはお客様が所謂ジャンク品と言う事で素材を入手され、リフレット等をお客様ご自身が行われた個体でした。

そういった作業は出来るのですが、電気系となるともう手がつけられないとの事で、私共で電装系再配線/改修をさせて頂く運びとなった次第です。

元々付いていた回路がこんな感じで、年代を感じさせる佇まいですね。。
IMG_1942.JPG 殆ど駄目になっていると言った状態です。

で、懸案のJE-1200の回路部はこんな感じです。
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この回路、私のBLOGで過去にも取り上げた為、お陰さまで今まで沢山触らせていただく機会が有りました。
生産時期によってでちょっとづつマイナーチェンジしている部分が有ったりして、なかなかメーカーの歴史を感じさせる部分が又個人的には良かったりします。
どこがどう変わってるかって言うと、変更の時期は解りませんが大きな所ではガラスエポキシ基板から、紙フェノール基板に変わったりしてますね。多分アメリカ製と日本製なんて違いもあったりしたんじゃないかと思います。
チェックしてみると、やはりと言うかなんと言うか、製造から何年も経っているので当然の様に調子を崩していました。今回ですとブーストが正しく効かない事と、絶望的に音量が低い事でしょうか。
今回も駄目になっている電解コンデンサ等、基板上の部品を交換しますと、ちゃんと生き返りました。

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これは余談
これはあくまで思った事止まりですが、JE-1200/1000/1500等は時代に埋もれさせるにはちょいと惜しい回路でも有ります。現在お持ちの方で調子を崩している物をお持ちの方のみ対象にサードパーティーとして基板やパーツセットを提供しても良いかなと思ったりしています。と言うのも本家ジャクソン(もうフェンダーですけどね。実生産工場は)ではもう既に生産は行われておりませんし、補修用部品として持っておきたい方もいらっしゃるかと。

但し回路配置利用権等の権利的な事に抵触する事が有ってはマズいですし、あくまでオリジナルの現物をお持ちの方に対してのみお譲りするとか。私の気が向いて且つ時間が有って、基板を起こして〜ってなると相当気が長い話ですが。(実際この回路は件の法規に抵触するのかどうかもこれから調べるぐらいの優先度が低い話)

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次はワイヤリングですね。

前回のソロイストと違う所は、レバースイッチが4回路5接点のいわゆるスーパースイッチが搭載されている点でしょうか。
当然今回もそのまま当時の仕様に倣って新品の物を使用します。
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このスイッチを使う事によって様々なPUコイルレイアウトが可能です。

今回のレイアウトは以下の通り(ストラトに倣う書き方では)
1:フロント位置 フロントPUの直列ハムバッカー
2:フロントセンターハーフトーン位置 フロントPUのネック側が生きるコイルタップ
3:センター位置 フロントPUネック側/リアPUネック側のハーフトーン
4:センターリアハーフトーン位置 リアPUネック側が生きるコイルタップ
5:リア位置 リアPUの直列ハムバッカー

今回はスーパースイッチでなければできない配線ではないのですが、今後の発展性も含めて使用と言った所でしょうか。

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PUも取り付け、きっちり配線しなおします。様々なスペース的な諸事情から、結構込み入った配線になってしまいました。後ノイズ対策で導電性塗料も散布して、裏パネルにも当初貼られていなかった高周波ノイズ対策用アルミシートを張りつけて、蓋をします。

そんな所で電装系は終了。

次は、ブリッジを取り付けて最終調整をしたら完了です。
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ケーラーの80S'物ですね。年代の割に綺麗で、ブリッジサドルのローラーも綺麗に回転しました。
最近になってケーラーブランドは復活したらしいですが、荒井貿易様扱いで輸入されておりますので、もし何かトラブルが有ってもユニットごと交換が今の所で有れば可能です。

http://www.ariaguitars.com/jp/02prod/04kahler/index.html

ルックスは随分違いますが、アーミングタッチ等のフィーリングは殆ど変りません。
但し、こう言った商材はいつ取り扱いが終わるか解りませんが。。。ケーラーブランド自体がどうなるかと言った所でしょうか。
私、個人的にはこのアーミングタッチが結構好きで、このブリッジを使いたいが為に自分用のギターを作ったりしてました。もう手元には無いのがさびしい所。

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そんな感じで最終調整まで終わったら完成です。やっぱりこのプリアンプとこのPUの組み合わせはツボに入るいい音してます。

資料的に挙げると、こんな音。ちょっとわかりにくいかも。。ですが、どっかの外人さんの動画。


K様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命とご愛顧の程お待ち申し上げております。
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2013年05月01日

ジャクソンソロイストJE-1200電気系改修

又前回のブログ記事から時間が空いてしまってますが、今回は掲題通りジャクソンソロイストの電気系改修作業を担当させて頂きましたので、その内容を記事にしたいと思います。

今回作業するのは、ジャクソン社製JE-1200と言うミッドブースト機能付きプリアンプでして、とある資料から内容を紐解いてみますと、650HZを最大60dbブースト可能というプリアンプになります。この製品はファンの方が多いようでして、エレキギター用内蔵プリアンプとしては相当数の販売されたのではないかと想像されます。しかしながら生産から20年以上経っており、基板上の消耗部品が駄目になって調子を崩しているケースが目立ちまして、今回お預かりした楽器の回路もそういった諸般の都合から不調をきたしている状態の物でした。

楽器の全景から
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どうもリフィニッシュされている様ですが、非常にきれいなマジョーラ系パールホワイトで塗られていました。ジャクソン系のギターはこう言うペイントが映えるので、リフィニッシュされる方が多い様に思います。

さて懸案の回路チェックですが、、、
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リフィニッシュの際に再配線されているようですので、それほど問題となる様な所は有りませんでした。
これ、私はメーカに居たので解るのですが、楽器は生産時、「とにかく音が出れば良い」「プレ配線を以下に切らないで手早く配線するか」がポイントになっている為、無茶苦茶雑な配線がなされている可能性が高いです。特にアクティブ回路物は。

話は少し脱線しますが、エレキギターに於いてアクティブ回路が広まらない一つの理由として、「壊れやすい」「調子を崩しやすい」と言う物が有ります。それはプリアンプその物が原因よりも、それを取りまわす周辺配線の粗雑さによるトラブルが挙げられます。ですので、適切に配線処理された物はそんなに壊れる物ではありません。まあとは出音の好みどうこうですが。

次は早速、外した回路をチェックついでに、基板をある種の洗浄液に漬けて洗浄します。
そしたら出るわ出るわ。まっ茶色に変色したフラックスやそれに付着した埃等が物凄い事になっています。
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その後、基板上に乗っかっているICや電解コンデンサのチェックを行い、ヘタっている物は全て交換してしまいます。
今回の例でいきますと、電解コンデンサ総交換となりました。
また、洗い流したフラックスは再度散布しておきます。出来るだけ基板が酸化しないようにしたい所。

そして再度組み付けて完成。
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この回路はポット自体に基板が直取り付けできるような機構なのですが、今回の作業で随分基板側に痛みが見られましたので、基板直付けVOポットから切り離し、キャビティー内に基板を別取り付けする事にしました。こうしておけば、ポットだけの交換も容易に出来ますし、後に再配線の必要に駆られた際も作業が容易です。

こんな感じで作業は終了です。
やっぱり、JE-1200は色んな意味で名作ですね。これはアクティブ嫌いの人でも一回弾いてみると良いかも。です。
現存している物は大抵調子を崩しているようですが、そのまま取り外して捨てられたりするのは勿体ないなーと思いますので、音が出なくて困ってらっしゃる方や、気になる方は一度ご相談頂けると幸いです。

S様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命お待ちしております。
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2013年01月28日

YAMAHA SBVノイズレス加工

今回も掲題通りYAMAHA SBVノイズレス加工作業を担当させていただきました。

このモデル、非常に愛好者の方が多く、変形モデルとしては一つの定番に近い所まで行った珍しいモデルではないかと思っております。
古くは60年代のエレキブーム時代に寺内タケシ氏の為に開発されたそうで、デザインに関しては諸説ありますが、今でも当時のモデルに関して熱心な研究家の方がいらっしゃるモデルですね。
デビュー後、30年間ほど絶版になっていた所、15年ぐらい前にまた寺内タケシ氏の為に完全リファインして発売されたと記憶しております。その流れからバリエーションモデルとして沢山の廉価版モデルなどが発売されるに至り、今回紹介するベースも発売されたようです。その中でも今回手掛けた物は近年製作された物となります。

Y様より承った時点で電装系パーツは全て取り除かれており、新たに組み込み、調整を行うのも今回の作業内容です。

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こんな感じで全くノイズ対策がされていない状態ですね。

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今回はお客様より部品を全てご支給頂きましたのでそれらを使用し組み込んでいきます。

これらのパーツはオールパーツ社やモントルー社など色んなパーツサプライヤーが有りますが、パッキンされているパーツその物ははっきり申し上げまして一緒です。パーツサプライヤーによって変わると言う事は有りません。検品選別はしている可能性は有りますが、あまりそういった話は聞いたこと有りませんね。ですので同じパーツで有れば、安いサプライヤーさんから買うのが一つのコツかもしれません。

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まずはこんな感じでいつもの導電性塗料を塗布し、アースにつながるように加工します。
この導電性塗料ですが、今は様々な製品が出ており、ユーザーさんが手に入れて塗布する事も可能です。ただその場合、必ず塗料自体がアースに落ちる様に施工しなければならない事と、信号が通る端子がキャビティーに触れない様に細心の注意を図って作業する必要が有ります。もしそれらの作業に不備が有った場合、ノイズが増える可能性や、そもピックガードを閉めたと同時に音が出なくなるなんて事もあり得ます。その辺りは基本的には経験と勘と言った様な所で細心の作業をしていきます。

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こんな感じで電装部品を組み込みます。この辺りはパッシブの良さが最大限発揮できるよう、ロスの無い配線を心掛けます。
又ピックガード裏には高周波用アルミシートを貼り込みます。このシート、性能は良いのですが、大変薄く、貼り込み作業が難しいのです。。その内他の部材に変更しようと現在各種部材を試験的に取り寄せていますが、、入手性が良く性能も良いと言った様な良い物に出会えておりません。

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アッセンブリを組み込み、弦を張って調整したら。。。

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無事完成です。ノイズに関してはほぼ無い状態にまで持ち込んでおります。
これは特殊なPUの所為か、これにしか出せない音が有り、大変魅力的な音色でした。
PUレイアウトから想像すると、一見PB系の音がしそうですが、それだけでもないなんとも別のテイストが入った独特の音色です。何よりフロントのプレシジョンPUが大変素晴らしく。。

Y様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命お待ちしております。
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2013年01月27日

グヤトーン社製ビザールギターの改修

今回は掲題通り、K様のグヤトーン社製ビザールギターの改修を担当させて頂きました。
1960年代、エレキブームに乗っかって下駄屋もエレキギターを作ったと言われるそんな時代に生まれたグヤトーンのギターですね。
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日本のビザールギターに関しては詳しい方も沢山おいでですので、モデル考証等、ご存知の方は私に教えて頂きたい位、作業をしていて面白いギターでした

今回のメニューはブリッジの新規取り付け及びペグの交換、電装系のチェックでした。

残念な事に、ブリッジサドルが欠品しており弦が張れない状態でしたので、元の音がどんな音か定かでは有りません。その状態へゴトー社製のチューン・オー・マティックブリッジを取付、ペグもゴトー社製クルーソンタイプに交換と言う依頼でした。

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元の状態はこんな感じですね。

スイッチが沢山付いていて良く解りませんが、各PUのオンオフスイッチ及びローカットトーンスイッチ、プリセットボリュームと通常のボリューム/トーンと言った盛りだくさんな内容となっております。恐らくフェンダージャガー等を意識して作られたんじゃないかなーと言う仕様。またこの時代のギターの多くはピックガードが金属プレスの上にメッキされている様な物が多く見受けられます。50'Sのアメ車みたいで無茶苦茶カッコイイなあと感心してしまいました。

デザイン的には当時の世相や音楽の流行り/生産技術的には家電の生産技術の応用/楽器の理論と言う物が全くない状態で型を起こしたり/木工製品生産技術に関する点など、総合して出来たのがこういった極めてオリジナリティーの強いモデルだと思われます。恐らく当時はフェンダー社製のギターなどそうそう実物を見る事も出来ませんので、レコードジャケットの写真から想像力だけでエレキギターを作っていたと言われています。

それってすごい事だと思いませんか?買えないなら作れば良い/見た事ないけど大体こんなんじゃないかなあ?でプロダクトを起こしてビジネスが始まる辺り、戦後日本の技術者の底力を見た気がします

そんな諸先輩方に敬意を表しながら、使える楽器にする事が今回の作業です。

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トレモロを分解してみました。まあ良くあるビグズビー/モズライトタイプと言った感じの押しバネで作動するタイプですね。きれいに磨いて組み込みます。

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スポンジがもう加水分解されてボロボロでした。

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またPU固定/調整ビス間のゴムチューブも完全に固着して用をなさない状態となっています。

これらはこうもう関するしか有りませんね。
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と言う事で、円錐ばねを用意して交換します。

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次は電装系ですね。作業方針は配線材交換し、きれいに引き直して完了です。
これらのビザールギター等の古いコンデンサは機能している限り極力交換はしないのが私の考え方です。理由は音色が変わると言う事もあるのですが、現在のE系の定数では存在しない数値のコンデンサが使われている事が有り、その存在だけでも大変貴重なのです。ですので、こう言ったギターの場合、私は極力コンデンサは交換しない様にしています。

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次はペグの交換作業です。
元のペグは非常に精度が悪く、ギアもかなり摩耗し、バックラッシュなども起きている状態でしたので、楽器として機能させるには交換は必須の条件でした。

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まずは全てのペグを外し、サビや潤滑油がかなり回ってしまっている元の取付穴を一度ドリル攫い、全て埋め戻します。
元々作業的にはそれほど難しくは有りませんが、元のネック材はかなり柔らかい材種のメイプル?樫の木の様で、怖いぐらいに簡単にビス穴の攫いが出来てしまいました。

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これが今回新調する為に用意したゴトー製のペグになります。
このセット、ちょっと特殊でして、通常ストラト等に使われるペグの場合、取付用ビス穴部分がカットされていて、1本のネジで二つのペグを固定する様になっているのですが、
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(こんな風ですね)
今回、その取り付け方は出来ない為、特別にレスポールジュニア等に使われる取付ビスの穴が切り落とされる前の物で片連セットになった物を用意しました。

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取り付けてみるとこんな感じですね。ペグ穴の間隔に若干のずれが有るようで、一部収まりが悪い部分も有りましたが、耳同士を均等に削って合わせて取り付けてあります。

次はブリッジの取付ですね。
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こんな風にセンター出しと、ネックスケールから割り出したオクターブ位置にブリッジを取り付けます。この辺りはギターの物理的な理屈に則って作業すれば問題ありません。
今回のブリッジはお客様からの指定の品番で、ブリッジアンカーが必要な物でした。
比較的大口径の取付穴をボール盤でボディー面に垂直で開ける必要なあります。

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穴あけ作業後、ブリッジを取り付けたらこの部分の作業は一旦完成

因みにキャビティーが黒いのは既に導電性塗料が塗られている所為ですね。

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その後、各種組み込みを行い、調整し、正常に作動することを確認したら作業完了です。

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完成後、チェックの為に随分弾いてみましたが、結構いい音がするPUが有りました。
この時代のPUを含め、ビザールギターは恐らくもう二度と作る事は出来ません。
こう言ったギターの音色は文化的な価値から行くと結構高いのでは?と常々思っているのですが、残念ながら失われてしまった技術や、もう現物がこの世に存在しない物まで沢山有るのだと思うと大変さびしい限りですが。

オールドギターは何もギブソン/フェンダーだけが文化的価値が有るのではなく、これらの楽器を一番最初に作ったエンジニアや、購入したファーストオーナーの想いや、その時代の臭い、移り変わっていく時代の中で不遇な扱いを受けた歴史など、それらを含めて価値が有るのだと思っています。

ただ、こう言った作業で改修を行うと、上に挙げた様な価値が損なわれると大変お怒りになられる方もおいでかもしれません。ですが楽器はやはり弾いてこそ意味が有るのでは?と言う想いから、複雑な気持ちを抱えながらも作業させて頂いた次第です。

そんな訳で、大変貴重な経験をさせて頂いた訳ですが、作業後の全体写真を撮り損ねているのは大変残念です。

K様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命とご愛顧の程お待ち申し上げております。
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2013年01月12日

フェンダーUSA/PJベースのメンテナンス

今回の記事は掲題通りフェンダーUSAプレシジョンベースのメンテナンスになります。
ご依頼主は私の古い友人でもあり、富山の管楽器工房を経営する高木君からのご依頼でした。

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小ぶりなプレシジョンタイプのボディーにレースセンサーPU/アクティブサーキット、そしてフェンダー刻印入りのブリッジにファインチューナーが付いていたりして、専用設計を思わせますし、中々面白い楽器かと。

特にブリッジは何やらシャーラー製っぽい作りになっているのですが、これが中々良い重量と構造をしています。私このブリッジ、結構好きです。

ただ、このベース、色々調べましたが中々製品詳細が判りません。
Guns N' Rosesのダフがこんな色のベース使ってたなーと言う感じでしょうか。

ボディースタイルはプレシジョンベースですが、リアにジャズべPUが付いていて、ピックガードレスなのも特徴ですね。90年代初頭はこう言うPJスタイルの物がかなり流行っていた様で、各社このPUレイアウトの楽器を発売していました。

私はこのレイアウトに関してはどうしてもPUの位相の問題で、構造的に無理が有ると考えています。

理由の一つがプレシジョン用PUは1/2弦と3/4弦の位相が逆になったハムバッキングなのですが、これを通常のジャズべ用PUと組み合わせてハーフトーンを出した際、必ず1/2弦又は3/4弦がフェイズ(逆位相)してしまいます。

最近ジャズべのPUで1/2弦と3/4弦が別のコイルになっている物も発売されているので、そういう物を使用した上、注意深くセッティングをすれば解決するかと思いますが。。

現状そこまでの追い込みの必要に駆られている方はいらっしゃらない様な。。そんなことが災いしてか、あまりこのレイアウトの物は市販されなくなったように考えています。

但し、これにはこれにしか出せない音色が有るのも事実で、潜在的なユーザーの方は多いんじゃないかと思っています。

まあそんな感じですかね。

後このベースは、亡くなった私の師匠筋に当たる方が一度メンテナンスを担当したのですが、それから10年近く経ち、随分各部の調整が緩くなっていました。

作業内容は以下の通り

@バッテリーボックスの増設
Aトータルのメンテナンス
B配線の引き直し

取り敢えずコントロールキャビティーを開けてみました。
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量産品だし、こんな物と言えばこんな物。駄目と言えば駄目。と言った感じですね。

このプリアンプは2バンドEQでPUバランサー及びマスターボリュームまで一枚の回路基板で構成されていて、尚且つコントロールポットをボディーに取り付ければ自動的に回路基板が固定されると言う、非常に生産工数的にも優れた仕組みになっています。さすがアンプも作っているフェンダーの開発力と言ったところでしょうか。また結構良いポイントを押さえたEQカーブをしています。

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いつも通りゴトー製バッテリーボックスを追加工して増設。

次はコントロールキャビティーのシールディング加工を追加
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元々塗られていた導電性塗料は非常に薄く、又塗り斑がひどかった為に重ね塗りを行いました。
各部の導通をテスターで確認してから、、、

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回路を再組み込みしました。
再組み込みの際、基板から出ている配線等も処理し直し、各ポットやキャビティーとも配線できちんとアースに落として有ります。これでノイズ対策はバッチリ。

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こんなノブですら専用設計ですから、やっぱりフェンダーの開発力は凄い。しかも実に使いやすいのです。
無茶苦茶因みな話ですが、これスタックノブ/2軸2連ポットでして、古いジャズベースなんかに有りましたが、これは下段がEQで上段がVOになってます。
普通に考えたら下段だけセンタークリック付きの2軸2連ポットで、更に抵抗体の定数が上下で別って相当レアですし、これぞ専用設計!って感じです。
何となくですが、ジョン・サー氏が開発したんじゃないかなーとか想像してしまいますね。
因みにエリッククラプトンのミッドブースターはジョン・サー氏が設計したものだった筈。それより前のエリートストラト系のプリアンプは現在BBE社で取締役のポール・ギャゴン氏がフェンダー在籍時代に開発したと何かの資料で読んだ事が有ります。

と言った様な所で各部振動系統をメンテナンス/調整して終了です。

音を出してみて思ったのがやっぱりレースセンサーはベース用でもレースセンサーだなーと思った次第。

後は、各部調整中、色んな点で亡くなった師匠筋の方が調整の際に触った痕跡を見つけ、ちょっと色んな事を思い出したりしました。

高木君、ご依頼ありがとうございました。

彼は冒頭にも有りましたが、管楽器のリペア工房をやってます。
リペアスタジオ高木
もし管楽器の事でお困りの方がいらっしゃれば是非覗いてみて下さい。
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IRPオリジナルローカットエフェクタ製作

引き続き昨年頂いたお仕事の一部をご紹介させて頂きます。
今回はT様と言うお客様から頂いたローカット具合をコントロール出来るエフェクターの製作依頼を頂戴しましたので、オリジナル設計にて製作させて頂きました。

今回のご要望の骨子は以下の通り

@S社のギターに内蔵されているローカットトーンをエフェクトペダルにしたい
Aコントロールノブを右に回すとローカットされていく様に配線
Bパッシブでご希望でしたが、その他機材の外部要因等、諸般の都合から増幅回路を内蔵する事。
また、回路のフロー等、物理的な都合から増幅後にローカットを行う事に。
CLEDは青色で高輝度の物を使用
Dラベルやデザインはオリジナル

そんな内容で製作スタート
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こんなユニバーサル基盤でバッファ増幅部分の実験機を作ってしまいます。
この回路は安定性も高く、原音に対するカラリングも非常に少ない優秀な回路でして、私共の色んな回路のインプットバッファに使われています。
過去に実験販売していたArchetype-Element(楽器内蔵型プリアンプ)の主要回路でも有ります。
こちらは小型な使用パーツの目途が付き次第、再生産しようと計画しています。

まあそんな回路に所謂ローカットフィルター(要素としてはRCの1次フィルター回路)を取り付けて実験を繰り返します。

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とまあこんな感じで部品を取り換えて色々聞き分けて定数を決定していきます。
一次フィルターは簡単な計算でもカットオフ周波数は出せるんですが、繋ぎこむ相手は楽器ですのでコレは音を聞いて、色々な定数の部品を取り変えながら決定した方が早いなーと思います。

ただ、設計の下準備の段階ではスタジオ用機材でアナログ64バンドのグラフィックEQを使って有る程度、カットオフ周波数を決めてあったりするんですけれどね。

そんな感じで完成!
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今回は二台ご注文頂いておりましたので揃った写真を。

T様、ご注文ありがとうございました。
またのご依頼お待ちしております。

あまりきれいな写真が残っていませんでしたが、こんなオリジナルエフェクトも製作可能です。

気になった方はぜひお気軽にご相談を!
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2013年01月06日

最近の楽器内蔵プリアンプに関する時流について

最近はヤフーオークション等でも楽器内蔵型プリアンプが結構な種類出品されているようです。
時折そういった所謂新興ブランドのプリアンプと楽器を持ちこみされるお客様がいらっしゃいますので、触れる機会が結構多く様々な観点で自社製品を見つめ直しフィードバックを行っています。

そんな折に触れ思う事ですが、最近はギターにプリアンプを内蔵する事に抵抗が無い方が微々たる数とは言え増えてきているのかなと思います。

古くはアレンビックやBCリッチがプリアンプ内蔵を始め、サドウスキーがスターズと組んで自社プリアンプの開発をし、マーカスミラーが同社製品使った事で一気に市民権を得たように思います。
但しこれらはすべてベースの世界の話で、ギターは中々内蔵型プリアンプは受け入れられない時代が依然続いています。

EMGに代表されるアクティブPUは構造が特殊が故、ある種の音色を想像され敬遠されたり、楽器その物に電池が入っている事がギタリストの心理的な敬遠を生んでいるような気がします。

私個人が考える楽器内蔵型プリアンプ考は以下の通り

1:PUはあくまでパッシブで有る事
2:プリアンプ入力前にボリュームが有りパッシブの定数である事
3:トーンを取り付ける際はパッシブ定数でプリアンプ入力前に設置する事
4:プリアンプ入力インピーダンスは出来るだけ高く受ける
5:出力インピーダンスは出来うる限り低く送る
6:プリアンプによってトータルの出力位相が反転しない事
7:EQ要素が入る場合必ずフラットポイントを設ける事
8:フラットポイントでバイパス時と音色がほとんど変わらない事

あたり前と言っちゃあたり前なのですが、この辺りが出来ないプリアンプは非常に沢山有ります。
格段解説
1〜3に関して
「パッシブの音色や操作性」と言う物を残す為に、言い換えるとプレーヤーに違和感を与えない為に行う内容です。プレーヤーからのリクエストや「アクティブの音色や操作性」を追求するのであればボリュームとトーンはプリアンプ以降に配置します。

ただ経験上、前段のパッシブ定数の物の方が概ね評判は良いようですが。

4〜5に関して
所謂ハイ受けロー出しという電気回路の鉄則を守る為です。
もしもこれが逆ですと、後段に繋ぐエフェクト等の機器によっては正しい機能が発揮できない可能性が高く、機材のトータルのブロックダイアグラム上、運が悪いと故障を招く事も有ります。
その他の要素に於いてはこの入出力のインピーダンスの数値定数によって、ある種の音色のコントロールが可能です。但し前出の話通り鉄則は守った上ですが。

6に関して。
コレはオーディオ回路の鉄則ですが、単純にミキサーやバンドのオケに信号を突っ込んだ場合、同一帯域がフェイズして打ち消されてしまいます。ですので、トータルの入出力は必ず正位相で処理を行うべきです。

7に関して。
これは、元音が一体どんな音であったかを瞬時に戻せるようにしておかないと、触れば触る程、原音から離れて戻せなくなる事を避ける為です。

8に関して。
フラットポイントで音色の変化が殆どなければ、増幅素子を通ってインピーダンスを変化させている分、1:1のバッファリングを行った事と同義です。この機能を満たしていると、一台で2種類の機能を果たせるようになります。ただ、回路の設計理念上どうしてもそれが出来ない物で有る場合は、7の現象に連動して、バイパススイッチを設ける事は必須とも言えます。

さて、私共のミッドブースターに関しては現在の所、全く店舗販売を行わない事で中間マージン圧縮によるコスト削減を行っているのですが、ペダルエフェクトタイプへのカスタマイズや、今後開発する物に関しては、どこかの楽器店さんとタイアップの上、販売を行う可能性もあります。
そう言った場合でも、基本的には上記の設計理念は守った物を製作します。
しかしながらこれらの内容にプラスしたいご要望等が有れば、柔軟に対応させて頂きますので、引き続き宜しくお願い致します。


本日はここまで
posted by IRP Products at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | プリアンプ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする