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2015年01月08日

ヘッドウェイHD-110エレアコ化加工(フィッシュマンレアアースブレンド改造を含む)

昨日に引き続き出先からBLOG更新

今回はヘッドウェイHD-110エレアコ化加工と言う事で京都府のR様より案件を頂きました。

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古いヘッドウェイと言えば国産マーティンコピーの中では名機とされ、オール単板物で有れば比較的高額で取引されているモデルですね。
近年、その古いモデルの材料が倉庫から出て来た為、小ロットのみ再生産されたんだそうですが、それも既に絶版となっていたかと思います。今回の楽器も細かく見て行くと忠実にマーティンを踏襲し、本当に良く出来ておりまして、音色の方も申し分なく、非常に豊かな音色がする楽器でした。

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今回はこの楽器にフィッシュマンレアアースブレンドと言うPUを搭載し、エンドピンジャック加工と合わせてPUの電源9V化する事となりました。

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電源ユニットはいつも通りこんな感じです。

ここの所、よくこのユニットについてお問い合わせを頂くのですが、先ず開発夜話から始めるのが良いかと思いますので、御一読いただければ幸いです。

このPUは、オリジナル状態では内部回路を駆動させる為に、一般的なボタン電池を2個直列で本体に直接取り付けられているバッテリーホルダーに納める様になっています。所がこのバッテリーホルダーはどうもバッテリーの保持力が弱いようでして、様々な振動からライブ中に電池が外れてしまう等のトラブルが私の周囲で相次いでおりました。それがおよそ8年ほど前の2006年頃でしたでしょうか。(2014年現在では、多少強くなったような気がしなくもないです)

そんな中、古い馴染みの現在はニューヨークに渡ってしまった有るギタリストの楽器にこのPUが載っており、同じ様なトラブルが有った為、なんとかならないかという相談が有り、色々考えたり、ディスカッションした結果出て来た答えが、上記のバッテリーユニットを9Vに変えてしまうという案でした。

これを実行してみますと、第一の改善目的であったバッテリーの脱落と言った煩わしさからは解放される結果となりました。また、この改造により電源が安定しますので、ダイナミックレンジが広がったという評価も初期の頃に沢山頂いたものです。

この他にも副次的に起きた事ですが、バッテリーの持ちも通常と変わらず、特殊と言えば特殊なボタン電池を使用する事を思えば、リハスタやライブハウス界隈ですぐ入手出来る9Vバッテリー化は、ことのほか利便性が良く、エフェクター等と同規格になりますのでバッテリーの使い回し出来ると言った点で沢山のお客さまに高評価して頂いたのも嬉しかった事の一つです。

そんな感じで加工サービスを始めてみると、最近はそれほど頻繁では無くなった物のコンスタントにお引き合いを頂く息の長い商品になったなあ等と思う次第。ご愛顧頂いているお客様には感謝です。

その当時書いた記事がまだ残っておりますのでこちらにリンクを貼っておきます。
http://repairtech.seesaa.net/article/17358936.html

因みに、この改造を行うと当然ながら正規メーカー保証は受けられなくなりますので、その点だけ予めご了承ください。

と言った所で、早速エンドピンジャック加工に入ります。
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このPUはエンドピンジャックと言えばこれって言うぐらいスタンダードなスイッチクラフトの物が標準で付いておりまして、オーナーさんはこれまで、PUの使い回しを行う為に、あくまでエンドピンジャックを楽器からぶら下げて使用されていたとの事。今後この楽器をメインで使用する為に木部加工に踏み切ったというのが今回のお客様のご要望です。

さてこれを楽器に直接取り付けるには、楽器側の木部加工を行わないといけません。
最初から付いているストラップを掛ける為の所謂エンドピンと言うパーツを除去していきます。
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除去してみて解った事ですが、セルバインディングのセンターにエンドピンの穴が来ておりませんので、ここは今回セルの中心に穴が来るように加工し直します。

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まずはドリルビットが逃げないように、簡単に埋め木をします。私共ではこう言った穴の拡張作業の場合は、必ず埋め木をしてから加工を行う様にして事故を起こさない様に細心の注意を払います。また埋め木に円型テンプレートマーキングをして、センターも出し直します。

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そして12φの木工用ドリルビットで穴を開け直したのが上記の写真です。

この後ジャックを取り付けたのですが、その写真だけは撮り忘れてしまいました。とは言う物の所謂エンドピンジャックを正しく取り付けただけですので、そんなに珍しいモノでは有りませんが。

その後PUを改造し電源ケーブルを増設の上、ユニットに接続できるようにして、、、
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加工作業そのものは完成です。
今回バッテリーユニットの取り付け位置は裏板の1弦側手が届く範囲としました。写真では非常に解り難いですが。。

その後、楽器本体のメンテナンスを少々行って完全完了です。

試しに弾いてみましたが、元の楽器の素性が良い為か非常にレスポンスの良い音が今回も出ました。

こんな回路ですがこれからも永くご愛用頂ければ幸いです。

京都府R様
ご依頼ありがとうございました。またのご用命お待ちしております。
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2008年05月21日

ヤマハLLのエレアコ化

ずいぶん前に完了した作業なんですが、今まで全く触れて来なかったので、今回記事にします。以前、2006年8月頃、これに取り付けるプリアンプ製作の記事「アコースティックギター用PUのミキサー回路」を書いたのですが、2年ぶりの更新と言う事ですかね・・・・なんて放置プレイ。。。。プリアンプの記事を書いた時にはもう既に搭載作業も終えていたと言うのに。。。

今回のヤマハのギターのオーナー様は前回プリアンプに引き続きのお客様でもあります。

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(サムネイルをクリックしてください。画像が拡大します)
前出の記事はこれに取り付ける為の専用プリアンプだった訳ですね。今回はこれにマグネットPUとコンタクトPU二個の増設作業を行います。

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早速取り付け始めましょうか。

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生ギターからエレアコに改造する場合、近年ではエンドピンジャックを利用するのが主流ですので今回はそれに習います。昔はフルアコ同様、側板にジャックを取り付けるものが多かったのですが、最近の新品ではあまり見かけなくなりましたね・・・・オベーション位ですか。

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早速オリジナルのエンドピンを抜きます。と思ったら硬いの何の。。こりゃ接着されてるなーと言う確信はあったのですが、試しに軽く金槌で叩いてみたら、ポロっと取れました。。見事に瞬間接着剤ですね。割合、こういう風に瞬間で止めてある物が多いので、別段驚きませんが。

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次はエンドピンジャックの径に穴を拡げます。ただ単にドリルを使って拡げると、周りの塗装などが欠けてしまったりしますので、一旦ドリル刃の暴れ・逃げ(ズレ・ブレ)防止用に一旦埋め木をします。

その後、ボディーに垂直に穴を開けて、エンドピンジャックを取り付ければ完成!

今回はジャックとボディーの間に、ナイロンワッシャとフェルト布を挟んでボディーに傷が付かないように養生する加工をしてみました。

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次はプリアンプの組み込みですね。今回の作業において最大のポイントは「コンタクトピエゾPUの位置の設定」に尽きます。選択肢がほぼ無限大ですからね。

この辺りを上手くお客様の希望の音色とプレイスタイルに着陸させるのが一番難しい訳です。(その点、マグネットPUのみ・アンダーサドルピエゾPUのみの場合はあまり問題にはなりませんが)

今回この設定の為に、かなり色んなプレーヤーさんのビデオやCDを聞いて、音を脳に焼き付けてから作業を開始しました。

楽器を弾きながら、闇雲にPUを貼ったり剥がしたりを繰り返していくのではとても時間が掛かるので、私の場合はこういう物を使います。
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これ、とある店で売っていた聴診器なんですが、ブレーシング剥がれの検査や、コンタクトPUの取り付け位置のおおよその目安が掴めるので重宝してます。最近だとネット通販で安く買えるみたいです。
これを楽器の範疇で使うのは昔から良く有る手法なんだそうですが、私の場合は、20歳頃に肺炎で入院した病院の看護士さんから得たヒントで使う様になりました。

とは言え、PUにも共振周波数などの特性があるので、聴診器もあくまで目安にしかなりません。そもそも聴診器で聞く音はゴム管の中を通った、高域の無い音なのです。本職の医師が使う様な高い聴診器だとまた違うかもしれませんが。(後、ボディーの表と中ではPUが拾う音も当然違う)その辺り脳内で補完しつつ・・・・・

大体コンタクトPUの取り付け位置が概ね決まった辺りで、
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PUやジャックの取り付けはサウンドホールから手を突っ込んで行います。
この作業は太ってしまうと出来なくなってしまうので、普段から体重コントロールもきっちりやらないといけませんね(笑)

今回はPUの取り付け位置と取り付け方に関しては秘密です。かなり良い感じのスイートスポットを見つける事が出来ました。公開しても良いんですが、プレイスタイルや楽器によっても違うので、この辺りは難しい所ですね・・・

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マグネットPUやプリアンプの取り付け位置はこんな大体この辺で、電池ホルダーはこのブロック周辺に取り付けます。サウンドホール脇にダイアル型のVOも取り付けてあります。

あ、エレアコ化作業では最も気を使わなければいけないといっても過言ではない、弦アースプレートの取り付けも行ってあります(写真は有りませんが・・・)

この辺、部品位置の決定基準は、生音の変化が少ない位置に取り付けるのが条件ですね。ただ、どこに取り付けてもそれなりに生音は変わるので、ある種の妥協線をどこかで引かないと駄目でしょう。

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楽器内部の配線纏めには、ホームセンターなどで売られている両面テープ付きの配線フックです。これにフェルトを自分で貼ったものを愛用しています。

これを側板の適度な所に貼って配線をジャックやPUまで這わせてあげる訳ですね。私の場合は原則としてトップ材やバック材には貼りません。必ず側板だけで綺麗に纏まるように仕上げます。

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全ての部品を取り付け終わった後・・・各PUのゲイン調整とミックス具合、出力調整を行って・・・完成です!今回はコンタクトPUの割合が意外に多い感じになりました。

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6弦の音量感が強く感じたられた場合は、PUを少しブリッジ側に下げてみて下さい。(PUが斜めになる感じで)

なんだかんだでPUのバランスを取るのに大変苦労した訳ですが、完成してみると、感慨深い物がありますね。

肝心の音はというと、アンダーサドルピエゾ物の楽器と比べると木の風合いが音にフィードバックされて、生音に近いふくよかさが有るのを如実に感じられます。

アンダーサドルピエゾ物に関しては、爛々と輝くようなエッジ感が素晴らしかったり、そこがアコギらしかったり、逆にライン臭かったりローが無かったり・・・毀誉褒貶、様々な意見があるPUシステムが多いのですが、今回構築した機構はそういう点を全て解決出来るシステムと言えます。

あえて駄目な点を上げるとするならば、各弦の音量バランス及び各弦の解像度はアンダーサドルピエゾに比べて自由度が低いと感じました。(それがあえて「生っぽい」と評価される所以かもしれませんが)

とは言え、実際かなり良い音に仕上がってまして、オーナー様からもその生っぽい辺りや、タップ音などに関して喜んで頂けました。

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こんなプリアンプのワンオフも承っておりますので、興味を持たれた方はご連絡頂ければ幸いです。

本日はここまで!

関連記事
「アコースティックギター用PUのミキサー回路」
posted by IRP Products at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | エレアコ化関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月27日

アコースティックギター用PUのミキサー回路

夏の暑さもひと段落着いたようですが、台風が来ると気圧が下がって妙に辛い今日この頃です。

ここ数日、前にも記事で書いたアコースティックギター用プリアンプの製作をやっていました。
製作その物の記事は有りませんが、紹介だけしようかなって事で、今回の記事になります。

 話の発端は、「アコースティックギターをエレアコにしたいんだけどどうしたら良いでしょう?」的なご相談を頂きまして、その打ち合わせ等細かい事をやっていたのですが、その際に、数種類のPUを混ぜてアウトプットできたら良いのに〜等々のお話が有りました。

 その結果、こちらも色々考えてみた所、ご相談頂いたお客様は、押尾コータローフォロアーな感じの方なので、それだったら奏法的な事も考え合わせたらコンタクトPUとマグネットPUを混ぜるなんてのも良いですよね〜と言うご提案をさせて頂いた所、そのままの案が採用になりました。
 
 ただ、パッシブの物同士を単に混ぜるのは各PUによる音量バランスの問題や・・数種類出力の後、外部ミキサーで混ぜると言うのは利便性に多少問題が有ったりしますので、今回は楽器内蔵用アクティブミキサーを製作して、楽器内部で混ぜてから出力すると言う方式を取る事に。

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posted by IRP Products at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | エレアコ化関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月12日

Collingさん再び

以前
Collingsさんシリーズとして、
Collingsをハイランダー搭載にてエレアコ化・ナットサドル交換すると言う一連の作業を記事にしたことがありますが、今回は同じCollingsさんのPU変更の作業です。

オーナー様は歌伴ライブ〜レコーディングと幅広くこの楽器を使っておられるのですが、「ハイランダーの音はどうも自分のプレイスタイル+機材群に合わないかもしれない」と言う意見が出されると共に、常日頃から色々話し合いを持っていたのですが、今回、色々話し合った結果、PU交換に着手する事になりました。

それで今回はどんなPUにするか、色々リサーチした結果、その方の師匠筋関係に当たる、ある著名なアコースティック系ギタリストさんが使っているとの事や、色んな意見を総合した結果、
B-BANDと言うメーカーの
http://www.b-band.com/guitar-systems/ust.php
http://www.b-band.com/guitar-systems/a1.php
リボンピエゾとジャックインプリアンプへの交換を行う事になりました。
これも近年評価がうなぎ登りのシステムなんですが、最大の特徴はピエゾPU自体が非常に薄くリボン状に作られていて、サドルから伝わる弦の振動〜楽器の鳴りを殺さないと言う事に尽きるんではないでしょうか。某メーカーに勤めていた時に、これ以上に薄い、あるリボンピエゾが大ハウリングを起こして苦労した覚えが有るので、正直、リボンピエゾはまたハウったらいやだな・・とか思っていたのですが、これはそんな事が全く無い感じの音で、非常に好感が持てました。音は非常にナチュラル志向ですね。ピエゾにありがちな高域に寄り過ぎた感じはあまり有りません。

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posted by IRP Products at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | エレアコ化関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月11日

Collingsさんhighlander搭載編

Collingsさん!いらっしゃい〜の続きですね〜

うーん今日も更新できそうだ(笑)さて行きましょうか!

前回、ハイランダー搭載の為のブリッジ溝のR加工まで終わらせましたね。

次はいよいよハイランダーの取り付けなんですが、
ハイランダーIP-1
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大します)
今回は本当に危険な作業内容が含まれています・・書く事さえ躊躇ったのですが・・・
実は前回のサドル溝のルーティングに関しても書くべきでは無かったかな?とさえ
ちょっと思って居たりします。

と言う訳で実作業写真を少なめにして、何とか文章で構成して行きましょうか。

まずハイランダーと言うプリアンプはエンドピンジャック一体型になっていて、
取り付けビスまでもが本体に付けられていると言うのは前回書いた通りです。
非常に合理的では有るんですが、そのせいで取り付けにはかなり手間が掛かります。

さてエンドピンと一体型っちゅう事は元のエンドピンを外す必要が有る訳です。
アコースティックギターの多くは木材やプラスティックで木栓のような形状をしていまして、
アコギ・エンドピン
(コレは該当のギターの物では有りませんが・・概ねこういった形のものが殆どでしょうね)
ボディーに開いた穴に単にささっている物から、接着されている物まで様々です。
因みにマーティンの場合は新規販売時は装着されずに付属されてます。

で、ですね、抜こうと試みた訳です・・・・・・
コリングスはマーティンタイプだから接着されて無いんじゃないかな〜と思ったんですが、
思いっきり接着されてました(苦笑)前オーナーさんの趣味でしょうか?

こう言う場合は、しょうがないので破壊するしかありません。
コリングス・エンドピン切削
お尻にマスキングをして、のこぎりを入れてエンドピンを切削してしまいましょう。
もったいないなあ・・・・かなりいいエボニーが使われていましたが・・
粉末や破片は何かの修理の時の為に取って置きましょうか(貧乏性とか言うな笑)

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posted by IRP Products at 18:21| Comment(0) | TrackBack(0) | エレアコ化関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする