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2005年05月19日

The Smashing Pumpkins

 たまには私が好きな音楽の話でもしましょうか。

 有るコピーバンドをやってる方から楽器を修理で預かった事をきっかけに色々思う所が有りまして。
(すいません今回は超長いです。しかも趣味に偏って書いてますので苦手な方は読まないほうが・・)

 私が好きな音楽(と言っても種類も量も結構多岐に渡りますが)の中で、90年代初期〜2000年位の物の中で最も良く聞いたであろうバンドが有ります。

 それが表題のThe Smashing Pumpkinsなんですが、
スマパン
左からVO/G:ビリー・コーガン G:ジェームス・イハ B:ダーシー Dr:ジミ−・チェンバレンの4人で構成された、(最初は)ある種普通な感じの人達でした。

 メンバーそれぞれ魅力がある人達なのですが、
ビリーコーガン
最終的にはVO/G:ビリー・コーガンのワンマンバンドに等しくなって行きます。

「潰れたカボチャ達」
バンド名の由来はビリーが夢で見た神のお告げから引用された物だとか。
その後、「あれは大いなる神の悪戯だった」と語ってましたが。
 このビリーが女々しくてネガティブの権化みたいなアイディンティティの持ち主で、救い難いのですがそこがまた良いのです。

 そう言えば過去にどこぞの雑誌で「虚無の王」とか呼ばれてましたが、
そういった話が出てくる遠因の一つに、非常に複雑な家庭に生まれ育ったと言う事が有るそうで、14歳の頃に継母に精神科送りにされたり、可愛がっていた弟が知的障害を持っていたり、事故で亡くなったり(後にコレが題材の曲が出来る)、親戚間をたらい回しにされたり・・・等と、家庭自体が少年ビリーにとって到底受容しきれない程の問題を抱えていた様です。
 
 この頃、世代別の社会問題を表現するのに使われた言葉で「ジェネレーションX」と言う世代を指すの言葉がマスコミで頻出していましたが、その言葉に括られた社会問題の多くが、ビリーの家庭にも縮図として影を落としていたと言った感じでしょうか。
(この辺の事は楽曲と相当な関連性が無い限り、本人は語りたがりません)

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 さて、一応ココは楽器を扱うBLOGですので、ある種楽器の演奏能力と言った部分にも少し触れたいと思ったのですが、実の所、このバンドは演奏の部分で書く事は殆ど有りません。と言うのも、演奏テクニック云々のバンドではなく、非常にシンプルな演奏フォーマットで構築されたバンドなんですね。
 演奏面で強いて言えばドラムはジャズ畑出身と言う事で、こう言うロックバンドには珍しい程テクニカル且つ手数が多く、リズムもギリギリでかわして行く感じがとてもカッコが良かったりします。
ジミーチェンバレン
この人も後に紆余曲折が有るのですが、その時々物凄いドラムを叩いてます。ある意味では引っ張りダコな人ですね〜

 他のメンバーの「演奏能力」その物についてはまあアレですが、このバンドはとにかく音がでかい!ギターウォールと呼ばれる鉄壁の爆音ギターと、ジェームス・イハが多用するノイズギミックがカッコいいといった点が特徴でしょうか。

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 さて、このあたりからCDリリース時期と、時代背景について個人的な主観を混ぜながら書いていきましょうか。

 初めて聞いたのは中学生の頃、深夜の音楽番組で取り上げられてまして(折りしもカートコバーンの自殺によるニルヴァーナ消滅の直後)。

 そこで流れたライブ映像の(だったと思うんですが)「TODAY」と言う曲に度肝を抜かれまして、体に電気が走るとはあの事だったのではないかと。まさに「電気的啓示」でした。その後、色々なバンドや音楽で衝撃に近い物がありましたが、この時の衝撃程鮮明に覚えている物は殆ど有りません。

 で、それからと言うもの、このバンドのCDを買い漁る事になります。

ギッシュ
「Gish」 デビューアルバム1991年発売。

 これ荒削りで、当時のグランジムーブメントの中では頭一個抜けて出た完成度のアルバムだったのですが、
「ニルヴァーナやパールジャムと比べて・・が少ない・・云々・・・」ってな感じで、発売当初セールスは振るわなかった上、音楽プレスに文字通り「袋叩き」にされてしまいます・・・確かにCDだけ聞くと、所謂パンク的な破壊力やインパクトと言う点では一歩劣っているのも事実ではありますが・・・・

 その代わり、この頃はライブパフォーマンスが物凄く、ライブバンドの側面がかなり強かった様で、アレンジ自体がライブ叩き上げ仕様といった荒削りな部分が多く含まれています。特に顕著なのが、ドラムのブチギレっぷりや、「IamOne」で客を煽る為に作ったとしか思えないブレイク〜立ち上がりは、楽曲のアレンジ自体がライブ叩き上げなんだな〜と感じさせる何かが有ったり。

 因みにこのあたりのライブ映像はブートも含めて数本ライブビデオが出てますので、ご覧になるのも宜しいかと
(2006年8月追記)
 YOUTUBEが台頭して来た影響で、それらの映像が簡単に目にすることが出来るようになりました。(スゲー時代になったよなあ・・しかし)
(追記終了)

 あ、後外せないポイントとして、このアルバムの時点で既にストリングスを多用する手法が「Day Dream」使われている点などは特筆に価するかと。個人的には特に2コーラス目のオブリでチェロが入ってくるタイミングは今聞いても鳥肌が立ちます・・・

これらの手法は後年の楽曲でも多用されていく事になります。

 と言った様な所からか、セカンドアルバムリリース以降にかなりの再評価を受ける事になります。

 因みに、この頃、日本ではどれ位の扱いだったかを証明する出来事として、日本のSPファンの間ではよく知られる話で、
「Gish」リリース直後のジャパンツアーは客の入りが散々な結果だったそうです。

 と言うのも、当時グランジブームが吹き荒れて、結構色んなバンドがジャパンツアーを行っており、どのバンドも知名度に応じて「それなりの箱」に「それなりの客数」も入ったそうなんですが、SPが来日時はほぼ同時に運悪く?異常な人気を博していたニルヴァーナがジャパンツアーを行っており、そっちに客が流れてしまったのが原因とか・・・・・
 しかしその時のライブのブチギレっぷりは、その後の語り草になる程の出来で、相当凄かった+えらい事になっていたそうです。

 これらの事に関して、後の雑誌インタビューでVOのビリー・コーガンが語った所によると

「あの頃はどこに行っても先にカートが来ていた。正直ムカついたよ」

だそうですが、この二人、割りと犬猿の仲でと言われていまして、その理由の一つに過去、カートに彼女を取られた事があるんですね。
 
 そのビリーの元彼女と言うのが、今でも音楽誌のゴシップ欄常連のこの人、
コートニー
ロック史上、他に類を見ない程の野心家兼ビッチで有名なコートニー・ラブだったりします。

カート&コートニー
(左からカート・コバーン コートニー・ラブ)
 紆余曲折の後、カートとコートニーは92年に結婚し、フランシス(この名前の由来がまたアレなんですよね・・・)と言う女の子をもうけましたが、この二人、ドラッグ、飲酒、自傷などの悪癖が抜けず、結婚生活は殆ど破綻していた様で、後の1994年に猟銃で頭を打ち抜いて自殺と言うショッキングな形でカートに先立たれます。(この辺はまた別の機会と言う事で)

 ・・・・元々素行がかなり悪かったコートニーですが、カートが死んだ後、それをネタに随分名前を良くも悪くも売りました・・・・(半分は自分で勝ち取った物である事は確かですが)
 映画に女優として出演したり、色んなミュージシャンと浮名を流したり、ドラッグや器物破損で逮捕されたり。ご存知無い方は検索なさってください。好き嫌いの評価がハッキリ分かれます。

そんな彼女、忘れられがちでしたが、実は「HOLE」と言うグランジバンドをやってまして、3枚ほどアルバムを残していたりします。
そのHOLEが98年にリリースした事実上のラストアルバムで、
セレブリティースキン
「Celebrity Skin」98年発売
なぜかビリーが数曲共作(提供)し、傑作アルバムをリリースする事になります。(ここまで結構貶し気味にコートニーの事を書いてますが、このアルバムはビリーは関係なく本当に傑作だと思っています)

 90年代初頭に別れて以来、お互い完全に和解した訳でもなさそうですが、当時のインタビュー記事を邪推するに、再会?のきっかけは先にコートニーが擦り寄って来て、ビリーもその時は満更でも無かった節があるようです。ところがコートニのキチ●イっぷりにやっぱりと言うか、匙を投げてしまった様で、この頃、音楽誌のインタビューで、ビリーがひたすらコートニーに悪態をついてました。
(因みに、このアルバムジャケットの左端に写ってるメリッサはこの後パンプキンズに入る事になります)

まあそんなこんなでカートが自殺する直前の93年に
サイアミードリーム
2st 「Siamese dream」をリリースします。
このアルバムはリリース直後から物凄い売り上げを見せ、
最終的に400万枚を売り上げた事により、一躍トップアーティストに祭り上げられます。
そして、ニルヴァーナ消滅に際して、94年のレディングフェスティバルのヘッドライナーや
各種フェスでニルヴァーナの代演を見事にやってのけます。
その頃悲壮な想いを抱えていたニルヴァーナファンも納得するようなライブを見せる事によって、
結果的にこのセールスを得たという因果関係が有ったと言えるでしょう。
何よりも作品としての質が素晴らしくこのアルバムの凄い所は捨て曲が無い!に尽きますが。

前出の私が衝撃を受けた「TODAY」もこのアルバムに入っています。
この曲は後にドラゴンアッシュのなんかの曲にサンプリングで使われてましたね。
轟音ギターだけではなくストリングアレンジが秀逸な「DISARM」(邦題「武装解除」)や
アレンジが物凄く壮大かつ緻密な曲が多く、聞き所満載です。

この頃93年〜94年のライブ映像を収めた作品がリリースされます。
Vieuphoria
「Vieuphoria」94年リリース(日本未発売)
日本ではなぜか未発売ですが、このライブ音源だけを収録したCDなんかが出ているようです。
内容はと言うと、いい感じにブチギレたライブ映像満載でインタビューや日本でのTVライブなど、
ちょっとした小ネタ映像が入っているので、楽しめる事請け合いです。
インタビューは字幕無し(輸入版しか無いので)なので辛い所では有りますが、
この時期のライブ映像が見たい方はぜひ!

所がアルバム制作中からビリーが自己完結型の鬱を本格発症させたたような、
制作中に解散寸前まで行った位色々な葛藤が有ったみたいですから。
さらにこの急激なビックセールスに対してビリーが極度に鬱を進行させてしまったような。
あまりに一気に売れすぎて精神のバランスが〜云々と言い出すわけですな。

因みに、日本盤の帯についている売り文句は「先生、私達ヘンな夢ばかり見るんです」でと言う物で、
かなりこの文句が好きでした。当時この文句を見てこのCDを手に取った方も多かった様ですね。

そんなこんなで、比較的明るいロックチューンな曲が聞けるのもこのアルバムまでです。
後、このアルバムのリリース前後にビリーは結婚します。

次のアルバムのレコーディング中に繋ぎとして、
パイシーズ
「Pisces Iscariot」94年発売(日本盤は97年発売)が発売されます。

これはシングルB面曲やアウトテイクが入った所謂企画盤なのですが、かなり良く出来てまして、
ビリーの駄目メンタルっぷりが良く出てて、個人的には「Gish」より好きだったりします。
企画盤とは言え、フルアルバム程の楽曲クオリティーで、物凄く完成度が高く、
ある意味バンドのキャリア全てを通して、最もバランスが取れているアルバムかもしれません。
あ、後このアルバムに入っている「HELLO KITTY KAT」という曲の歌メロなんですが、
HOLEの例のアルバムで使い回されています。(曲名はあえて書きませんが)
あれってビリーがワザとやったんだろうな・・・・アレンジとキーは違うけど・・・・
基本のメロがどう聞いても同じだし・・・それかビリーが手癖で作ったかどっちかだな(笑)

そんな自己完結鬱男が次に作ったアルバムが95年にリリースされた
メロンコリー
3st 「Mellon Collie and the infinite sadness」(邦題「メロンコリーそして終りのない悲しみ」)
で、全世界で1千万枚を売り上げます。

このアルバムは基本的に美しいアレンジの曲とメタリックな楽曲の2種類をごちゃ混ぜにした
「DownToDusk」「TwilightToStarlight」の2枚で構成された
2枚組み28曲140分と言う壮大なヴォリュームのアルバムでした。
一聴すると「何だ前のアルバムの方が良いのに」と思うのですが、一度聞き始めると
2枚140分全部聞かないと気が収まらなくなると言う麻薬にも似たアルバムでして。
聞けば聞く程引き込まれる魅力を備えています。
非常に個人的な悲しみの軌跡がこのアルバムには込められている気がしてなりません。

そう言えばアルバムが出た当時、ちょっと私個人にも色々有りまして、
「DownToDusk」1曲目のピアノインストの「Mellon Collie and the infinite sadness」から
始まる「tonight,tonight」でのサビのくだりまで聞くと今でも涙腺が緩みます。
その後2枚目の「TwilightToStarlight」「1979」でもう一度涙腺が緩み、
ラストの「ferwell and goodnight」で眠ると言う生活をしていた記憶が・・・

このアルバムのリリースも一筋縄でいかなかった様で、リリース時にレコード会社が
セールス面を考慮して「2枚組みはいかん。1枚ずつ出せ!」と言ったとか・・・
それに対してビリーは強行に2枚組みとしてリリースした結果、ビッグセールスに繋がります。
と言うか、これはどちらが欠けても成立しないアルバムですから!これ!

そしてその年から行われたワールドツアー序盤は大成功を収めます。
来日してライブを行ったとどろきアリーナでのライブは、
アコースティックとエレクトリック・セットの二部構成、約3時間に及ぶものになり物凄かったそうです。
(ひじょーに見たかった。見れなかった事が悔やまれて悔やまれて・・・・)
因みにこの時の音源はブート盤屋に行けば手に入れることが出来ます。

その頃アルバムカラーの一環なのかヴィジュアルが・・・・
スマパン2
何だかゴシックな方へ傾倒していたようです。
そしてこの後・・・・


ビリーコーガン
「1979」のヴィデオクリップから、なぜかビリーが頭を丸めます。
離婚とか母親の死とか色々有った様ですが、今一つはっきりした理由は無いようです。

私がコレを見た時、「こいつ出家でもしたのか?」と思いましたが、
仏教徒ではない様なので、それはまあ無い筈ですよね。きっといろいろ有るんでしょう。
レコーディング中に大量の宗教書を読んだと言う事は何かで語ってましたが。
その頃のインタビュー記事でこのことに触れられのをひじょーに嫌がってました。
この後、自己完結鬱の内面世界へより執着していく事になります。

この辺りからバンドが少しずつおかしくなって暗雲が立ち込め始めます。
96年、アイルランド・ダブリンで行われたライブの際、客席での激しいモッシュにより
17歳の少女が圧死すると言う悲劇的な事故が起こります。

同年、ツアーサポートKeyのジョナサン・メルヴォイン(正直この人の事は良く判りません)が
ツアー中にNYのホテルでドラッグのオーヴァードーズにより死亡してしまい、
この時いっしょに居た、Drのジミ−・チェンバレンもドラッグ所持により逮捕されてしまう事態に。

その後、裁判を待たずビリーはジミーに対しバンドの解雇と言う苦渋の決断を下します。

「バンドの精神安定を図るには一緒にやって行けるものでは無い、だから別れるしかない」
「もう長い事ジミーにはドラッグの問題が付きまとっていた。いい機会だからクリーンになって欲しい」

的な事をインタビューでしきりに語っていました。

そんな訳で、3ピース編成になったバンドは
スマパン3
こんな感じです。

この頃、Gのジェームス・イハのソロアルバムがリリースされます。
レットイットカムダウン
98年リリース「Let It Come Down」
このアルバムは非常に聞き易いのですが、正直歌に辛い物があります(苦笑)
良い曲も多いんですけれど。
所でこのジェームス・イハ、実は日系3世で日本名を井葉吉伸 (いは よしのぶ)と言います。
残念ながら、日本語は話せないようですが。
この人、各方面に色々人脈が有り、「アナスイ」のモデルを務めたり、
解散後ですが、服のブランド「Vapor/ヴェイパー」を立ち上げたり、スタジオを経営したり、
日本の「CHARA」の楽曲をプロデュースしたりして結構な人気があったりします。
最近では「つじあやの」へ楽曲提供するといった話も聞こえてきました。
「A・Perfect・Circle」と言うバンドにも参加してましたね。これも活動休止してしまいましたが。

所で、全然関係無い話なのですが、この間、昼間に何の気なしにテレビ画面に目をやると
パッと見た感じ、イハそっくりな人がテレビドラマに出ていて、本人か?と目が点になりました。
RIKIYA
(問題が有ったらこの画像は削除します)
そのそっくりな人って言うのが「RIKIYA」と言う俳優さんです。
窪塚洋介「狂気の桜」なんかにもメインキャストで出ていたそうですが、はっきりと覚えてません。
(一応見た覚えは有るんですけど、内容がちょっと・・・・・な映画でしたね)
他にはモデルをやっていたりその筋では有名な人だそうです。
一応RIKIYAオフィシャルサイトはここです。
http://lucky-ricky.net/top.htm
フジテレビの昼間のドラマに出ているみたいですね。
その出ているドラマのリンクも一応張っておきましょうか
危険な関係
http://www.tokai-tv.com/kikenna/

何の話かは続けて見て無いので良く知りませんが、
ストーリを軽く読んだ感じ相当アレな感じの役みたいです。

さて話をスマパンに戻しましょうか。そんな中、3ピース体制で次のアルバム制作にとりかかり、
アドア
98年に4st 「Adore」がリリースされます。

このアルバムがリリースされた時、個人的に相当生活が逼迫してたり精神が参ってる頃でしたが、
発売2日前に馴染みのレコード店でこっそり売ってもらった事を今思い出しました。
前評判通り、轟音ギターは殆ど無く、非常にゆったりしたアルバムで聞いてる内に
気持ちが安らいでゆくのが判ったのをよく覚えています。
当時不安でどうしようも無い生活をしていましたが、7曲目の「Crestfallen」を聞いて
心のささくれが取れた思いがしました。
その後、かなりヘビーローテーションで聞きましたが、一切飽きる事無く、
今でも車で高速道路を走る時などは必ずと言って良いほど聞くアルバムです。
滅茶苦茶暗いアルバムですが、私は彼らの傑作のひとつだと思っています。

しかし、色んな意味でこれがスマッシングパンプキンズの息の根を止めるアルバムになる事は
この時点では想像すらしていませんでした。

アルバムの内容はと言うと、
以前のバンドの轟音部分をそぎ落とし、メロディーとアレンジだけで曲を構築し
ドラムが居ない分、リズムマシーンを使うと言う非常にスタジオライクな作りになってまして、
バンドセッションで練られた楽曲は殆ど有りません。
このアルバムのテーマは「愛」と言う事で制作されたのですが、
制作にはイハとダーシーは余り(というか殆ど)関わっていないとの事。
作曲・アレンジ・演奏の全部を殆どビリー一人でやってしまった。と言う話も有る位ですから。

そう言う訳で、インタビューでイハもダーシーも制作中のアルバムについて聞かれると
「リハもあんまりやってないし制作過程が最後どう繋がるのか良くわからん」
みたいな事を漏らしています。
ダーシーについては元々レコーディングでは殆ど弾いていないと言う話も有るくらいですから・・・
別に参加出来ない事に強い不満が有った訳でも無いそうです。

そんな訳で自己完結鬱男ことビリーが、その心情世界を深く掘り下げて行く過程を
全ての面に於いてコントロールしながら制作したアルバムがこの「Adore」だった訳です。

ここまでのアルバムやビリーの楽曲は
「幼い日のイノセンスの喪失と対峙する大人の自分」
と言うのが大枠のテーマとして掲げられていたのですが、
このアルバムでは「喪失」に対して決着をつけ、
「こんな自分でもいいじゃないか、それを受け入れるのも自分だ」
みたいな結論をこのアルバムを通してやって見せた事になります。

さて、ここからがバンドの崩壊に繋がる話になってきますが、
「轟音スタイルを期待されていたバンドが、轟音の殆ど入っていないスタイルで個人の内面
世界の吐露といった方面のアルバムをリリースした場合、得てしてセールスに恵まれない」
と言う法則に、このバンドもきっちり完璧なほど嵌ってしまい、
セールス的に失敗してしまいます。(特にアメリカでは相当酷評された)
それに、「メロンコリー〜」の後続アルバムと言う事で、かなり期待されていましたし。
と言うか、このアルバムは作品の質としても駄目な人は全く受け付けない「何か」があります。
一通り聞いて、気持ち悪い!と抜かした奴も居ました(苦笑)
因みにヨーロッパと日本ではまずまずの売り上げ枚数だったようですが。

母国のプレスに再度袋叩きに遭ってしまった訳ですが、(母国で受けないと言うのも辛いでしょう)
「メロンコリー〜」で自分のアイデンティティーが受け入れられた!と思っていたビリーが、
「Adore」でそれを表現尽くした上、受けるつもりでリリースしたら
まるで掌を反したかのように、完膚無きまでに酷評されてしまった訳です。
これはネガティブ思考の人間にとって、かなりきつい事だったと言えるでしょう。
大げさに言えば、存在や人格を否定されたような気になったのでは?
これを契機として更にビリーはヘソを曲げてしまいます。
(と言うか、存在を否定される事すら無いアーティストより全然良いと思うのですが)
そんな訳でアルバムの鬱屈具合も、作った人の屈折具合もここで頂点を極めます。

一応このアルバムのツアーもつつがなく行われましたが、
ビリー本人はレコード会社や既存メディアの何もかもが嫌になってしまったらしく、
レコード会社やメディアを攻撃する機会が増えていきます。
で、このツアーが終わった頃、ビリーはバンドの解散を望むようになる始末。

特にヴァージンレコードとの確執は根が深かったようで、
後に「あんな連中にはもう儲けさせてやんね〜」的な事をわめきながら
ネットで楽曲をばら撒くと言う暴挙に出ます。

後、ブリトニースピアーズなどのアイドル勢や、メディア等ににかなりの攻撃を加えたりしてました。
ごく簡単に書くと、
「アドアが受け入れられなかった以上やれることなんて何もない」
「なんでゴミと同じ市場で勝負して勝った・負けたとか、とやかく言われなきゃなんねーんだ?」

とかそんな感じであちこち攻撃しまくっていた所、批判された方も黙ってる訳は無く
泥仕合に近い舌戦が色んな媒体で飛び交うハメに。
私ですら「そりゃあ、あんたちょっと言いすぎだろ?」と思ってましたが。

しかしながら、このままでは終われん!
もう一度だけ「あの頃」と同じ様な気持ちにならないと前には進めない!
と言ったかどうかは判りませんが、それらしい事を言いながらアルバムの制作を始めます。
次のアルバム〜ツアーは解散する事を前提とした、ラストアルバム〜ラストツアーにしよう・・・
それで今まで支えてくれたファンの所へ行って挨拶代わりに歌おう・・と決心したそうです。

この頃、解雇されていたDrのジミ−・チェンバレンをバンドに復帰させ万全の状態で
レコーディングに臨む事になります。
ジミーも戻り、原点回帰!ってな感じで制作されたのが
マシーナ
2000年リリースの5st 「MACHINA/the machines of God」 このアルバムです。

残念な事にこのレコーディング後、アルバムのリリースを待たずにBaのダーシーがバンドを離脱。
ダーシー
女優に転身します・・・が、ドラッグ絡みで逮捕されてしまいました。
その後あまり活動しているような話は聞こえてきませんが・・・今どうしているんでしょうか?

さて、このアルバムですが、あんまり原点回帰してません。
どちらかと言うと轟音とリズムだけが戻ってきて楽曲のベーシックな感じは「Adore」に近いような・・
とりあえず私はこのアルバムの1曲目の「The Everlasting Gaze」を聴いた瞬間
血が逆流するんじゃないか?って程、気持ちが昂ぶったのを良く覚えています。
それまで最も大好きだった「Adore」に轟音ギターが被さってる様に感じたからですが。
内容も去る所ながら躁と鬱が交互にやって来るような曲順が組まれてあり、
途中からどんどん音楽に輝くが無くなって行く所など、(本当に力が尽きていく感じなんです)
このバンドの終焉としては最もふさわしいラストアルバム然とした物である事は確かです。
世間的に評価は低いですが私はかなり好きです。このアルバム。

その頃、ネット界隈では既に解散の情報が不確かながら流れて始めていました。
まだ、あまり本気とは受取られて居ませんでしたが。
そんな中、ラジオ番組の中で突然ビリーが解散宣言をします。掻い摘むと・・・
「前から決めてた。今年いっぱいでバンド辞める!もう闘いに疲れた・・・解散だ!・・・」

そして最後のワールドツアーへ・・・・

この時のラストツアーに際して抜けたダーシーの代りにBaが加入します。
それがコートニ・ラブ率いる「HOLE」に居たメリッサ・アウフ・ダー・マウア
メリッサ
その人だった訳です。
この人、苦労人と言うか流浪人でして、ここまで来るのに結構な紆余曲折が有ったそうです。
このアルバムが出た頃、HOLEは既に開店休業状態でしたし、
「パンプキンズが解散するんだけど1年だけ手伝ってくれないか?」
とビリーに言われ、あっさりHOLEを抜けてしまいます。
メリッサの弁によると
「ビリーは私をHOLEから解き放ってくれた!(以下略)」
(HOLEで一体何があったんだ・・メリッサ・・)

因みにこのメリッサと言う人はこの頃、
デイブ
元ニルヴァーナのDrで現Foo FightersのVo/Gのデイヴ・グロールとつきあっていたそうですが、
あのコートニーがこれだけの人をよく暴れずに穏便に放出したなあ・・・と思ったもんです。
メリッサはその後デイヴとも別れてしまいますが。

そんな訳でラストツアーのラインナップはこんな感じになっています
スマパン4

そんなこんなでラストジャパンツアー。
もちろん見に行きましたよ。ええ。
開場前から泣きそうになってる女の子や野郎共が列をなしている中
やっぱり私もしょっぱなから涙腺が緩みそうになってました。
丁度後ろに並んでた女の子がポツリと一言

「やっぱり最後はダーシーが居るラインナップで見たかった」


と言ってました。それには私も同感だったのですが、
いざライブが始まると、そんな感慨など何もなく、ただ音の洪水に圧倒されてしまった訳で・・
メリッサだろうがダーシーだろうが良い物は良い!と思えるベストなライブを見せてくれました。
というか、もうね、ヤバいっすよ。反則ですわ。あの選曲は!ってな感じです。
途中何度か涙で前が見えない・・みたいな状況になって・・・
アンコール前のMCで
「僕らはスマッシング・パンプキンズ。最高の10年をありがとう。つぎの10年はつまらなくなるね。」
と言いって始めた、アコギによる「1979」でライブを締めくくります。
このライブの帰りに泣いている女の子や野郎などをたくさん見かけました。

この辺のライブビデオとか音源なんかもブート屋に行けば手に入りますが、
ちょっとどうかな?と言う画質の物が多いようです。

その後、ラストツアー真っ最中の9月頃にネット上にラストアルバムが公開されます。

6thアルバム「Machina II -the friends & enemies of modern music-」発表。

アナログ盤4枚組で25セットの製作。これはバンドと親しい友人達だけに配ったものですが、
ビリーの希望により、レコード会社を介さずネットで無料にてダウンロード可能にし、
「欲しい人は幾らでもダウンロードしてくれ!」と言う粋な計らいでした。
これがスマッシングパンプキンズからのファンへの最後のプレゼントだった訳です。
因みに今でもこの音源はビリーのファンサイトからダウンロードする事が出来ますが、
http://www.billy-corgan.com/
少しと言うか、かなり重いです。他にも動画などがあります。
アルバムの内容的にはアウトテイク物やアレンジ違いの物が多い為
少し食い足りないな〜と言う気がしないでもないですが。
正真正銘のラストとは言えど、製作を途中で打ち切った物を纏めただけでしょう。

その年(2000年)の12月2日シカゴの「メトロ」と言うスマッシングパンプキンズが
初めてライブを行ったクラブに還って行ったライブを最後にバンドは解散しました。
この模様はここで読むことが出来ます。
http://www.barks.jp/feature/?id=52215679
http://www.barks.jp/feature/?id=52216054

その時入場者にバンドが一番最初にここでやった時のライブ音源が配布されましたが、
この音源も上記のビリーのファンサイトからダウンロードできます。

その後のメンバーの事はあまり書く気にはなれませんが、
ビリーの迷走っぷりやヘタレっぷりは筆舌に尽くしがたいものがあります。
ニューオーダーにギタリストとしてサポート参加してみたり(まあコレは良いですが)
「ZWAN」と言うバンドを結成しといて、鬱から一転躁になったような音楽をやりながら
「パンプキンズのような一体感が得られなかった」と言って勝手に解散したり。(これはどうなの?)
イハへパンプキンズの再結成を持ちかけたらあっさり断られたり。
(ジミーは再結成を承諾したそうですよ)
それで結局はソロになってしまいました。最近アルバムが出ましたし、もうすぐ来日します。
で、どんな音楽をやってるのかと言うと・・・・
コレが新曲のPV
何かこう・・ドロっとした物がまとわり付いてますね〜
少なくとも映像の感じはパンプキンズの最終期の頃に戻りました。
2006年8月追記
上記リンク先は再結成スマパンの公式HPに再構築される様で、現在ファイルは残って居ないようです。
肝心のソロツアーはと言うと・・・色んな所で結構酷評されていますねー
個人的にはテクノだったりエレクトロニカだったりする物は好きなので、
これはこれで・・とは思ったのですが・・

2006年8月追記その2
再結成が公表された物のメンバーはまだ決まって居ないようで、
ジミーとビリーが現在メンバーを探しているようです。
今のところメリッサも参加しないようですしなんともいえませんが・・
早く決まって、アルバムがリリースされる事を望んでいます。

2006年8月追記その3
ビリーが今再び?(三度目?)コートニーラブとロサンゼルスの邸宅において、
仲良く一緒に暮らしているそうですが・・・そうですか・・・・・
これが意味する事とは一体・・・・
因みにカートコーバーンの娘のフランシスとは建物は別だそうですよ。


色々このバンドについて思っていた事を纏めてみたいなあと言う想いから書いてみましたが
一番音楽を聴いていた時期にリアルタイムでこのバンドが存在してくれて本当に良かったと。
誰かにとってのレッド・ツェッペリンやビートルズ・ストーンズの体験と同じ様に、
私はこの「Smashing Pumpkins」をリアルタイムで体験できた事を誇りに思っています。

最後にビリーがラストライブで残した言葉を借りると・・・
「神よ、Smashing Pumpkinsを安らかに眠らせたまえ」


本日の結論
しかしえらい長い記事を書いたもんだ・・・・・

ビリーコーガン公式サイト
http://www.billycorgan.com/

ザ・ジミーチェンバレン・コンプレックス公式サイト
http://www.jimmychamberlincomplex.com/

メリッサ・アウフ・ダー・マウア公式サイト
http://www.aufdermaur.com/

ビリーコーガンファンサイト
http://www.billy-corgan.com/

ジミーチェンバレンファンサイト
http://www.chamberlin.ne.jp/

歴代のプロモーション用写真などはここ
http://www.my-mistake.net/infinitepics/
動画はいくつかここで見ることが出来ます。
http://rspaa.niluje.net/data/Video/
ギタータブはここに有ります。
http://www.spfc.org/music/gtab.html


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この記事へのコメント
いつも記事が更新されるのを楽しみにのぞいています。スマッシングパンプキンズは聞いたことないですね〜。早速レンタルCD屋に行って借りてきます。ごたくにもれずニルヴァーナはよく聞きました。ニルヴァーナと拮抗したバンドがいたとは知りませんでした、勉強になります。こんな感じの音楽的マニアックな話超面白いです!!次回を楽しみにしています。
Posted by 赤池大介 at 2005年05月19日 22:32
赤池さん
書き込みありがとうございます!楽しみにして頂いてるとは光栄です!

たまには音楽のことを書こうかと思いまして(笑)

このバンド、ニルヴァーナとはベクトルが全然違う方向へ行っちゃってますが、
90年代の最重要バンドの一つだと思っています。
ぜひ一度聞いてみてください!

それではまたよろしくお願いします!
Posted by 無心 at 2005年05月20日 12:22
はじめまして、風邪で臥せっている間に、何となくスマパンの記事を検索しているうち、こちらに辿り着きました。
スマパンは、リアルタイムで大好きだったバンドで、何度か見に行きましたが、当時、出産や子育てなどで、だんだん音楽と疎遠になってしまい、切れ切れにアルバムのリリースや、消息などの話題を聞くだけでした。
ファーストアルバムを聞いたときの衝撃は、本当に忘れられません。私はニルヴァーナよりもはるかに好きだったので、某音楽雑誌の名盤ランキングで、スマパンの方がランクが下なのが、どうしても納得行かなかったのを未だに覚えています(笑)それなのに、いつの間にか解散してしまい、ずっと気になっていましたが、こちらで、詳しい事情を知る事ができ、嬉しく思います。
ラストのアルバムだけ持っていないので、さっそく購入するつもりです。
大変興味深いお話をありがとうございました。長年気になっていた事が、解消いたしました^^

Posted by カヲリ at 2005年06月10日 08:43
カヲリさん
初めまして、書き込みありがとうございました。
ここの記事を書いている無心といいます。
この記事がお役に立ったとの事、私としましてもウレシイ限りです。

当時、私もニルヴァーナより好きでしたが、いつも格下扱いされているのは憤りを感じでいました(笑)
なんにせよ、どのアルバムを聞いてもいろんな意味でかなりの衝撃がありますよね。
それと、もうすぐビリーがソロで来日すると言う事で、今から楽しみにしています。

それでは体調の方、お大事になさってください。
またよろしくお願い致します。

(後、ちょっと加筆してみました)
Posted by 無心 at 2005年06月10日 21:57
はじめまして。僕は最近スマッシングパンプキンズのファンになって、色々曲を聴くようになりました。ちょっと思ったんですが、ス−ジって曲を、サイアミーズドリ−ムの一曲目におけば結構いい感じになってたんじゃないかと思ってるんですが、どう思いますか?ビリーも入れるかどうか迷ったそうですが・
Posted by ぴち男 at 2006年02月21日 22:19
ぴち男さん
初めまして、書き込みありがとうございます。

ここからは個人的な考えです。
スージーは確かにいい曲ですが、アレンジ等未完成過ぎた(これ以上触りたくなかった)為に、サイアミーズドリームの比較的明るいエレクトリック色の強いロックチューンの曲の並びのどこに入れてしまっても、リスナーの多くは佳曲扱いしてしまったのではないかな?と思えてなりません。

ビリー自身も、この曲(スージー)だけは自分だけの物にしてしまいたかった・・と発言するくらいですから、やはりその点を危惧していた気がしないでもありません。

また、当時のシーンの状況では1曲目はもっとも激しいロックチューンを持ってくるのが常でしたから、サイアミーズドリームについては、結果的にあの時に存在した曲の並びとしては、もっともベストな物の一つだったと考えています。

長くなってしまいましたが、またよろしくお願いいたします〜

PS、書き込んで頂いた記事がずれてましたので、こちらに移動しました。
Posted by 楽器無常@管理人 at 2006年02月21日 22:41
こんにちわ。スマパンが復活するかも、とゆー事で凄く楽しみにしているのですが、サウンドはどんな感じになるとお考えですか?僕はアドアはともかく、マシーナやビリーのソロアルバムのような電子系ロックサウンドがちょっと馴染めず、少し不安です。そもそも、虚無的な考えを改めつつあるビリーが、スマパンで何をしようとするつもりなのか見当もつきません。希望に溢れた考えで轟音サウンドが表現できるのでしょうか?ズワンみたいになったりしないでしょうか?
Posted by ぴち男 at 2006年02月25日 17:15
ぴち男さん
書き込みありがとうございます。

以下は私個人の考えです。
スマパン再結成!と言うプレスリリースが出た訳ですが、実際の所はどうなんでしょうか・・・

スマパンにおけるパブリックでファンが望む再結成の形は
「オリジナルメンバーでなければ!」
と言う想いが大多数を占めていると考えられます。

しかし、ビリーの解散後のメンバーに対する言動や様々な条件を考え合わせ省みた場合、
イハが参加する確率は低そうです(ビリーは解散後、自身のHPでイハをDISった事があります)
ダーシーは戻ってくるのかもしれませんが、これもやはりジミーとの確執がありますし・・・
オリジナルメンバーでの再結成はほぼ絶望的な状態と言って良いと感じています。

ではなぜ、今回ビリーが再結成しようと思ったのか・・そこが問題になる訳です。
ZWAN〜ソロの変遷を見て感じた事ですが、ビリーの根底の音楽性(メロの感じなど)は
それほど変化していないように思えるのです。(双方全く違う方向性の楽曲群ですが)
アレンジは大幅に違いますが、両方無理をしてる感が出て痛々しい雰囲気すら出ています。

ベーシックなロックバンドのフォーマットで底抜けに明るい部分が「ZWAN」
最先端なテクノロジーを使った上で底抜けにダークな物が「ソロワーク」

どちらも精神的にラジカルに行き過ぎた為に、ビリー自身の軌道修正を図ろうとして、
ビリーの最もコアな部分であろうスマパンの再結成を計画した・・・
月並みですが、私にはそういう風に思えて仕方がありません。

具体的にどう言った音になるのかと言うのは、音源が出ない事にはなんともいえませんが、
(あくまで)個人的な予測としては、

マシーナ〜の延長線上にある音楽性で、歌詞等のメッセージ性が少し温和な物になるのかな?

と言ったような気がしますが・・・・

マシーナ〜その物が原点回帰を目指して出来たアルバムな事は周知の通りです。
スマパンとしてビリーがもう一度、どこから始めれば良いのか?と言う想いに至ったとしたら、
やはりマシーナ〜なのではないかな?と。
とはいえ、スマパンのライブはCD以上にロック色の強い物ですから、
音源よりもライブを見て判断した方が良いかも知れませんね

因みに、ぴち男さんが書かれている事についてなのですが、
マシーナ〜は実は意外にも電子音(シンセ)があまり入っていません。
一部、キメの部分でシンセが使われている曲も有りますが、アドア程では有りませんし、
通常のロックバンドがレコーディングで使うのと同程度でと言った所でしょうか。
電子音やノイズっぽく聞こえる物も殆どがギターをエフェクトで加工した音で、
レコーディング技術により、切り貼りされている節が多々見受けられます。

と言ったような所が、私の考えでしょうか。

それではまた宜しくお願いいたします。
Posted by 楽器無常@管理人 at 2006年02月27日 12:22
こんにちわ。disarmなんですけど、歌詞がいまいちわかりにくいです・・特に 僕の中の殺人者は君の中の殺人者 と和訳されてるんですが、意訳するとどんな意味になるとおもわれますか??
Posted by ぴち男 at 2006年02月28日 18:20
ぴち男さん
書き込みありがとう御座います。
Disarmと言う曲に関しては、スマパン至上最も美しい名ラインが入った楽曲の一つですね。
かく言う私も、何か一曲を上げろと言われればこれを選択するかもしれない位好きな曲です。

さて、私も何度か「Disarm」の意味について考えた事があるのですが、
ぴち男さんがお感じになられた様に、基本的に邦盤ライナーの和訳では意味がつながりません。
そう言った意味では、アルバム全体的なメッセージを総じて読み取る必要が有ると考えられます。
(以下はやはり私個人の考えのよる記述です)

「サイアミードリームス」のトータルなコンセプトについて、記事では触れていませんでしたが、

「自分の中のイノセントとの対峙・それらから乖離して行く自分」

と言う事について極端にロック的な方向性で表現した物だったそうです。
(本質はどうあれ、後のインタビュー記事などに頻繁に書かれていましたね)

そのコンセプトや、ビリーの生い立ち等、育った環境の事なんかをあわせて読み解くと・・・
生い立ちや環境により、無理に大人の振る舞いを強要させられた少年時代のビリーの中に有った、

「大人になりたくない願望」

といった様な複雑な感情が、ずっとビリーの心の中に暗い影を落としていて、
イノセントなもう一人の自分の存在を作り上げていったのでは無いかと思えるのです。


次に「Disarm」全てを意訳するには私では恐れ多いので、(英語力も足りてませんし・・苦笑)
「僕の中の殺人者〜」のラインの前後にだけ焦点をあわせて記述してみます。

イノセンスからの乖離した(させられた)後に残ったもう一人の自分に共通する物がある。
それは何か?
「押し殺した(させられた)感情」
「僕の中の衝動(本音)は、もう一人のイノセントな僕の中の衝動でもある」
「僕に何らかの衝動が有るならば、イノセントな筈の僕の中にもその衝動がある」
「その2人の「僕」は常に相互関係が成り立っている」
と言う事の言い換え表現的な気がしなくもありません。
それらを、ある種極端な意味合いと言い回しで表現したと考えるのが妥当でしょうか・・・
(ビリー特有の毒のある言い方を選択したのかもしれませんね)

そういう部分でこのラインを前後の歌詞からのニュアンスとあわせて意訳すると、
(本質からかなり逸脱してしまいますが)
「君が望んだ事は僕が望んだ事でもある」「君の選択が僕の選択でもある」
「君が殺せと言うならば、それは僕の意思でもあるのであろう」
「どちらが本当の君であり僕であるかが曖昧だ」
「(イノセントな)君を捨てる時が来たのかもしれない」
「体面と言う武装を解除したイノセントな「君」の寂しさは「僕」にしか理解できない」

正しいとは言いがたいですが、こう言った様な所が私の「Disarm」の捕らえ方だったりしています

それではまた宜しくお願い致します。
Posted by 楽器無常@管理人 at 2006年03月03日 08:42
こんばんわ。disarmの意訳、とても参考になりました。今スマッシングパンプキンズで調べてたら、56番目位に disarmという曲について という題目でdisarmの意訳を載せておられる方がいましたよ。そちらの方の解釈もなかなか興味深いので、読んでみたらいかがでしょうか。
Posted by ぴち男 at 2006年03月03日 23:17
ぴち男さん
書き込みありがとう御座います。お返事が遅くなってしまいました・・

さて、書き込んで頂いた内容の、disarmの意訳を載せておられる方のページがどれに該当するのかちょっと図りかねております。
もし宜しければそのページをお知らせいただけないでしょうか

それではよろしくお願いいたします。
Posted by 楽器無常@管理人 at 2006年03月16日 17:02
こんばんわ、ぴち男です。disarmの意訳は 6ページ目の56番目に、スマッシングパンプキンズのdisarmという曲について の題名でのってますよ。ヤフーサイトからで、ちなみに管理人さんは29ぺージの289番目です。ちょいちょいずれたりしてますが・・
Posted by ぴち男 at 2006年03月18日 00:36
はじめまして、よしおです。時々拝見させていただいてます。この記事の最後の方のリンク集にはお世話になりました。

それはそうと、スマパンついに再結成だそうですね。なんでもすでにアルバム製作に取り掛かってるだとか。イハとダーシィ抜きみたいですが…一体どんな
雰囲気に仕上がるのか楽しみです。

それではまた、覗きに来ます。
Posted by よしお at 2006年04月28日 01:37
よしおさん
初めまして!書き込みありがとう御座います。

ここの記事がお役に立ったとのことで嬉しく思います。
さてスマパン再結成についてですが、賛否両論がありますね〜
単純にファンとしては嬉しい事なのですが、私個人のスタンスとしては、今後リリースされるアルバムに「従来のスマパンの音」見たいな物を求めるのは少し酷な気がしてしまいます・・・
と言うのもサイアミドリーム以降の過去のアルバム全てにおいて、音楽的コンセプトがかぶっているアルバムは一枚たりとも無い訳ですから・・・今後出るであろう新生スマパンのアルバムはまた少しこれまでとは違う物になるのではないのかな?と言う気がしています。出れば出たで賛否両論が巻き起こるのでしょうけど・・・
私個人としてはどんなアルバムがリリースされたとしても、今後もビリーの「やりたいことの本質」を見守りたいという気持ちが私にはあったりします。
そう意味では今からアルバムは凄く楽しみですね〜

それでは今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 楽器無常@管理人 at 2006年05月03日 14:24
初めまして!!
はぁ〜、楽しかった!
とても楽しく(?)読ませて頂きました。
僕もすっごい好きで、同じ様な気持ちでリアルタイムで体験しました。
今でも、まだまだ聴いてます。なんでか色褪せないんですよねぇ〜。
Posted by kazuboomm at 2006年08月22日 17:30
kazuboommさん
初めまして。書き込みありがとう御座います。

kazuboommさんもきっと私と同年代の方だと思うのですが、リアルタイムで通過して来たものって、いつまでも色褪せる事が無くて良いですよね〜。

特に、このバンドの場合、ファンの方がとても多く(また皆さんとってもDEEPで)、同年代の方との話しているととても懐かしく、楽しいひと時を過ごせる事が多いのも特徴でしょうか。

そういった意味でも未だに大好きで、私もよく聞いております。
Posted by 楽器無常@管理人 at 2006年08月22日 19:49
大好きなバンドで、今でもレディングフェスのvtrをみています。
ここまで思い入れのあるバンドは他にありません。
大阪に来たとき夜行バスに乗って九州から逢いに行きました。
そのときはまだスマパンの本当の凄さを分かっていなくて、前半戦ドレス姿のダーシーに見とれていました。笑
僕の人生にスマッシングパンプキンズはかかせない存在です。
Posted by at 2011年01月29日 01:24
ビリーはギター半端ないですよ
たまに「これってオルタナ系のギタボのやる事か?」ってなります

全員上手いです。ベースはテキトー臭い事あるけど。
まあ技術はどうでもいいんですけどね。それより曲が素晴らしい!
Posted by 睾丸 at 2011年02月11日 14:19
atさん
初めまして、この記事を書きました楽器/製作修理研究工房IRPPRODUCTS代表でございます。
お返事に大変お時間がかかってしまいすいませんでした。

私にとってもこのバンドは人生の音楽体験の中で大変大きな割合いを占めております。
今もってこのバンド以上に回数を聞き込み/映像を見て/音を研究したバンドは有りません。
恐らく、人生の幾つかのレイヤーに今後も多大に影響が有り続けるのでしょう。

さて、この記事はもう既に随分古い時期の物になってしまい、zwan止まりですので、いつかは何らかの形で大幅に更新したい所ですが、なんとなく再結成パンプキンズに対して煮え切らない思いが有るので書くのが躊躇われてるのですけれど。。

それはそうと、私も来日時(ダーシー在籍時)のライブは大阪で見ておりますので、恐らくakさんと同じ日のライブを見たのではないかと思うのですが。。。

睾丸さん
上記の方に同じくはじめまして、書き込みありがとう御座います。

ビリーやイハのプレイその物はシンプルで有りながら、ギターウォールと評された轟音をコントロールするテックニック等、驚くべき点が多々あるかと思います。
(ジミーはもはや別格な気がしますが)

ギターで葉特に特筆すべき点はビリーのリズム感でしょうね。
歌のリズムに寄り添う様なギタープレイとは違う趣が有りますので。ある種低評価されてしまっているギタリストの一人でしょう。

どんなに、何を言ったとしても、結局の所、睾丸さんがおっしゃる通り、バンドがアウトプットしてきた音楽が素晴らしかったから。私たちは惹きつけられるのでしょうね。

Posted by 楽器無常改めIRPPRODUCTS代表 at 2011年02月12日 00:32
こんにちは。
20年越しでGishをiTunesに入れようとして、ジャケ画像を探すうちにこちらにたどり着きました。
愛のあるよい記事ですねー。
わたし、とどろきアリーナ観たクチです!

コメントさせていただいた動機は、Viewphoriaに関してです。
あれ、当時VHSで日本版出てましたよ。以前持ってました。
字幕ももちろんばっちり。
ジミーがヘンテコな精神療法(?)受けてたりするやつですよね。
邦題は「スマッシング・パンプキンズ」というセルフタイトル
だったはずです。
いまAmazonで調べて見たところ出てきませんが…。

今さらの余計なツッコミ失礼しました^^。
Posted by かとう(ドラム) at 2011年05月03日 21:30
かとう(ドラム)さん、初めまして、楽器/製作修理研究工房IRPPRODUCTS代表でございます。書き込みありがとうございました。

>愛のあるよい記事ですねー。
ありがとうございます!SPはもう私にとって亡霊の様な切っても切り離せないバンドです。
どんなに新しいMP3プレーヤーを買おうが新しいSPのプレイリストが出来上がるばっかりで。。
YOUTUBEなんかも気がつくとSPばかり見てますし、大変困ったものです。他に良い音楽も有るのですが。。。。

Posted by IRPPRODUCTS代表 at 2011年05月20日 16:43
初めまして、スマパンを、検索してる時にサイトに辿りつきました。
とても愛のある記事ですね。
私もスマパンの事は、良く知っていると思っていましたが、世の中上には、上の方がいるのだなぁと、感心しました。
犬の散歩をしながら読んでいたのですが、気がつけば、その場に立ち止まり散歩そっちのけで没頭していて、自分でもビックリしました!!!
私も、スマパンが大好きです。
あの轟音は、やみつきになります。
私もギターを弾くのですが、どんなにがんばってもビリーや、イハの様なプレイ&サウンドが、出せませんね!
まさに神の領域だと思います。
記事を読んで今日は気持ちよく眠れそうです。
どうもありがとうございました!
Posted by ドスイギー at 2012年09月03日 23:48
ドイスギーさん
書き込みありがとうございます
この記事は本当にSP好きの方が沢山ご覧下さって大変うれしくも有り恐縮でも有ります。
再結成以降の事も記事に起こす事を考えておりますので、またいつか読んで頂ければ嬉しいです。

因みに私もあの轟音にやられた口ですが、あの音を出したいなんて機材を弄っているうちに、ギターを作ったり修理したりするようになるのですから、全く人生って解らない物ですね。

随分な時間をかけて追及して分かった事は、おっしゃる通り、アレは神の領域の音量と歪でした。

それではまたお目に掛れれば。。と思います
Posted by IRPPRODUCTS代表 at 2012年09月08日 11:25
IRPPRODUCTS代表さんっ、はじめまして☆

わたしもリアルタイムでスマパン聴いてました〜っ♪
CDは全部持ってたし、adoreの頃にライブも行って
自分の中でも特別なバンドです☆

みなさんコメントで書かれていますが
ほんとに愛を感じる素晴らしいブログですネっ♡((*>▽<*))

わたしのつたない記憶だと、たしか。。。
『Tonight, Tonight』か
『Mellon Collie And The Infinite Sadness』あたりの曲が
ビリーに息子が誕生して
その気持ちを込めて書いた曲だ
。。。みたいなエピソードだった気がしたのですが
web検索しててもそぅいぅ記事にヒットせず
あれ〜わたしの妄想〜!?(笑)*
。。。などと想っていたのですが
IRPPRODUCTS代表さんのブログで
ビリーの結婚のことが書いてあったので
あ、やっぱりあってるかも〜!?
なんて想ったりしながら
楽しく読ませていただきました〜っ☆


わたしにとっても
『Tonight, Tonight』
『Mellon Collie And The Infinite Sadness』
この2曲は特別な曲なのです。。。☆


それにしても〜〜っ
HOLEもイハのソロも買って聴いてたので
ほんっと懐かしいです〜っ*ウフフ〜*

素晴らしいブログ
ありがとうございますっ!!
ありがとうございますっ!!
ありがとうございますっ!!


心よりの愛と感謝と光をこめて。。。☆
Posted by ☆vitarosa-hy☆ at 2013年05月14日 16:05
☆vitarosa-hy☆さん
初めまして。ご返信が遅くなりすいません。
ここにコメントを下さる方や、時折楽器の修理仕事に際し、お客様からこの記事の事が話題に上がると、たまに照れてしまう様なお褒めを頂く事が有ります。

それはやっぱりSPと言うバンドが「あの時代」を過ごした方々にとって、とても特別で大切だった事を思い出すきっかけになったんじゃないか?と感じています。

「あの時代」の延長線上に私たちは生きていて、死ぬんじゃないかと言われていたビリーも生きていて、形は変われどSPは続いていて、まだまだ終わっていない旅の途上ではありますが、立ち止まって「あの頃はこんなだったね」と振り返る事が出来る、(当時のつたない走り書きの文章ですが)いわば触発性のある記事を残せた事は私にとっても一つの財産であるようにも思っています。

そう言えばビリーって結婚〜離婚していましたが、確かに子供がいたと記憶しています。メロンコリー時代のインタビューで語っていた事が有りまして、私も読んだような記憶が有ります。

又、子供がいるリビングで1979か何かを弾き語っている動画をYOUTUBEで見たような記憶が有るのですが、どうも削除されてしまったようです。それが実子だったのかどうかは定かではありませんでしたが、極めてリラックスしたホームビデオっぽい映像だったかと。。

どちらにせよ、ビリーの事ですから、実子なら尚更ですが、裏テーマで子供に対しての歌は恐らく沢山作っているだろうなあーと思っています。

コメントありがとうございました。いつか再結成後の記事でお目に掛れれば幸いです。
Posted by IRPPRODUCTS代表 at 2013年05月23日 21:30
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