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2005年03月20日

プレシジョンベースの回路改造

ちょっと前に友人のベースの回路の改造を頼まれまして。
その作業をやったんですが、その改造の内容と言うのが

「プレシジョンベース(以下PB)にシリーズ-パラレルスイッチを取り付けてくれ」

と言う物でした。

ここで言うシリーズ-パラレルとは直列-並列とします。

1PUであるPBは回路的に音色の幅があまり広く有りません。
しかし通常のフェンダー社PBモデルや多くのPB系モデルの場合、
PUは4・3弦用と逆磁・逆巻きの2・1弦用の二つのコイルに別れていまして、
それらを直列に繋ぐハムバッキング構造になっています。
音色のヴァリエーションを増やそうとした場合、この構造を利用しない手は有りません。

さてコイルの構造は概ね以下の様になっています。
コイル・シリーズ-パラレル
(サムネイルをクリックして下さい。画像が拡大されます)

コイル二つを通常の直列から並列に繋ぎ変えれば、音色を変える事が出来ます。
また、いちいち半田付けし直さなくても良い様にスイッチで切り替え出来るようにすれば、
素早い切り替えに対応出来ますし、確実に二種類の音色が確保できます。

ってな訳で今回はこの「直列-並列スイッチ」を取り付けてくれと言う依頼です。

理屈と構造を理解していれば、作業的にそんなに難しい事では有りません。
普通にプッシュ-プル(またはプッシュ-プッシュ)のスイッチ付きポットを使用して、
ピックアップの接続切り替えスイッチを取り付けてしまえば良い訳です。


ここで回路図(実体配線図)を載せてみましょうか。
PB-ノーマル
これがノーマルなPBの配線図です。
コイルが直列繋ぎ(シリーズ)なのが解るでしょうか?

これをこんな感じのスイッチポットを使用して切り替えます。
SWPOT

改造後の実体配線図はこんな感じです。
PB-シリーズパラレル
スイッチポットでコイルの接続方を切り替える様になっていますが、
VOやTONEの基本回路は全く変わっていません。
必要に応じてこの辺りの定数を調整するのも良いと思います。

実作業についてなんですが、作業的に難しい部分はあまり有りません。
半田コテを使ったことがある方なら、とりあえず、行う事が出来る作業ではないでしょうか。

ただ、幾つか作業上の注意点が有ります。
@電気パーツ全般に言えることですが、特に注意した方が良いのが、
PUから切り替え用の配線を延長する際に、
熱しすぎてPUコイルに熱が伝わらない様に気を付けた方が良いかと思われます。

APUの+-を間違えない様に配線を行う。
+-の判別法はまた機会を見て記事を書きます。

そのほかにはスイッチポットのサイズ(特に高さ)によっては
キャビティーの木部加工が必要になることも有るかと思われます。

さて、ここでヴァリエーションが増えたパラレル接続の音色についてですが、
雑感として、

@シリーズ接続と比べると若干ノイズが増えます。
Aパワー感が少し減り繊細さが増えます。(弦振動の解像度が高くなるような感じ)

と言ったような感じですね。

大きく挙げてこの2点なのですが、私個人的な感じ方としては、
スラップのプルを多用するフレーズに合うのではないかと思っています。
上手くバランスが取れると、もの凄く使いでの有る音だと感じています。

プレベの音色のヴァリエーションに困ったら一度試してみると良いと思いますよ〜


そんな訳で本日はここまで


posted by IRP Products at 11:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 楽器リペア関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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