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2004年12月29日

アリアプロ-PE改造

最近ちょっと色々回路を作る機会が有りまして
その一つに「楽器内蔵用ミキサー作って」って依頼がありました。
条件として「増幅素子をFETにして3BANDEQを付けてくれ」と、この一点だけです。
最近FETを売りにしているプリアンプがあってそれを意識した依頼ですね。
FETはICよりスルーレートの特性が良いと言う事で選択されている場合が多いです。
(設計によってはICでも良いと思うんですが・・・)
スルーレートとは「電圧の立ち上がり/立ち下がりの急峻さ」を示す値と言う事ですが、
簡単に言うと音の立ち上がりと言った方がニュアンスは伝わり易いですかね。

しかしFETはばらつきが多いので、なかなか量産ペースでは採用されないと言うのが現状の様です。
まあその辺の詳しい話は置いといて、(まだまだ勉強中です)色々実装の事を考えて行きます。
バッテリースペースも考慮しないとダメなんで、設計は現物合わせです。

それで色々作ってる内にですね、ボツネタがいっぱい出てきまして。
ボツネタ基盤だけで4種類もあるのに捨てるのはもったいない・・・・
それを自分の楽器に組み込んでみようかな?って事で始めます。
(依頼主の楽器はここに載せる許可貰ってないですし)
とりあえず私の私物でアリアAPブランドのPEを献体にしてみます。
(作業前の写真撮り忘れました・・・)

基本仕様
・2ハムバッカー
・各PUにシリーズパラレルミニSW付き
・PU切り替えトグルSW
・2VO・2T
・チューン・O・マティック
・ストップテイルピース
・PEシェイプ・アーチドバック

と言ったような感じのギターです。

とりあえず回路がこんな感じになっています。(画像クリックで大きくなります)
基本仕様
まあ普通のレスポール回路+シリパラSW付きと言った所ですね。

今回の目玉と言うかコレが使いたいが為に改造しようと思い立ったのです。
GHOST1
GHOST2
これです。
グラフテック製ピエゾPUでGHOSTという品番の物だったかと。
カナリ前に購入した物なので正確な事は覚えていませんが。
シャーシ自体はシャーラー社の物と同一ですね。
こいつはグラフテック社製のサドルの中にピエゾ素子が仕込んで有りまして、
各弦独立でアウトプットする事も可能です。

因みにコレのストラト用サドルなんかも存在してまして、
最近見かけませんが、フェンダー社のイングェイガットモデルなんかに搭載されてました。
ピエゾの他、ギターシンセのデバイドPUとして機能拡張も出来たりする面白パーツですが、
今回は通常のピエゾPUとして使ってみようかと思います。

その昔、コレをオービルのファイアーバードに載せていた事もあるのですが、
その時は全く使える音が出せませんでした。(下手でしたしね。色々。)

その、「使えない」と言う大きな理由がいくつか有りまして。

パッシブで使うと物凄く出力が低く、とてもじゃないですが他のマグネットPUとの併用が出来ません。
パッシブバランサーではミックスがほぼ絶望的だったり。
バランサーをマグネットPU側に少しでも回すとマグネットPUの音しかしなくなります。
スイッチ切り替えにしても、ピエゾでガクンと音量が下がりすぎたり。

という事でプリアンプ併用が「必至」という所ですね。
ピエゾ単体でパッシブ時の音色は物凄く良い物が有るとは思いますが。

それで一回プリアンプ製作も考えたのですけれど、残念な事に
ファイアーバードのキャビティーはプリアンプ内臓など遊びが出来る程、大きくありません。
専用キャビティーを彫ると今度は元に戻せないと言う事で断念した経緯があります。

という事でどんどんギター自体の使用頻度が減って行き(RECでは使ってましたが)
ファイアーバードは後輩へ譲った時に取り外して保管してました。

今回はプリアンプ内臓のスペースが十分に取れますので「リベンジ」ってノリです。

それでどう改造するかと申しますと
改造仕様
こう言う風な物を考えてみました。

何じゃこりゃーって感じですが、切り分けて見るとそう大層な物でも無いです。
後、使い勝手も考えて熟考した結果こう言う風になりました。
実装して音を出して行くうちに変わって来るかもしれませんが・・・

*マグネティックPUについて
@フロントがシリーズ/パラレル切り替えSW
Aリアがコイルタップ切り替えSW
Bフロントリア切り替え3WAYトグルSW
今まであれこれ試しましたが、この組み合わせが一番好みでしたので。

C等価GAINでインピーダンスの変換用の非反転増幅回路を噛まします。
理由は後述しますが、こうしないとバランサー使用時に不具合が出ます。

*ピエゾPUについて
@入力用FET非反転増幅回路
本当は各ピエゾの出力に各々増幅回路を組もうかと思ったのですが、FETで弦の数分FET回路噛ましたら
電池の消費量が激しすぎて楽器内蔵にはとても向かない気がしたので(スペースの問題もありますし)
今回はパッシブミキサーで信号を纏めてから増幅する事にします。

Aパッシブ方式3BANDEQ
中段の3BANDEQは半固定抵抗で決め位置を調べる用途に使います。

B出力用FET非反転増幅回路
最終段の出力回路は、中段で作った音をきれいに出力する為に入れます。
パッシブEQでロスったGAIN分補正すると言う意味合いも込めてみます。

こう言った構成にしてみます。

*最終的な実装について
これら二つのプリアンプを2連ポットでバランサー配線を施します。
パッシブ+アクティブをバランサー配線するとMIXトーンが出せません。
今回はバランサーを正常に機能させる為にマグネティックPUをアクティブ化して、
ピエゾ用回路とバランスを取る事にしました。

単体同士SW切り替えで使用するなら問題は無いのですが
今回はどうしてもスムーズにMIXさせたかったので、こう言う構成にしてみました。

冒頭の依頼品のテスト版やボツ企画の寄せ集めなんで実験的要素が強い改造ですが
面白いものが作れるだろう!と言う見切り発車の元でやって行く事にします。

とりあえず本日はココまで!

PS、ベース改良シリーズはどうなったんだ?って?やってますよ。のんびり。


posted by IRP Products at 05:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 楽器リペア関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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