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2013年01月28日

YAMAHA SBVノイズレス加工

今回も掲題通りYAMAHA SBVノイズレス加工作業を担当させていただきました。

このモデル、非常に愛好者の方が多く、変形モデルとしては一つの定番に近い所まで行った珍しいモデルではないかと思っております。
古くは60年代のエレキブーム時代に寺内タケシ氏の為に開発されたそうで、デザインに関しては諸説ありますが、今でも当時のモデルに関して熱心な研究家の方がいらっしゃるモデルですね。
デビュー後、30年間ほど絶版になっていた所、15年ぐらい前にまた寺内タケシ氏の為に完全リファインして発売されたと記憶しております。その流れからバリエーションモデルとして沢山の廉価版モデルなどが発売されるに至り、今回紹介するベースも発売されたようです。その中でも今回手掛けた物は近年製作された物となります。

Y様より承った時点で電装系パーツは全て取り除かれており、新たに組み込み、調整を行うのも今回の作業内容です。

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こんな感じで全くノイズ対策がされていない状態ですね。

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今回はお客様より部品を全てご支給頂きましたのでそれらを使用し組み込んでいきます。

これらのパーツはオールパーツ社やモントルー社など色んなパーツサプライヤーが有りますが、パッキンされているパーツその物ははっきり申し上げまして一緒です。パーツサプライヤーによって変わると言う事は有りません。検品選別はしている可能性は有りますが、あまりそういった話は聞いたこと有りませんね。ですので同じパーツで有れば、安いサプライヤーさんから買うのが一つのコツかもしれません。

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まずはこんな感じでいつもの導電性塗料を塗布し、アースにつながるように加工します。
この導電性塗料ですが、今は様々な製品が出ており、ユーザーさんが手に入れて塗布する事も可能です。ただその場合、必ず塗料自体がアースに落ちる様に施工しなければならない事と、信号が通る端子がキャビティーに触れない様に細心の注意を図って作業する必要が有ります。もしそれらの作業に不備が有った場合、ノイズが増える可能性や、そもピックガードを閉めたと同時に音が出なくなるなんて事もあり得ます。その辺りは基本的には経験と勘と言った様な所で細心の作業をしていきます。

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こんな感じで電装部品を組み込みます。この辺りはパッシブの良さが最大限発揮できるよう、ロスの無い配線を心掛けます。
又ピックガード裏には高周波用アルミシートを貼り込みます。このシート、性能は良いのですが、大変薄く、貼り込み作業が難しいのです。。その内他の部材に変更しようと現在各種部材を試験的に取り寄せていますが、、入手性が良く性能も良いと言った様な良い物に出会えておりません。

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アッセンブリを組み込み、弦を張って調整したら。。。

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無事完成です。ノイズに関してはほぼ無い状態にまで持ち込んでおります。
これは特殊なPUの所為か、これにしか出せない音が有り、大変魅力的な音色でした。
PUレイアウトから想像すると、一見PB系の音がしそうですが、それだけでもないなんとも別のテイストが入った独特の音色です。何よりフロントのプレシジョンPUが大変素晴らしく。。

Y様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命お待ちしております。
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2013年01月27日

グヤトーン社製ビザールギターの改修

今回は掲題通り、K様のグヤトーン社製ビザールギターの改修を担当させて頂きました。
1960年代、エレキブームに乗っかって下駄屋もエレキギターを作ったと言われるそんな時代に生まれたグヤトーンのギターですね。
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日本のビザールギターに関しては詳しい方も沢山おいでですので、モデル考証等、ご存知の方は私に教えて頂きたい位、作業をしていて面白いギターでした

今回のメニューはブリッジの新規取り付け及びペグの交換、電装系のチェックでした。

残念な事に、ブリッジサドルが欠品しており弦が張れない状態でしたので、元の音がどんな音か定かでは有りません。その状態へゴトー社製のチューン・オー・マティックブリッジを取付、ペグもゴトー社製クルーソンタイプに交換と言う依頼でした。

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元の状態はこんな感じですね。

スイッチが沢山付いていて良く解りませんが、各PUのオンオフスイッチ及びローカットトーンスイッチ、プリセットボリュームと通常のボリューム/トーンと言った盛りだくさんな内容となっております。恐らくフェンダージャガー等を意識して作られたんじゃないかなーと言う仕様。またこの時代のギターの多くはピックガードが金属プレスの上にメッキされている様な物が多く見受けられます。50'Sのアメ車みたいで無茶苦茶カッコイイなあと感心してしまいました。

デザイン的には当時の世相や音楽の流行り/生産技術的には家電の生産技術の応用/楽器の理論と言う物が全くない状態で型を起こしたり/木工製品生産技術に関する点など、総合して出来たのがこういった極めてオリジナリティーの強いモデルだと思われます。恐らく当時はフェンダー社製のギターなどそうそう実物を見る事も出来ませんので、レコードジャケットの写真から想像力だけでエレキギターを作っていたと言われています。

それってすごい事だと思いませんか?買えないなら作れば良い/見た事ないけど大体こんなんじゃないかなあ?でプロダクトを起こしてビジネスが始まる辺り、戦後日本の技術者の底力を見た気がします

そんな諸先輩方に敬意を表しながら、使える楽器にする事が今回の作業です。

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トレモロを分解してみました。まあ良くあるビグズビー/モズライトタイプと言った感じの押しバネで作動するタイプですね。きれいに磨いて組み込みます。

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スポンジがもう加水分解されてボロボロでした。

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またPU固定/調整ビス間のゴムチューブも完全に固着して用をなさない状態となっています。

これらはこうもう関するしか有りませんね。
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と言う事で、円錐ばねを用意して交換します。

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次は電装系ですね。作業方針は配線材交換し、きれいに引き直して完了です。
これらのビザールギター等の古いコンデンサは機能している限り極力交換はしないのが私の考え方です。理由は音色が変わると言う事もあるのですが、現在のE系の定数では存在しない数値のコンデンサが使われている事が有り、その存在だけでも大変貴重なのです。ですので、こう言ったギターの場合、私は極力コンデンサは交換しない様にしています。

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次はペグの交換作業です。
元のペグは非常に精度が悪く、ギアもかなり摩耗し、バックラッシュなども起きている状態でしたので、楽器として機能させるには交換は必須の条件でした。

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まずは全てのペグを外し、サビや潤滑油がかなり回ってしまっている元の取付穴を一度ドリル攫い、全て埋め戻します。
元々作業的にはそれほど難しくは有りませんが、元のネック材はかなり柔らかい材種のメイプル?樫の木の様で、怖いぐらいに簡単にビス穴の攫いが出来てしまいました。

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これが今回新調する為に用意したゴトー製のペグになります。
このセット、ちょっと特殊でして、通常ストラト等に使われるペグの場合、取付用ビス穴部分がカットされていて、1本のネジで二つのペグを固定する様になっているのですが、
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(こんな風ですね)
今回、その取り付け方は出来ない為、特別にレスポールジュニア等に使われる取付ビスの穴が切り落とされる前の物で片連セットになった物を用意しました。

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取り付けてみるとこんな感じですね。ペグ穴の間隔に若干のずれが有るようで、一部収まりが悪い部分も有りましたが、耳同士を均等に削って合わせて取り付けてあります。

次はブリッジの取付ですね。
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こんな風にセンター出しと、ネックスケールから割り出したオクターブ位置にブリッジを取り付けます。この辺りはギターの物理的な理屈に則って作業すれば問題ありません。
今回のブリッジはお客様からの指定の品番で、ブリッジアンカーが必要な物でした。
比較的大口径の取付穴をボール盤でボディー面に垂直で開ける必要なあります。

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穴あけ作業後、ブリッジを取り付けたらこの部分の作業は一旦完成

因みにキャビティーが黒いのは既に導電性塗料が塗られている所為ですね。

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その後、各種組み込みを行い、調整し、正常に作動することを確認したら作業完了です。

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完成後、チェックの為に随分弾いてみましたが、結構いい音がするPUが有りました。
この時代のPUを含め、ビザールギターは恐らくもう二度と作る事は出来ません。
こう言ったギターの音色は文化的な価値から行くと結構高いのでは?と常々思っているのですが、残念ながら失われてしまった技術や、もう現物がこの世に存在しない物まで沢山有るのだと思うと大変さびしい限りですが。

オールドギターは何もギブソン/フェンダーだけが文化的価値が有るのではなく、これらの楽器を一番最初に作ったエンジニアや、購入したファーストオーナーの想いや、その時代の臭い、移り変わっていく時代の中で不遇な扱いを受けた歴史など、それらを含めて価値が有るのだと思っています。

ただ、こう言った作業で改修を行うと、上に挙げた様な価値が損なわれると大変お怒りになられる方もおいでかもしれません。ですが楽器はやはり弾いてこそ意味が有るのでは?と言う想いから、複雑な気持ちを抱えながらも作業させて頂いた次第です。

そんな訳で、大変貴重な経験をさせて頂いた訳ですが、作業後の全体写真を撮り損ねているのは大変残念です。

K様ご依頼ありがとうございました。
またのご用命とご愛顧の程お待ち申し上げております。
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2013年01月12日

フェンダーUSA/PJベースのメンテナンス

今回の記事は掲題通りフェンダーUSAプレシジョンベースのメンテナンスになります。
ご依頼主は私の古い友人でもあり、富山の管楽器工房を経営する高木君からのご依頼でした。

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小ぶりなプレシジョンタイプのボディーにレースセンサーPU/アクティブサーキット、そしてフェンダー刻印入りのブリッジにファインチューナーが付いていたりして、専用設計を思わせますし、中々面白い楽器かと。

特にブリッジは何やらシャーラー製っぽい作りになっているのですが、これが中々良い重量と構造をしています。私このブリッジ、結構好きです。

ただ、このベース、色々調べましたが中々製品詳細が判りません。
Guns N' Rosesのダフがこんな色のベース使ってたなーと言う感じでしょうか。

ボディースタイルはプレシジョンベースですが、リアにジャズべPUが付いていて、ピックガードレスなのも特徴ですね。90年代初頭はこう言うPJスタイルの物がかなり流行っていた様で、各社このPUレイアウトの楽器を発売していました。

私はこのレイアウトに関してはどうしてもPUの位相の問題で、構造的に無理が有ると考えています。

理由の一つがプレシジョン用PUは1/2弦と3/4弦の位相が逆になったハムバッキングなのですが、これを通常のジャズべ用PUと組み合わせてハーフトーンを出した際、必ず1/2弦又は3/4弦がフェイズ(逆位相)してしまいます。

最近ジャズべのPUで1/2弦と3/4弦が別のコイルになっている物も発売されているので、そういう物を使用した上、注意深くセッティングをすれば解決するかと思いますが。。

現状そこまでの追い込みの必要に駆られている方はいらっしゃらない様な。。そんなことが災いしてか、あまりこのレイアウトの物は市販されなくなったように考えています。

但し、これにはこれにしか出せない音色が有るのも事実で、潜在的なユーザーの方は多いんじゃないかと思っています。

まあそんな感じですかね。

後このベースは、亡くなった私の師匠筋に当たる方が一度メンテナンスを担当したのですが、それから10年近く経ち、随分各部の調整が緩くなっていました。

作業内容は以下の通り

@バッテリーボックスの増設
Aトータルのメンテナンス
B配線の引き直し

取り敢えずコントロールキャビティーを開けてみました。
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量産品だし、こんな物と言えばこんな物。駄目と言えば駄目。と言った感じですね。

このプリアンプは2バンドEQでPUバランサー及びマスターボリュームまで一枚の回路基板で構成されていて、尚且つコントロールポットをボディーに取り付ければ自動的に回路基板が固定されると言う、非常に生産工数的にも優れた仕組みになっています。さすがアンプも作っているフェンダーの開発力と言ったところでしょうか。また結構良いポイントを押さえたEQカーブをしています。

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いつも通りゴトー製バッテリーボックスを追加工して増設。

次はコントロールキャビティーのシールディング加工を追加
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元々塗られていた導電性塗料は非常に薄く、又塗り斑がひどかった為に重ね塗りを行いました。
各部の導通をテスターで確認してから、、、

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回路を再組み込みしました。
再組み込みの際、基板から出ている配線等も処理し直し、各ポットやキャビティーとも配線できちんとアースに落として有ります。これでノイズ対策はバッチリ。

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こんなノブですら専用設計ですから、やっぱりフェンダーの開発力は凄い。しかも実に使いやすいのです。
無茶苦茶因みな話ですが、これスタックノブ/2軸2連ポットでして、古いジャズベースなんかに有りましたが、これは下段がEQで上段がVOになってます。
普通に考えたら下段だけセンタークリック付きの2軸2連ポットで、更に抵抗体の定数が上下で別って相当レアですし、これぞ専用設計!って感じです。
何となくですが、ジョン・サー氏が開発したんじゃないかなーとか想像してしまいますね。
因みにエリッククラプトンのミッドブースターはジョン・サー氏が設計したものだった筈。それより前のエリートストラト系のプリアンプは現在BBE社で取締役のポール・ギャゴン氏がフェンダー在籍時代に開発したと何かの資料で読んだ事が有ります。

と言った様な所で各部振動系統をメンテナンス/調整して終了です。

音を出してみて思ったのがやっぱりレースセンサーはベース用でもレースセンサーだなーと思った次第。

後は、各部調整中、色んな点で亡くなった師匠筋の方が調整の際に触った痕跡を見つけ、ちょっと色んな事を思い出したりしました。

高木君、ご依頼ありがとうございました。

彼は冒頭にも有りましたが、管楽器のリペア工房をやってます。
リペアスタジオ高木
もし管楽器の事でお困りの方がいらっしゃれば是非覗いてみて下さい。
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IRPオリジナルローカットエフェクタ製作

引き続き昨年頂いたお仕事の一部をご紹介させて頂きます。
今回はT様と言うお客様から頂いたローカット具合をコントロール出来るエフェクターの製作依頼を頂戴しましたので、オリジナル設計にて製作させて頂きました。

今回のご要望の骨子は以下の通り

@S社のギターに内蔵されているローカットトーンをエフェクトペダルにしたい
Aコントロールノブを右に回すとローカットされていく様に配線
Bパッシブでご希望でしたが、その他機材の外部要因等、諸般の都合から増幅回路を内蔵する事。
また、回路のフロー等、物理的な都合から増幅後にローカットを行う事に。
CLEDは青色で高輝度の物を使用
Dラベルやデザインはオリジナル

そんな内容で製作スタート
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こんなユニバーサル基盤でバッファ増幅部分の実験機を作ってしまいます。
この回路は安定性も高く、原音に対するカラリングも非常に少ない優秀な回路でして、私共の色んな回路のインプットバッファに使われています。
過去に実験販売していたArchetype-Element(楽器内蔵型プリアンプ)の主要回路でも有ります。
こちらは小型な使用パーツの目途が付き次第、再生産しようと計画しています。

まあそんな回路に所謂ローカットフィルター(要素としてはRCの1次フィルター回路)を取り付けて実験を繰り返します。

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とまあこんな感じで部品を取り換えて色々聞き分けて定数を決定していきます。
一次フィルターは簡単な計算でもカットオフ周波数は出せるんですが、繋ぎこむ相手は楽器ですのでコレは音を聞いて、色々な定数の部品を取り変えながら決定した方が早いなーと思います。

ただ、設計の下準備の段階ではスタジオ用機材でアナログ64バンドのグラフィックEQを使って有る程度、カットオフ周波数を決めてあったりするんですけれどね。

そんな感じで完成!
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今回は二台ご注文頂いておりましたので揃った写真を。

T様、ご注文ありがとうございました。
またのご依頼お待ちしております。

あまりきれいな写真が残っていませんでしたが、こんなオリジナルエフェクトも製作可能です。

気になった方はぜひお気軽にご相談を!
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2013年01月06日

最近の楽器内蔵プリアンプに関する時流について

最近はヤフーオークション等でも楽器内蔵型プリアンプが結構な種類出品されているようです。
時折そういった所謂新興ブランドのプリアンプと楽器を持ちこみされるお客様がいらっしゃいますので、触れる機会が結構多く様々な観点で自社製品を見つめ直しフィードバックを行っています。

そんな折に触れ思う事ですが、最近はギターにプリアンプを内蔵する事に抵抗が無い方が微々たる数とは言え増えてきているのかなと思います。

古くはアレンビックやBCリッチがプリアンプ内蔵を始め、サドウスキーがスターズと組んで自社プリアンプの開発をし、マーカスミラーが同社製品使った事で一気に市民権を得たように思います。
但しこれらはすべてベースの世界の話で、ギターは中々内蔵型プリアンプは受け入れられない時代が依然続いています。

EMGに代表されるアクティブPUは構造が特殊が故、ある種の音色を想像され敬遠されたり、楽器その物に電池が入っている事がギタリストの心理的な敬遠を生んでいるような気がします。

私個人が考える楽器内蔵型プリアンプ考は以下の通り

1:PUはあくまでパッシブで有る事
2:プリアンプ入力前にボリュームが有りパッシブの定数である事
3:トーンを取り付ける際はパッシブ定数でプリアンプ入力前に設置する事
4:プリアンプ入力インピーダンスは出来るだけ高く受ける
5:出力インピーダンスは出来うる限り低く送る
6:プリアンプによってトータルの出力位相が反転しない事
7:EQ要素が入る場合必ずフラットポイントを設ける事
8:フラットポイントでバイパス時と音色がほとんど変わらない事

あたり前と言っちゃあたり前なのですが、この辺りが出来ないプリアンプは非常に沢山有ります。
格段解説
1〜3に関して
「パッシブの音色や操作性」と言う物を残す為に、言い換えるとプレーヤーに違和感を与えない為に行う内容です。プレーヤーからのリクエストや「アクティブの音色や操作性」を追求するのであればボリュームとトーンはプリアンプ以降に配置します。

ただ経験上、前段のパッシブ定数の物の方が概ね評判は良いようですが。

4〜5に関して
所謂ハイ受けロー出しという電気回路の鉄則を守る為です。
もしもこれが逆ですと、後段に繋ぐエフェクト等の機器によっては正しい機能が発揮できない可能性が高く、機材のトータルのブロックダイアグラム上、運が悪いと故障を招く事も有ります。
その他の要素に於いてはこの入出力のインピーダンスの数値定数によって、ある種の音色のコントロールが可能です。但し前出の話通り鉄則は守った上ですが。

6に関して。
コレはオーディオ回路の鉄則ですが、単純にミキサーやバンドのオケに信号を突っ込んだ場合、同一帯域がフェイズして打ち消されてしまいます。ですので、トータルの入出力は必ず正位相で処理を行うべきです。

7に関して。
これは、元音が一体どんな音であったかを瞬時に戻せるようにしておかないと、触れば触る程、原音から離れて戻せなくなる事を避ける為です。

8に関して。
フラットポイントで音色の変化が殆どなければ、増幅素子を通ってインピーダンスを変化させている分、1:1のバッファリングを行った事と同義です。この機能を満たしていると、一台で2種類の機能を果たせるようになります。ただ、回路の設計理念上どうしてもそれが出来ない物で有る場合は、7の現象に連動して、バイパススイッチを設ける事は必須とも言えます。

さて、私共のミッドブースターに関しては現在の所、全く店舗販売を行わない事で中間マージン圧縮によるコスト削減を行っているのですが、ペダルエフェクトタイプへのカスタマイズや、今後開発する物に関しては、どこかの楽器店さんとタイアップの上、販売を行う可能性もあります。
そう言った場合でも、基本的には上記の設計理念は守った物を製作します。
しかしながらこれらの内容にプラスしたいご要望等が有れば、柔軟に対応させて頂きますので、引き続き宜しくお願い致します。


本日はここまで
posted by IRP Products at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | プリアンプ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

カスタムショップストラトへのミッドブースター搭載

本年2つ目の記事は前回同様の作業内容ですが、カスタムショップストラトへのミッドブースター搭載をご用命頂きましたのでその作業記事となります
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入庫時の姿はこんな感じで、フェンダーカスタムショップ製のストラトになります。
所謂アメリカンデラックス系の仕様となっているモデルです。

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実はこのストラトは既に某社にて改造を受けており、3シングルからSSHへ改造がなされていました。
PUは全てフェンダー製ではなくとある社外品のリプレイスパーツです。これは結構良い組み合わせで、良いバランスかもしれないなあと思ったのでデータとして私の資料に追加されました。
自分用のアッセンを組む時には大変参考になる組み合わせです。

今回は演奏曲目等の変化の都合で、それらのアッセンを全て交換してしまうと言う作業でした。

まずは全分解から。
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リアPUのキャビティーはハムバッカー用に拡張されています。

今回は3シングルに戻すのですが、キャビティーの埋め戻しは無しです。
このままアッセンの載せ替え作業に入ります。

その前に例によって導電性塗料によるノイズ対策を行いますので、マスキングテープにて養生します。
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こちらも厚めに導電性塗料を塗布し、ちゃんと塗膜がアースに落ちる様に加工作業をしております。
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今回載せ替えるPUはこちら。
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フェンダーノイズレスPUホットのセットですね。これ、音的にも構造的にも個人的には大好きなPUの一つです。が、使用されているアウトプット用の線材はもう少し良い物に変えられないんだろうか。。

そんな訳で次にPGを新規製作で新調した物に早速アッセンを組み込みます。
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今回のコントロールレイアウトは以下の通り。
★3WAYレバースイッチ
★マスターボリューム
★ダミートーン
★ブーストゲイン

例によって載せてあるブースターはコレと同一形状の物ですね。
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今回はバッテリーボックスを増設しますのでいつも通りのこの位置に切削加工を行います。
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ボックスを取り付けるとこんな感じ。ゴトー製のボックスは本当に便利で助かります。

そして新アッセンを組み込んで調整をしたら一旦完成です。
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次はストリングガイドの増設もご用命頂いておりましたので、アメリカンシリーズのストリングガイドを用意しました。
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コレをお客様からの指示に合わせて取り付ければ作業終了です。
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この位置も実は拘りみたいな物が有って、計算して割り出しているのです。

その後、各種調整を行って最終チェックがOKになって出庫です。
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T様 ご用命有難うございました。
またのご用命とご愛顧の程お待ち申し上げております。
posted by IRP Products at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | プリアンプ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年明けましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞご愛顧の程宜しくお願い申し上げまして、新年のご挨拶に代えさせて頂けたらと思います。

早速ですが2013年も幕が開いて6日も過ぎました。徐々に仕事を始めておりますので、引き続き宜しくお願いいたします。

年始一発目の記事は例によってミッドブースター搭載の記事です
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今回の楽器はフェンダージャパンのエスクワイヤータイプになります。

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リア一発の大変の男らしい構成の楽器ですね。

通常エスクワイヤーのレバースイッチはパッシブプリセットトーンコントロールになっていて、スイッチの切り替えによってトーンのカット具合が変わると言った回路になっています。

が、今回はミッドブースター取り付けをご希望でしたので、通常のプリセットスイッチではなくミッドブースターの切り替えスイッチ及びスタンバイスイッチを同梱してしまう事となりました。当然通常のパッシブトーンの場所にブーストゲインノブを取り付けるレイアウトですね。

まずは全分解から。
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非常に素性が良いアッシュ材ボディーでどうやら各部ホロー加工がなされているようです。

同時にご用命いただいたシールディング加工の為にボディーを養生します。
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その上から必要な部分だけ導電性塗料を塗布。
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この加工はシングルコイルのギターのノイズにお困りの際、覿面の効果が有ります。
但しちゃんと各部をアースに落とす加工がなされていることが条件ですので、そのあたりを要注意の上、塗料を厚めに塗布します。

そしてブースター回路投入。
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コレ作業中のブサイクな写真しか残せてませんでしたが、最終は適切に配線類を処理しています。

又、バッテリーは当初PG下に座繰りを入れてバッテリースペースを確保する予定でした。外見からバッテリーが解らない様にしてくれと言う意味ですね。
ただ、どうもホローボディーなので、下手に掘るとかなりみっともない事になりそうです。

そのあたりお客様とご相談の上、ホロー構造の為、かなりスペースに余裕が有るコントロールキャビティーへ専用バッテリーホルダーを取り付けて納めてしまう事にしました。

それが作業写真のような状態ですね。

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組み込んで蓋をしたらこんな感じ。
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いつも思うのですが、テレキャスターのブリッジには本当にこれにしか出せない魔法みたいな音が有りますね。また、このPU、お客様がリンディフレーリンに交換されてまして、特有のエッジ感と線の太さを持ち合わせています。

このPUとうちのブースターの組み合わせは鳥肌が出る様な音が出ました。
動画でも撮っておけばよかったなあ。

完成後のコントロールレイアウトは以下の通り。

★レバースイッチ
フロント:信号オフ
センター:ブースターゲインオフ
リア:ブースターゲインオン

★マスターボリュームノブ
ソニックが出しているフルアップボリュームポット

★トーンノブ
ブースターゲイン

今回の作業はブースターをレバースイッチで切り替えると言う初めての試みで、当初はスイッチの構造上の問題で切り替えノイズに随分悩まされましたが、各種検証の後、回路自体を改造して事なきを得ました。

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そんな訳で各部調整をして完成。

K様 大変お待たせしました。
又のご愛顧をお待ちしております。

posted by IRP Products at 18:56| Comment(0) | TrackBack(0) | プリアンプ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする