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2012年07月16日

ミッドブースター取り付け例 

昨日もアップしましたが出来る余裕があるうちに記事をアップしておきます。
放っておくと又しばらく滞ってしまうと思いますので。。。

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今回の記事はストラトに対するミッドブースターの取り付けを一旦おさらいする事にします。

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まずは新潟県の女性ギタリスト様からのご依頼で、フェンダーメキシコのロードウォーンシリーズのストラトです。今回はこのギターに私共のミッドブースターキットを組み込みます。

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このギターは最初からかなりハードなレリックが施されてまして、塗装も激薄です。もうシーラーなしで一発目に着色剤塗って終わりなんじゃ?と言うぐらい薄いです。

当然その分軽量ですし、何より生の木の音がします。但しこういった状態の楽器は極めて湿気に弱い事が有りますのでお気を付けを。。

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ピックガード〜アッセンを外してみた所ですが、まあいわゆるメキシコ製のストラトと言えどフェンダーUSAに準じた電気パーツが使われてます。今回はセレクター/ヴォリュームポット/PUを再利用します。

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ここに私共のミッドブースターキットをフロントトーンの位置に取り付けます。
基板ごと電子回路が増設されていますが、これがそのブースター回路になります。
正確に言うとミッドレンジのブースト機能を持ったEQプリアンプなんですけれどね。
当然ローインピーダンス化も可能ですので、アンプまで長いケーブルを這わす際にはノイズに極めて強くなります。

後、初段で素直にバッファリングしますので、PUの最も素直な音を聞いているともいえますし、レンタルスタジオ等で少々まずいアンプに当たったとしても、「ある程度線の太い音」を手元でコントロール出来るのが最大の魅力ですし、後段のエフェクトの掛りも良くなりますので利点は結構あります。

又、このキットの利点は殆どの場合、回路設置の為の木部加工が必要ありません。ですので木部加工賃が発生しない場合、非常にお安く設置する事が可能なのです。

良い事ずくめな書き方ですが、パッシブのギターの魅力と言う物も大変よく承知しておりますので、やっぱりコレはコレ、アレはアレという使い分けと取捨選択の問題ですね。

今回の依頼ですとパッシブ/アクティブ切り替えをマスタートーンポットにて行える様にスイッチポットを使ってトゥルーバイパス回路を組んであり、トーンコンデンサも私共のお薦め銘柄の物を使用してあります。

ボディーのノイズ処理作業の後、このアッセンを組み込んだら終了です。

バッテリーボックス治具-1.png

アクティブギターの致命的な欠点が、外部電源を必要とするという事でしょうか。。
コレが結構アクティブギターが流行らない理由の一つだと思うのです。

何となく、、楽器に電池が入ってるのは邪道/ロックじゃない等の理由もあるのでしょうが、単純に電池交換が面倒くさいと言う事が大多数を占めている様な気がします。
又、ライブの最中に電池が切れたらどうするんだよ!という声も聞こえてきますが、、、まあこの問題もソレはソレ、コレはコレと言った結果に対する取捨選択の問題だと思います。

話を本道に戻し、今回は、バッテリーボックスを増設しない上に、外から見て電池が入ってると解らない様にしてくれと言う依頼でしたので、本家クラプトンモデルの様にスプリングキャビティー脇に電池を埋設する事にします。その為のジグの図面が上の写真ですね。

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切削後、電池を実際に入れてみたらこんな感じです。

画像 748.jpg

スプリングカバーを取り付けたら外見からは全く解りません。

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こんな感じの事もご要望に合わせて加工させて頂きますので、どんな事でもご相談頂ければ幸いです。
posted by IRP Products at 20:17| Comment(7) | TrackBack(0) | プリアンプ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Rickenbacker/Model 4003 弦をボディー裏通し加工

掲題通り今回はRickenbacker/Model 4003 の弦裏通し加工についての記事をアップします。

今回はリッケンバッカー4003といえばポールマッカートニーですとか、モーターヘッドのレミーなんかがユーザーとして有名ですね。
これにしか出せない音色があるので大変人気があるますね。
私個人的にはポールマッカートニーが大好きなので多少思い入れは深いのです。

今回はそれほど大掛かりな加工でも有りませんのでさらっとご紹介に留めます。

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まずはボディーのみ全景から。まあ普通の状態です。

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ブリッジも至って普通の状態

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ブリッジを外した状態ですね。このキャビティーのおかげでリッケンは他のブリッジとの互換性がゼロに等しい訳ですよ。。

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だって、バダスを正しい位置に置くとこれだけキャビティーにかぶってしまうのですよ。。。
これ正しく取り付けようとしたら、埋めて均して塗装する必要が有りますね。。。これは流石に費用面でゴーが出る事は珍しいです。

と言う事で、今回は元のブリッジを使用して裏通しブッシュを取り付け、表の弦が上がってくるラインにも木部保護用のブッシュを打ち込む作業を行います。

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まずは表のブッシュの位置決めからこの位置決めで全てが決まりますので、かなり綿密な検討と製図が必要になります。またこの位置決めには物理的な制約が有りまして。。詳しくは割愛しますが、力学的にバランスが取れた状態が得られる位置と言うのが存在するのですが、それを探す長い検証作業が必要なのです。
因みに、このブッシュ、テレキャスターの弦止めブッシュを加工して利用しています。

なぜこの表ブッシュが必要なのかと言いますと、これは裏から弦が上がってきた際に木部むき出しの状態でテンションが掛ると、どんどんボディー材が弦の圧力で潰れて行ってしまうのですね。それを避ける為の方策です。

で位置決めが終わりましたら、穴あけ〜加工ブッシュ打ち込みと言う作業を行います。

IMG_0063.JPG
表のブッシュ位置から垂直に真裏まで通し穴をあけ、裏ブッシュを取り付けます。
写真では写ってませんが、当然段穴加工で、この部分、ボール盤を使用の上、三種類のサイズのドリルで加工しております。(加工作業自体はかなりすっ飛ばしてますが)

表ブッシュ.JPG

表ブッシュはこんな塩梅ですかね。どうでしょうか。

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次に配線ですが、お客様がPU交換をされたとのことで、この部分のメンテナンスも承っておりますので、並行して作業します。

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とはいっても部品自体はヴォリュームポット以外、消耗もほとんどなく交換する程傷んでおりませんでしたので、VO交換〜再配線/再半田等クリーニングの上再利用します。

表ブッシュ2.JPG

で懸案の裏通し加工ですがブリッジを取り付けて、弦を張りなおしたら完成です。

私個人は音やタッチの関係は結構変わった感じもしますが、実際はユーザーさんや色々な要素が絡んできますので、即日のレビューは難しいかもしれません。ただ一点だけ言える事は、アタックが早くなり、基音の輪郭がはっきりします。

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かなり駆け足で写真も少ない状態でのご紹介でしたが、如何でしょうか?
この様な内容の作業もご相談頂ければご対応させて頂きます。
posted by IRP Products at 00:58| Comment(1) | TrackBack(0) | 楽器リペア関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ギブソンSGネック折れ修理 

もうずいぶん前に行った修理ですが、修理技術情報系の記事をアップします。
ギブソンSGスペシャルですが、東京のとある筋から修理依頼を頂戴しました。
ギブソン系ネックにつきもののヘッド折れと言う奴ですね。

まずは修理前の全景から
(画像が極めて小さいくて申し訳ありません。各画像はサムネイルをクリックしますとある程度拡大した物が見られますのでご容赦を)

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程良く使い込まれた感じのする状態ですね。塗装のダメージ等も良くある感じです。

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ボディーアップ。これ色んな所が欠けたり磨り傷があったりで歴戦の貫禄を湛えてます。
こう言うのは中々レリックとかでは表現できない感じですね

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問題はボディーバックからネックに掛けてファイヤーパターンのステッカーが貼られている事。
これはネック折れ部分の塗装の際に邪魔ですから、お客様了承済みの上で剥がしてしまう事になりました。

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肝心のネック折れ部分ですが、これがまた酷くてですね、行ったんお客様が流し込まれたとみられる正体不明の接着剤が沢山付着してました。これがかなりの悪さをしておりまして、もう割れた断面には接着剤が効かない状態になってます。
こういう状態で持ち込まれる事は沢山あるんですが、ネックは折れたら絶対接着剤は使わないでください。プロでも難しい修理の部類に入るのですから、ユーザーさんご自身が下手に接着剤を流し込まれますと、切削部分が増えたり、補強の量が増えたりで却って修理費用が高額に跳ね上がる危険性もあります。

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別角度から。割れの周辺になにか漏れ出しているのが判りますでしょうか。。。?かなり解りにくいですが。

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もやはこの割れや接着剤が染み渡った部位を一旦すべて削り落して、新たな当て木を当ててあげる工法しかありあせんね。。と言う事で作った当て木です。これマホガニーのブロックから削りだすのですが、ちょうどいい大きさの物がアコースティックギター系の材料在庫に有りましたので利用します。これの元はアコギのネックジョイントブロックを今回の当て木として最適〜最強の強度が出る様に削り出しました。

又、実験中のある種の特殊な処理を施して有りまして、木の動きや強度を高めてあります。
どういう工法かは申せませんが、あまり楽器業界ではなじみが無い工法ではないかと思います。
私が開発した訳ではありませんのでアレですが、切削してる段階から「あ、硬ったーい。これいつもと違うわー」と言うのが実感出来る位違ったりしてますね。
で、このブロックはこの時点で、かまぼこ状の形態へ整形しておきます。この形状に関しては後の写真でも説明しますが、ケースバイケースです。所謂「勘所」って奴ですね。

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この折れ方のケースで行くとこの位の形になりました。

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で、今度は楽器側の破損部分を全て削り飛ばしてしまいます。
今回はボリュートを付けて強度アップも含んだ作業内容ですから、多少深い目に削り取りますが、トラスロッドの関係があるので、深追いは禁物です。この時点でトラスロッドの調整口が切削部より顔を覗かせてます。

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ここに前工程で製作したマホガニーブロックの湾曲を双方ピッタリ合うように、尚且つ強度が出るような面積を確保した上できっちり密着する様に合わせます。削っては合わせ、削っては合わせと本当に気の遠くなるような作業を繰り返します。

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このマホガニーブロックには当然ですがトラスロッド調整口の逃げを接着前にあらかじめ掘っておきます。

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そしてばっちり密着するまで調整したら、次工程ではマホガニーブロックを接着!
これも結構クランプを使い慣れていないと力加減が難しくて接着強度が落ちたりするようですが、こればっかりはもう言葉ではなんとも言い表せない感覚的な部分ですね。一つだけ言うと締め過ぎたら駄目と言う事でしょうか。

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接着剤が乾燥したら当然次はブロックの切削整形〜サンディングです。
強度を上げる為にボリュートを付けると言う依頼なのでこの様に成ってます。ここの形状は色んなご意見と好みがあるかもしれませんが、、、形状は私に一任されていたので70Sギブソンに良くあった形状を再現しました。私、結構70Sのギブソンが好きでネットや書籍等で資料を見かける度に貯め込んでいたりします。
一般的には50Sが至高と皆さん思われるかもしれませんが、結構面白いんですよね。この時代のギブソン。

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ボリュート部分をオールラッカー塗料にて部分塗装して仕上げ。生地整形も良いレベルで行けましたし、接着強度も強固ですので、再び折れるような扱いさえしなければ大丈夫でしょう。

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そして冒頭に有ったネック裏のステッカーがラッカー塗装をかなり侵していたので、ほぼネック裏全体をリフィニッシュしました。
ラッカーの白は経年変化でクリアが黄色く変色しますし、また斑のある変わり方をするので、部分塗装は色決めが難しいのですが、なんとか全体のトーンと合わせる感じで自然な仕上がりになりました。

画像 585.jpg

裏面全体像ですがこんな感じです。元は折れた楽器なんて誰も思わないレベルで仕上がりました。
当然楽器として振動系は全て調整済。実は合わせてナット交換も行って完成です。

とにかく時間はかかりましたが、、、お待ち頂いたお客様には大変ご迷惑をおかけして申し訳有りませんでした。

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何年かぶりの技術系記事のアップでしたが、如何でしたでしょうか?
この様な作業も承っておりますので、何かありましたらご相談頂ければ幸いです。
posted by IRP Products at 00:01| Comment(2) | TrackBack(0) | ネック折れ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする